『ピース・ニッポン』中野裕之監督×安齋肇 大ヒット御礼トークイベント
現在、日本津々浦々、8年間で全国47都道府県・200箇所以上で撮影された映像を厳選し、4K解像度で映画化した『ピース・ニッポン』が全国大ヒット公開中です。
数年間に一度だけ、”一期一会”でしか出会えない風景を8年もの歳月を費やし追い求め、全国47都道府県・200箇所以上で撮影した映像を厳選し、4K解像度で映画。空からとらえた見たことの無い絶景の数々、そして知っているようで知らなかった日本人特有の精神やルーツも紐解いていく、壮大で、ドラマチックな映画が誕生しました。本作には、2020年東京オリンピックを控え“ニッポン”が益々世界から注目される今、「日本人にもっと日本のことを知ってほしい、もっと日本に恋してほしい。」という思いが込められています。111分の日本を巡る旅に、観客は誘われます!
神道と仏教が混交していく中で、日本人が持つようになった特有の精神や自然感にフォーカスする「日本人の精神」、世界に類を見ない豊かな気候風土が生み出す変化を巡る「日本の四季」、そして、日本列島を南から北へ、簡単には出会うことができない奇跡のような瞬間を紡いでいく「一期一会の旅」。3部構成の贅沢な旅を通して、日本の美しさを発見し、日本に恋してください。日本人のDNAを呼び覚ます111分、まさに日本の”ベスト盤”とも言える作品に仕上がっております!
新たな日本に出逢う壮大な旅のナビゲーターを務めるのは、小泉今日子と東出昌大。東出昌大は映画作品のナレーション担当は本作が初となる。後世に遺したい”本当の日本の美しさ”を巡る旅への案内人として、日本を代表する映画俳優として第一線で活躍する二人が作品に華を添えます。
この度、監督を務めた中野裕之氏と、イラストレーター・アートディレクター・ソラミミストとして、多方面に渡りご活躍中の安齋肇氏のご登壇による大ヒット御礼トークイベントつき上映を実施いたしました。
■日時:7月28日(土)
■会場:新宿バルト9 (新宿区新宿3丁目1−26 新宿三丁目イーストビル 9階)
■登壇ゲスト:中野裕之監督、安齋肇さん(イラストレーター、アートディレクター、ソラミミスト)
上映後、観客の大きな拍手に迎えられて中野裕之監督と安齋肇さんが登場。拍手が続く中、早速トークが始まり、「安齋さんの感想を聞かせてください!」との監督からの問いかけに対し、「まずは、大ヒットおめでとうございます!すごいですよね、こんな作品を撮るとはビックリです。今までの作品群からするとかなり特殊ですよね。中野さん、最初は竹中直人さん達とコント番組を作っていて、その時に出会っているので、そのイメージが強くて。」と安齋さんが答えると、「いや、それは置いといてこの作品はぶっちゃけどうだった?」とツッコむ中野監督。冒頭から、旧知の二人の親密さが伝わるやり取りが繰り広げられ、安齋さんは「すごかったですよ。裏切られた感じが強いです。いきなり日本の神社の紹介から始まって、面食らいました。中野さんが過去に撮影していた花火シリーズや屋久島の森など、綺麗に面白く映像を撮るのは知っていて、それを想像していたので、真面目かよ!と思ってしまいました。でも、「ピース・ニッポン」というタイトルだと真面目にならざるを得ないですよね。でも、 “真面目”の中にも、中野さんらしいこだわり抜いた部分をいくつも見て、それを見られた事がすごく嬉しかったです。」と感慨深く語った。対して中野監督は、「この作品では“らしさ“をなるだけ出さないように心がけたけど、僕らしさが出ているとしたら猿のシーンですね。猿たちがとても可愛くてシーンを切れなかったんです。あんな風に長く映る映画はあんまりないと思います」と作中でも印象的な、温泉で気持ちよさそうに湯船につかる猿のシーンについて語った。そのシーンについて「なんで猿なんだ!?となりましたが、でもいい感じでしたね」と安齋さんが答えると、監督は「実は猿が浸かっている温泉は女湯です、知ってました?女湯は子供も入れるので、子供と一緒に浸かっている大人猿は女の猿ばっかりで、男猿たちは温泉の外で、縄張りを守ってるのです。そうしないとすぐに縄張りを奪われてしまうから。一番気持ちよさそうに浸かっている猿はおばあちゃん猿なの」と語り、和やかな癒しシーンの裏側を初披露!「全部おばあちゃん猿なんだ!全然わからなかった。すごい。ズンと来ました」と安齋さんも感嘆の声をあげる。
トークはどんどん盛り上がり、中野監督から本作に隠された“こだわり”の鑑賞ポイントが次々と明かされた。「最後の方に福島の花見山という場所を入れていて、頂上付近の展望台をドローン空撮で撮っていて、展望台にいる夫婦が映っています。大きい画面で見るまで僕も気づかなかったんですが、その夫婦が柴犬を連れていて、なんと、夫婦がドローンを見つけていて、ドローンが上空を通るとき、連れている柴犬の前足を抱えて、ドローンに向かって手を振らせているんです。」と中野監督が語ると、安齋さんは「えー!柴犬がドローンに手を振ってるの?知らなかった。言っといてほしかったな~。」と絶妙なリアクション。中野監督はさらに「柴犬の手の動きとこの場面で流れる
歌詞も連動させようとして何度もタイミングを直した」と凄まじい“こだわり”を明かし会場を沸かせる。
次のトリビアとして、「岐阜県の白川郷を映した雪のシーンがあって、」と中野監督が言い出した矢先、安齋さんがすかさず「あっ、僕ひょっとしたら気付いたかもしれない。雪下ろしをしている人がいて、雪が落ちる瞬間が入っていましたよね?あそこだけ雪がサっと落ちてきたから」と鋭い観察眼で監督の“こだわり”ポイントを言い当てた。「そうです!よく気づきましたね。なかなか見えないと思っていました~。実はあのシーン雪がおちる瞬間に音楽のピアノの音が鳴るタイミングも合わせています。」と驚きながらも、さらに細かい“こだわり”ポイントを明かした。
トークも終盤に近付き、安齋さんはどうしても聞きたかった事があったらしく、一個だけ!と言って監督へ質問。「すごい迫力でびっくりしたんですけど、空撮の花火のシーンでドローンが花火の中に突っ込んでいく映像がありますよね。あのシーンには驚いたのですが、いったいどうやって撮影したんですか?よく許可がおりましたね。」と質問。そうすると中野監督から驚きの答えが!「あのシーンは徳島の花火大会で、松山在住のドローンパイロットが撮影した映像なのですが、ドローンで花火を撮影する為に、数人の仲間を集め、行政に働きかけ、ドローン撮影をする為の花火大会を開催してもらったのです。」という、本作でも屈指のド迫力映像を撮影する為に、花火大会を開催するという、半端ない”こだわり“を明かした。「えーっ、花火大会を開いたんだ。実際に働きかけて開催したなんて。うわーっ!本当に凄いですね。」と安齋さんも本作の“こだわり”具合に感嘆!!
本作の本当に細かい、半端ない“こだわり”ポイントがたくさん明らかになった貴重なトークイベント。安齋さんは最後に「この作品観て、“日本”をもう一回見直す機会ができて、お祭りに行ったり、川を見に行ったりしてみたいと思いました」と語り、大盛況の中、イベントは終了しました。