太田隆文監督が、鈴木杏、板尾創路、田中美里、越後はる香、藤田朋子、宝田明らを迎えて、全国的にも最大級の規模を誇る静岡県の袋井花火大会を舞台に制作した映画『にかける橋 1989年の想い出』が本日有楽町スバル座にて公開となりました。

本作は、主人公が、不況の現代からバブル最盛期の1989年にタイムスリップして、弟を亡くした交通事故を防ぎ、家族の幸せを取り戻そうとする、感動の青春・家族ムービーです。
日本が経済大国として君臨した時代と、不況が続く現代とを比較することで、日本人がバブルで得たものと失ったもの、本当に大切なものは何かを描きます。 本作は、バブル最盛期の平成元年(1989年)からのみゆきの家族やその周りの人間たちの半生を描いているため、来年終わる”平成”を振り返るような内容にもなっています。

ロケ地である静岡県遠州(西部)の、磐田市、袋井市、森町で昨年12月に開催された完成披露試写会には3000人弱もの観客が詰めかけ、12月28日の讀賣新聞には、「終盤、家族で本音をぶつけ合うシーンに感動した」という感想が掲載されました。

本作で7年ぶりの映画主演となる鈴木杏、父親役の板尾創路、母親役の田中美里、鈴木杏の高校時代役で、本作で映画デビューを果たした越後はる香、高校の化学の先生役の藤田朋子、監督・脚本の太田隆文が登壇しました。

6 月 30 日(土)
登壇者(予定): 鈴木杏 板尾創路 田中美里 越後はる香
藤田朋子 太田隆文(監督・脚本・プロデューサー)
会場:有楽町スバル座
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板尾さんの、「今日は初日ということで、たくさんの方に足を運んでいただき、ありがとうございます。登壇する身としては、こんなにたくさん来ていただいて、嬉しいです。」という挨拶から始まった初日舞台挨拶。

監督が「鈴木杏さんと板尾さんは以前、親子役をやったことがあるんですよね?」と聞くと、鈴木さんと板尾さんが「『空中庭園』」と小泉今日子さん主演映画の名前を出し、板尾さんが、「すごくダメなオヤジ役で、杏ちゃんがしっかりした娘で」と言うと、鈴木さんが、「ちょうど私が(越後)はる香ちゃん位の年齢で」と言い、板尾さんが続けて「当時杏ちゃんはリアルな高校生で、制服で楽屋入りしていました」と思い出を語りました。「親子役を以前やっていたので、今回楽でしたか?」と聞かれ、板尾さんは「意識はしていないけれど、やりやすさはある」と言い、鈴木さんも「『初めまして』だと緊張感や遠慮もありますし」と答えました。板尾さんが「(本作で鈴木さん演じるはるかに)怒られている感じも後輩の役者に怒られている感じで。こういう娘に怒られたい感じはしますよね。怒ってくれる娘も好きです。」と告白。

タイムスリップする映画について、鈴木は「『Returner リターナー』に続き、2回目ですね。『またタイムスリップするんだね、って言われました。』と話し、監督が「タイムスリップうまいなと思っていた。」とジョークを言うと、鈴木さんは「ただ走っていただけですけどね」と笑いました。

田中美里さんは、大変だったことを聞かれ、「剣道の素振りのシーンがあったんですけれど、練習する時間が短くて、衣装合わせの時に1時間位素振りの練習をして、その後自主練でやっていたので大変でした。竹刀だけだったらいいんですけれど、最後フライパンを持つというのが苦労といえば苦労でした。板尾さんと背中合わせでフライパンを持ったところは笑いそうになっちゃいました。」と述懐。板尾さんも、「黒澤映画みたいにかっこよければと思っていたんですけれど、エキストラのみなさんが一生懸命やっているところがかわいらしかったです。」と話しました。
監督が「笑いは全部藤田朋子さんが取っていったけれど、泣きも取っていった。」と言い、演技初体験だった越後はる香さんは、撮影当時15歳で、「泣くシーンのテストの時にわーっと泣いてしまったんですが、シーンの途中から泣かなくてはいけなかったので、撮影の本番の時にこらえなくおかなくてはいけなかったんです。藤田朋子さんが『後で泣いていいから、今は我慢して』っておっしゃって、撮影が終わった後に『泣いていいよ』って言ってくださって、それがすごく助かりました。」と話し、鈴木さんが「さすがです」と感嘆の声をあげました。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドク的な役だった藤田朋子さんは、「今日は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』的な衣装にしました。89年あたりに自分がつけていたイヤリングを探してきました。当時はピアスじゃなく、クリップのでかいのが流行っていたんです。『あの頃』って言っても、(登壇者を見回し、)私と板尾さん位しかフィーバーしていなかったけれど。」とジョークを言って笑いを取りました。「当時の『愛しあってるかい!』でも先生役をやっていたんですが、先生繋がりということで、監督がいたずらをして、役名を同じ名前にしたんですよ。呼ばれ慣れている感じだと思っていたら、そういうことでした」と裏話を披露しました。

最後に監督が「8月下旬に開催されるジャパン フィルムフェスティバル・ロサンゼルスに招待作品として選ばれました。」と発表すると、会場は大拍手に包まれ、舞台挨拶は終了しました。