綾野剛主演、日本映画賞を総なめにした『凶悪』の白石和彌監督の待望の最新作『日本で一番悪い奴ら』の全国公開を控え、“S”と呼ぶ裏社会のスパイを率い、あらゆる悪事に手を染めた北海道警察の警察官・諸星要一演じる綾野剛と、諸星を慕う“S”を演じた中村獅童、YOUNG DAIS、植野行雄(デニス)、さらに諸星の先輩刑事を演じたピエール瀧と、白石和彌監督たちのヤバすぎる日悪(にちわる)チームが集結しての完成披露舞台挨拶が実施されました。

 黄色い歓声と盛大な拍手の中、登場したキャスト一同は「極上のエンタテイメントを楽しんで下さい!」(綾野)、「映画を観て何を感じていただけるか非常に楽しみです」(中村)、「非常に言葉では表せない映画なので楽しんで下さい」(YOUNG DAIS)、「パキスタン人の役でしたが自然と違和感はありませんでした。」(植野)、「実録作品ですが非常に楽しんでいただけるエンタテイメント作品に仕上がっています。」(ピエール瀧)、「ここにいるキャストの方と一生懸命作った作品です。」(白石監督)と作品に関する思いとともに挨拶。そんな熱いコメントの最中、綾野が会場の熱気にジャケットを脱ぐとさらに黄色い声援が。

今回、警察官ながら、スパイとして情報を提供する「エス」という裏社会の人間を使って、成績をあげていく男の26年間を演じた綾野は今作の出演理由について「白石和彌監督だったのだが最大の理由」とすると続けて、台本を読んだときに「これはやるいしかない!」と思ったという。そんな綾野に対して、中村は「綾野さんは大好きな役者で勉強になった」と本作での共演の感想を述べると、綾野が以前、大河ドラマで中村と共演した時に「今度、綾野君と共演する現場があったら二つ返事でOKする」と中村の男気エピソードの披露。これに対して中村は「ひとつ返事をしたものの、こんな強面の役は務まらないと思った。」と答えると他のキャスト達からツッコミが入り、会場の笑いを誘った。さらに今回、日本人とブラジル人のハーフでありながらパキスタン人役を演じた植野は「自分はお彼岸にお墓に行くタイプの日本人」としながらも、オファーを受け、携帯でパキスタン人の画像を観たときに「いける!」と思ったと爆笑エピソードを披露した。

最後に、『日本で一番悪い奴ら』のタイトルにちなんだ「最近ちょっと悪いな〜と思ったエピソード」をそれぞれが披露し、中村は「奥さんのイビキがうるさかった時、鼻をつまんでいたがそのまま無呼吸で寝ていて焦った」というエピソードを披露すると「それ、死んじゃうやつ!」、「本当にヤバいやつ!」と綾野らからのツッコミに会場が笑いに包まれた。この日舞台挨拶を観覧していた奥様に向けて「ごめんね」と公開謝罪する一幕も。植野は、いつも近所の小学生たちから、自宅を「大使館」、「シルクロード」と、「マリオ」と呼びかけら反論していたそうだが、映画に出演してから妙な余裕が出たらしく、そうした小学生のイジリをシカトしたことが悪かったと反省していた。さらにピエールは現在も悪いことを継続中と告白すると会場からはどよめきが。それは「今日初めて会う植野君をシカトしていることです。」というと会場からは笑いが。「トイレで一緒でも無視していた。咳払いしたりしながら。」と会場の笑いを誘うと綾野から「公開初日まで続けましょう!」と悪のりすると「それ、本当のいじめになっちゃう」とピエールの冷静なツッコミにキャスト一同が爆笑するなどキャスト間の仲の良さを感じる舞台挨拶となった。

最後に綾野は「とにかく心地よく観ていただきたい!」と熱意のこもった締めのコメントで会場を盛り上げると、この日一番の拍手と歓声が。さらに最後のフォトコールでは綾野の掛け声とともに劇中に登場する「北海道警察・諸星要一の名刺」と、5億円相当の「日悪紙幣」がバラまかれる演出で会場を盛り上がると、サプライズで綾野らキャストの計らいでこの日の来場者の写真撮影がOKとなると一斉にシャッター音と黄色い歓声が鳴り響くなど盛り上がりを見せた完成披露舞台挨拶となった。