【日本メディア向け囲み取材】
Q:上映が終わってみていかがですか?
是枝監督:上映が終わった後のお客さんたちの表情がとてもあたたかく優しくて感動しました。

阿部さん:初めて来ましたがこれだけの多くの客さんが拍手をしてくださって、それが鳴り止まなくて、本当に感動しました。

真木さん:今回2度目なんですが、また温かい拍手に包まれて、反応が予想をはるかに超えて良かったので、とても嬉しかったです。

樹木さん:初号試写に続き、作品を観るのは2度目でしたが、監督が何か粉を撒いたんじゃないかと思うくらい、みんな上手に見えました!

Q:レッドカーペットを歩いた感想は?
阿部さん:あの広さはすごい。やっとここに立てたなと思いました。是枝組で立てて本当に嬉しかったです。初めてのカンヌですが、感動しました。

是枝監督:手を振ってあっちを向いたりこっちを向いたりするのは恥ずかしいけれど、あの場は女優さんのためのものだと思うので、みんなのために頑張りました(笑)でもあそこを歩くのはちょっといい経験だなと思います。

Q:カンヌ映画祭自体をどう思いますか?
是枝監督:ここが一番厳しいとおもいます。作品に対しても、セレクションに対しても、審査に対しても、批評に対しても。皆真剣に映画に向き合って2週間を過ごす場所です。これだけ拍手とブーイングが交錯する場は他にはないので、貴重な経験ができます。この緊張に耐えられる作り手でありたいと改めて思える場です。

樹木さん:私はもう外に出て行くような人ではないので、もっと若い人たちに、この映画祭に是非一度は来て欲しいと思います。

真木さん:カンヌにはありがたいことに2回来させてもらっていますが、他の映画祭を知らないので・・・。今回、自分がすごく良い作品だと思っているものを、他の国の皆さんにもあれだけあたたかく受け入れて頂けて、本当に作品をよく見てくださっているんだなと嬉しかったです。

阿部さん:是枝監督が本当にすごく愛されているんだなと痛感する映画祭ですね。今回の作品に出演できて、カンヌで上映していただけたので、これを機会に僕の顔も覚えて頂けたら嬉しいなと思います!

Q:上映後の感想は?
是枝監督:感動したとか、とても良かったとか、温かい言葉をたくさんもらいました。

阿部さん:みなさんの笑顔が素晴らしいので、その笑顔がすごく嬉しかったです。

真木さん:素晴らしい作品だったと言っていただきました。

樹木さん:私の場合、言葉がわからないだろうと思うから、みんな、ただただ「ありがとう」と言われたわ。

Q:上映中、笑い声があがるシーンが多かったですが、いかがでした?
是枝監督:泣かれるより嬉しいです。より登場人物を身近に感じてくれた証拠だと思うので、言葉が悪いけれど、してやったり!と思ってしまいました(苦笑)

樹木さん:それは言葉がダメね。もっと監督は良い言葉を選ばなきゃ。でも伝わったなって思えたわね!

是枝監督:この映画の笑いが伝わるかがずっと気がかりだったので、安心しました。

樹木さん:台本からして台詞がすごく良かったですから、それが伝わったんじゃないかしらね。

Q:カンヌ初参加の阿部さんは、何か初体験はありましたか?
阿部さん:お客さんと一緒に映画を見れたというのが、本当に良い経験でした。受け入れて頂けて嬉しいですね。

樹木さん:じゃあ、この映画をターニングポイントにしてまた変わるわね。成長しちゃうわね。阿部さんは団地より、カンヌの風景の方が似合うわ。ビシーっとハマってたわ。

Q:団地のカンヌデビューでもありますね。日本の団地はどのように伝わっているでしょうか?
樹木さん:うーん、あの狭さはどう思われたのかしらね?

是枝監督:全然大丈夫だったみたいですね。今回は伝わるか伝わらないかをあまり気にせず、狭く深く描いていった作品だったのですが、きちんと描けば必ず伝わると思っていたので、それを今日の上映で実感しました。
郷土愛が強いタイプではないんですが、自分の地元がカンヌで上映されると、さすがにちょっと感慨深かったですね。団地センターとか(笑)

樹木さん:あそこに19年間住んでいたんだから、えらいわよね。

Q:海外のプレスから、あれは一体何なんだ?と聞かれたシーンはありますか?
是枝監督:今のところないんです。カルピスについてとか聞かれるのかなと思ってたんですが、今のところ一つもないです。

Q:狭い団地に、ひときわ大きい阿部さんをキャスティングしたのは、狙い?
是枝監督:団地を前提に阿部さんを選んだわけではないです(笑) でも台に乗らずに天袋を覗けるのは素晴らしいなと思いましたよ。でも、あくまで阿部さんが先です。