国内外から圧倒的注目を浴びる新鋭 真利子哲也監督の、満を持しての商業映画デビュー作にして衝撃作『ディストラクション・ベイビーズ』。脚本は真利子哲也と共に、『桐島、部活やめるってよ』で日本アカデミー賞優秀賞を受賞し、若い世代の感情の揺らぎを掬いとる名手 喜安浩平が担当。そして、世界が注目する新鋭監督のもとに、柳楽優弥(25)、菅田将暉(22)、小松菜奈(19)、村上虹郎(18)と日本映画界を担い、革命をもたらす若き才能が集結!さらには、池松壮亮(25)、でんでん(65)ら、主役級の存在感を誇るエッジの利いた演技派の競演も決定。若者の狂気と欲望を圧倒的な強度と密度で描き、昨今の日本映画の枠には収まりきらないパワーを持つ本作。5月21日(テアトル新宿ほか全国公開)を前に、真利子哲也監督、ZAZENBOYSの向井秀徳、漫画家の新井英樹による「ディストラクション・ベイビーズ公開記念スペシャル・トークショー」が開催されました。

■日時: 5月12日(木)  本編上映後
■会場: テアトル新宿 (新宿区新宿3−14−20 新宿テアトルビルB1 TEL:03-3352-1846 )
■登壇者:真利子哲也監督(34)、向井秀徳さん(42)、新井英樹さん(52)

今を時めく実力派若手俳優たちが魅せる本年度1番の衝撃作『ディストラクション・ベイビーズ』の公開を記念して、監督の真利子哲也、音楽を担当した向井秀徳さん、本作のインスピレーションの源の一つになったと真利子監督が語る漫画「ザ・ワールド・イズ・マイン」の作者である漫画家・新井英樹さんによるトークイベントを開催。多くのファンが詰めかけ会場は立ち見のお客さんも溢れる中、映画/音楽/漫画というジャンルを超えて日本のカルチャー・シーンを代表する、先鋭的な表現者たちによる濃厚なトークが展開された。さらに向井秀徳さんによる本作の主題歌「約束」と「ハートブレイク」を生演奏を披露すると会場は割れんばかりの拍手に包まれた。

10代の頃から好きで尊敬している向井秀徳と新井英樹に挟まれ「感謝と恐怖を感じている」とかなり緊張している様子の真利子哲也監督の挨拶でスタートしたトークイベント。向井に音楽を依頼した経緯について「向井さんの音楽は自分が通ってきた道。絶対に間違いはないとわかっていた。」と話す監督。向井はオファーを受けた際『もともと真利子監督の前作は観ていて共感していた。次作るときは呼んでと“約束”(主題歌のタイトル)していて、即答した』という。監督に「暴れん坊の映画」だと言われた向井はシナリオを読んでその日に「バタバタバタ、シャキーン、パラーン、チリーンって衝動的に突発的に作ったら、そのまま使われた」と驚きのエピソードを披露。「冒頭の2曲がそれです。」と真利子監督。

本作の感想を聞かれた新井は、「何よりもここまで説明しないで暴力やるんだっていうので、観ているあいだ中ずっと笑うのと体温上がりっぱなしっていうのを経験させてくれた」と大絶賛。柳楽優弥演じる主人公・泰良については「冒頭で泰良が街でケンカをして、のされて路上をのたうち回るシーンでやけに体温が上がる。なんだろうって感覚があって。あとは映画化不可能って言われている自分が書いた漫画「ザ・ワールド・イズ・マイン」の登場人物トシ、モン、マリアがまんまここにいるって感じが個人的に凄いあって、それがかなり嬉しい」と、これ以上ないほめ言葉に「何も言えないです。観ていただいただけで恐縮です」と監督もタジタジ。向井自身も新井の漫画には多大な影響を受けたようで「漫画も映画も音楽もそれぞれ全然違うものだけど、表現するものとしてほどばしるものを感じるか感じないかだけなんですね。この2人にはあるし、私もそうありたいと思っている。そういう意味ですごく共感しているんですね。ほどばしってんだよ!飛び散ってるんだよ!」と熱く語った。
新井は「主人公・泰良の喜びみたいなもの、暴力、ケンカするっていうのは、普通なら何か理由があっての暴力になるから、例えば悔しいとかいろんな感情が湧くはずなのに、純粋にその暴力っていうのが嬉しい楽しいっていうのでしか生きてる喜びを感じられないような主人公だから、こんな表現を(漫画とちがって)音も使って動く絵面でできるっていうのが凄くうらやましくって。だから一番最初に(監督に会って)言ったのが、やり残してることをやってますこの映画」と漫画ではできない映画だからこそ表現できた泰良の魅力に言及。さらに「暴力っていうのが唯一、どんなに言葉で飾ってもほんとはどういうことっていう確認できる行為だと思う。だからこの映画に関しては、理屈とかっていうところではないんだよな」と本作をするどく批評。監督も「人間に必要とは言わないけれど暴力とは無くならないもの。というところで向き合いたいなと思った」と本作に込めた思いを語った。泰良について向井は「全然共感するところがない。というかこの映画のすべての登場人物に感情移入できない。ここまで感情移入できない映画ってないです。」と笑いを誘った。つづけて「でもその先におぼろげに見えてくるものがあるのかもしれないなというムードをヒリヒリと感じる」と向井節。

トークも盛り上がってきたところで、向井による劇中歌「ハートブレイク」と主題歌「約束」の生演奏が始まると、会場はピリっとした雰囲気に。「約束」の演奏が終わった瞬間に割れんばかりの拍手が会場を包んだ。
最後に向井は「この映画に音楽として参加できてとても幸せです」、新井は「ほんとこの映画大好きなんで口コミで広めてください」、真利子監督は「ほんとにやりたいことを、やりたい人と作れて、こんな幸せなことはない。5月21日の公開が楽しみです。宜しくお願いします」と話し、トークイベントは幕を閉じた。

新鋭監督×実力派若手俳優による今年1番の衝撃作『ディストラクション・ベイビーズ』にぜひ、ご期待ください。