新井英樹原作の熱狂的なファンを持つ漫画の実写映画化作品、『愛しのアイリーン』。本作の公開を記念し、「人生で一番影響を受けた」と公言する作品の映画化を見事に果たした𠮷田恵輔監督と、直木賞候補となったベストセラー小説『ファーザーファッカー』や、大ヒット漫画『南くんの恋人』など小説家・漫画家、またミュージシャン・俳優として多才な活躍を見せる内田春菊を招き、公開記念トークイベントが開催された。

昨日22日にも日比谷でトークイベントを行った𠮷田は、「昨日の日比谷とは客層が全然違っていて。今日は渋谷なのでまだ大丈夫かな(笑)」と本作の過激な一部描写を取り上げ、ほっとした表情で会場を見渡した。
2006年の内田が審査員を務めたゆうばり国際映画祭で、𠮷田が自主制作の映画『なま夏』を出品したことがきっかけで旧知の仲となり、本作のパンフレットにもコメントを寄稿した内田春菊は、「スクリーンで観たのは今日が初めてで、パンフレット寄稿にあたってDVDをお借りして家で見ていたんだけど、イヤホンジャックが外れていて高校生の息子に「母さん
、何見ているの…?」と言われちゃって(笑)」と語り、トークイベント直前の上映で初めてスクリーンで鑑賞したことについては、「こんな登壇の直前に観たのは失敗でした。衝撃が強くて受け止めるのに精一杯。この凄さをすぐにちゃんと言葉にできるか自信がない」と、映画館のスクリーンで観る『愛しのアイリーン』の衝撃について称賛した。
 本作で主人公・岩男の母役・ツルを務める木野花とも交流があるという内田は、「木野さんとは仲良しなのだけど、途中で心配になった」と語り、𠮷田も撮影中は「普段は穏やかで優しいお母さんのようなのにカメラが入ると豹変するから、原作の新井先生も唯一声をかけられなかった」とこれまでの木野のイメージを打ち砕くかのような本作の夜叉のような母役を演じきった木野について語った。
最後に、昨日の日比谷のイベントに続いて来日中の、アイリーンを務めたナッツ・シトイと岩男のお見合い相手、間嶋琴美役を務めた桜まゆみがステージに登壇し会場はサプライズ登場にどよめき、ナッツは「見てくれてありがとうございます」、桜は「数ある映画の中から見てくれてありがとうございます。もっと見て欲しいので皆さんの力を貸してください」とコメントし、イベントは幕を閉じた。

出演:安田顕 ナッツ・シトイ 河井青葉 ディオンヌ・モンサント
福士誠治 品川徹 田中要次/伊勢谷友介/木野花
監督・脚本:𠮷田恵輔
原作:新井英樹「愛しのアイリーン」(太田出版刊)
音楽:ウォン・ウィンツァン
主題歌:奇妙礼太郎「水面の」 (WARNER MUSIC JAPAN/HIP LAND MUSIC CORPORATION)
企画・製作:河村光庸 製作:瀬井哲也 宮崎伸夫 エグゼクティヴ・プロデューサー:河村光庸 岡本東郎 プロデューサー:佐藤順子 行実良 飯田雅裕
製作幹事:VAP 企画・制作・配給:スターサンズ 制作協力プロダクション:SS工房
2018「愛しのアイリーン」フィルムパートナーズ(VAP/スターサンズ/朝日新聞社)レイティング:R15+