本日、6月11日(土)『夏美のホタル』公開初日舞台挨拶が、新宿シネマカリテにて行われました。主演・夏美を演じる有村架純、夏美の恋人・慎吾役の工藤阿須加、過去に事故で傷を負ってしまった心優しい小さな商店の店主・恵三役の光石研、その母親・ヤスエ役の吉行和子、原作者の森沢明夫、そして廣木隆一監督が、一同に介しました。

【『夏美のホタル』公開初日舞台挨拶概要】
■日時:6 月 11 日(土) 11:30〜11:55 (上映後)
■会場:新宿シネマカリテ スクリーン 1 (全 97 席)
■登壇者(敬称略):有村架純 工藤阿須加 光石研 吉行和子 森沢明夫(原作者) 廣木隆一監督

盛大な拍手の中、登場したキャスト一同は、「朝から優しい気持ちになれましたか?人と人との繋がりを描いているので、今日一日を穏やかに過ごしていただけたら嬉しいです。」(有村)、「人と人との繋がりを思い出させてくれる作品です。
いま優しい気持ちになっているんじゃないでしょうか?」(工藤)、「あたたかい気持ちになっていただけましたか?ご家族の方にも宣伝していただいて、多くの方にご覧いただきたいと思います。」(光石)、「気持ちの良い映画になっているかと思います。」(吉行)、「原作の持つあたたかい温度が、スクリーンに出ている映画だと思います。」(森沢)、「この映画、応援してもらえると嬉しいです。」(廣木監督)と、作品の雰囲気同様に、穏やかに挨拶した。
主演の有村は、本作で思い出に残っているシーンについて「慎吾と部屋でふたりきりのシーン。二人は恋人同士でお付き合いも長い設定ですが、落ち着き過ぎても良くない、慣れすぎてもよくないという距離感や関係性は難しかったです。慎吾とは、枝豆を食べているシーンがファーストシーンでしたが、リハーサルを何回もしてすごく印象に残っているシーンです。」と、演技の難しさを振り返った。

光石は本作への参加について、「廣木組は映画の時間が流れている現場で、嬉しかったです。吉行さんとも親子役で光栄でした。有村さんを家族で受け入れるのも至福でした。」と語り、吉行も「場所も素敵なところで、役者の皆さんも新鮮な演技をなさるので、元気になりました。(有村演じる)夏美ちゃんが目の前でぱくぱくとスイカを食べるのが可愛くて、お芝居とは思えない嬉しい時を過ごしました。」と、現場の雰囲気の穏やかさを振り返った。

廣木監督は、原作の映画化について意識したことについて、「僕は、ひと夏の話が大好きなんです。あるシーズンを人が出会って別れていくという。静かな映画になるといいなと思いました。」
「出会ってくれてありがとう。思いを繋ぐ物語。」という、親から子、子から親、友達同士など、出会いから思いが生まれる本作のキャッチコピーにちなみ、光石、吉行、原作者・森沢、廣木監督から、若手の有村と工藤にメッセージが送られた。光石からは、「工藤くんは本当に真面目な方で。ふざけた人が真面目に振る舞っても、メッキがすぐはがれますが、工藤くんは芯から真面目な方で。かけがえのないものだと思います。いつまでも忘れずに俳優生活送っていって欲しいと思います。お父さん役には光石研をすすめてください。(笑)」と言葉が贈られ、吉行からは「2人とも素敵で以前からファンで、すごく自然でいいですね。これからどんどん冒険して、たくましくなっていって欲しいと思います。」とエールが贈られた。工藤は「自分で言うのもなんですけど、真面目だけが取り柄でひとつのことに集中するタイプで。光石さんの言葉を胸に、これからがんばっていきたいと思います。父親役は光石さんに頼もうと思います。(笑)」と答え、有村は「直接言葉をいただく機会がないので嬉しいです。現場では、(光石さんと吉行さんの)その場の空気を巻き込む力が凄くて、自分もそういう風になれるように、勉強させていただきたいです。」と、感謝の言葉を口にした。

原作者の森沢からは、「浴びるように本を読んで欲しいと思います。人間は経験でしか成長できない生き物なので、本を読めば主人公の人生を過ごせることになり、心が豊かになれると思います。100冊読めば、100人分の人生を過ごせる。本を読むか読まないかで、人間の心は成長するかしないか、大きいと思います。本を浴びるように沢山読んで、今後の俳優生活に活かしてほしいと思います。」と、小説家ならではの熱いメッセージが贈られた。廣木監督からは「今のまま役者を続けていってください。監督は僕で。(爆笑)」と、シンプルながらも愛情溢れるメッセージだった。

最後に有村から、「親が子供をどう思っているのかを再確認できる映画です。私はいま、親とは離れて暮らしていますが、より深く親を愛していきたいなと思えましたし、親の立場の方もこの作品を見ると子供を愛したいと思うのではないかと思います。大きな公開規模の作品ではありませんが、こういう会場にすごく合う、世界観に入り込めると思います。家族の繋がりや、人の愛情の深さを皆さんに感じ取っていただけたらと嬉しいです。それぞれの目線で感じることが違うと思うので、個々で大切にしていただきたいです。」と、本作のもつ優しい気持ちになれるメッセージを伝えて、穏やかな舞台挨拶は幕を閉じた。