「連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~」のブルーレイ&DVDリリース/デジタル配信を記念して都内でトーク付試写会が行われ、オリジナル版「コールドケース」の大ファンだという、海外ドラマ評論家の池田敏がゲストとして登壇。オリジナル版「コールドケース」のヒットや制作の背景から、日本版との共通性や違いについて、約30分間トークを繰り広げた。

「”コールドケース”が意味しているのは”未解決凶悪事件”のこと。アメリカは州によって法律が異なるが、それでも凶悪犯罪、特に殺人事件に関しては時効がないことが多い。そのため、大都市の警察の殺人課(日本でいう捜査一課)には、“コールドケース・ユニット”という未解決殺人事件専従のチームがある。」と最初にタイトルの由来について説明。「日本では2004年まで殺人罪については15年という時効があったので、本来リメイクは難しかった。それが改正を重ねて2010年には死刑にあたる殺人罪については時効がなくなったので、それによって日本版が成立することになった」と日本版のリメイクが生まれた背景についても語った。さらに日本で”コールドケース”という単語が広まった意外なきっかけとして、1981年に始まる「ロス疑惑」について言及。三浦和義という貿易商がロサンゼルスでの妻の銃殺容疑をかけられたこの事件で、一度無罪となった三浦被告が2008年に突然ロス市警の「コールドケース・ユニット」に逮捕された。それによってマスコミが「コールドケースとは何か」と取り上げ始め、ちょうどWOWOWで放送されていたオリジナル版「コールドケース」が知られる良いきっかけにもなったようだ。
そんなオリジナル版「コールドケース」については、「女性差別や有色人種の差別が取り上げられ、被害者が社会的に弱い人だった。様々な時代が取り上げられるので、全部繋げるとアメリカの歴史がわかるドラマ」と絶賛。「ちなみにオリジナル版で一番古い事件は1919年、女性の選挙権を求めた女性の活動家が殺されたエピソード。なぜそんなに古い時代を舞台にできるかというと、ハリウッドの北側にあるバーバンクという街にワーナーの撮影所があり、蓄積した昔の美術や衣装がたくさんあるから」と解説した。対して日本版についても、「事件で殺された犠牲者だけではなく、そういう重い出来事を体験してこれまで生き続けてきた家族や友人といった関係者たちのやりきれない心情にも迫っていて、オリジナル版の精神に迫っている」と賞賛し、「事件が起きた年度はかなり変わっているのが最も異なる点。(カルト教団に入信していた青年の自殺の真相を探る)第1話はオウム真理教事件の翌年の1996年が舞台だが、下敷きになったオリジナル版のエピソードは、アメリカでカルトが盛り上がった1978年だった」とオリジナル版とリメイク版の違いについて語った。さらに日本版のキャストについて「オリジナル版で永山絢斗さん演じる高木信次郎にはお兄さんがいる設定。今後日本版でも出るとしたらぜひ瑛太さんにやってほしい」と制作が決定されたシーズン2にも期待がかかる話題にも触れた。最後に、「シーズン2ではぜひオリジナル版シーズン4第8話の『ホタル』のリメイクを観てみたい」とファンとしての期待を述べた。

「連続ドラマ W コールドケース ~真実の扉~」
ブルーレイ&DVD 好評リリース中、好評デジタル配信中
ブルーレイ コンプリート・ボックス(2枚組)\24,000+税/DVD コンプリート・ボックス(5枚組)\19,000+税
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント © WOWOW/Warner Bros. International Television Production