このたび本作の公開を記念して代官山 蔦屋書店にて公開記念トークショーが開催されました。ひと足先に本作をご覧いただいた「アジアベストレストラン50」において“注目のレストラン賞”(One to Watch Award)を獲得、今、日本で最も勢いのある「フロリレージュ」オーナーシェフ川手寛康氏と、町の食堂から三ツ星レストランまで、幅広く食を愛するフードエッセイスト平野紗季子氏に、世界一のレストラン「ノーマ」の魅力について語っていただきました。

■日程 4月20日(水)19:00〜20:00 ■場所 代官山 蔦屋書店
■ゲスト 川手寛康(フロリレージュ・オーナーシェフ)/平野紗季子(フードエッセイスト)

本作は、昨年、期間限定で東京に出張レストランをオープンし大きな話題となった“世界一のレストラン”レストラン「ノーマ」(デンマーク)の天才シェフ、レネ・レゼピに密着。美食とは無縁とされてきた北欧の食材にこだわり、生きた蟻、花、苔までをも美しい料理に昇華させ、食の世界に革命を起こしました。休むことなく探求を続けるレネの姿を追いながら、突如襲った食中毒事件、世界1位からの転落。最悪の状況から再び世界 No.1 に返り咲くまでーー壮絶な道のりを追う4年間の密着ドキュメンタリーです。
MC の呼びかけで川手さん、平野さん爽やかにご入場。
本作の予告編上映後、早速、ご自身の、レストラン「ノーマ」体験、レネ・レゼピ氏との出会いについて川手さん:最初はレネが友人のお店に来ていて、そこに会いに行って、あとは昨年の「ノーマ・ジャパン」ですね。
もうレネは“オタク”ですよね。食材の話とか、日本ってどうなんだとかそういうことが本当に聞きたいんだと。
そういうことばかり質問してきましたね。
正直、「ノーマ」は味の世界一か?と言われれば僕はそうではないと思います。“人を幸せできるレストランの世界一”が「ノーマ」なんじゃないかと僕は思います。映画を見ても味云々とう話は意外と少ないと思うんですが、人を幸せにするためにどうすればいいか、それを一番考えているのが「ノーマ」なんじゃないか。レネのフィロソフィーなんじゃないかと思いますね。
平野さん:私は 2012 年にコペンハーゲンに行って、そのあと「ノーマ・ジャパン」に 2 度食べに行って、その時、実際にインタビューしたのがレネさんとの出会いですね。お客さんとしての視点なんですが、初めて食べた時はもう驚きしかなかった。驚きだけなら 2 回目はないと思ったんですが、そのあと「ノーマ ジャパン」で東京に来て「ライス」というお米を使ったデザートを食べたんですが、その時、うわぁ!と目の前に稲田の景色が浮かぶような、景色に囲まれてしまって、心の底から料理ってその土地の誇りを取り戻すことができるんだ!って東京に来てくれてありがとう!って感覚になりましたね。
川手さん:本当にあの「ノーマ」が日本に来て、レネは僕達よりも日本のことをよく知っていましたよね。僕達よりも食材のことだとか、歴史まで知っていた。「ただ観光で料理をしにきました」っていうものと全く違う次元の理人が日本にやってきたという感じでしたよね。
平野さん:レネさんも、ただ「日本に来て料理しました」っていう観光客シェフにだけは絶対になりたくなかったっておっしゃられていましたね。