この度、5月14日(土)の全国公開を前に、大阪ステーションシティシネマにて舞台挨拶が行われ、主演の阿部サダヲをはじめ、重岡大毅(ジャニーズWEST)、中村義洋監督が登壇!満席の会場からは、大歓声が巻き起こりました。

『殿、利息でござる!』“銭集め”セレモニー&完成披露試写舞台挨拶 概要
日時:4月8日(金)
場所: 大阪ステーションシティシネマ
登壇者: 阿部サダヲ 重岡大毅(ジャニーズWEST)中村義洋監督

<大阪舞台挨拶 イベント全文書き起こし>

———本日の試写会はなんと、応募総数が17,417でした。これを当選倍率にすると、なんと約116倍。今日のお客様は超ラッキーなお客様です。ぜひ目に焼き付けて帰ってください。それでは登壇いただきましょう!阿部サダヲさん、重岡大毅さん、中村義洋監督です。大きな拍手でお迎えください!

阿部さん「こんにちは!阿部サダヲです!今日はよろしくお願いします!」

重岡さん「ありがとうございます。今日は116分の1のお客様方ということで、楽しくお話していこうと思っております。宜しくお願いします。」

中村監督「よろしくお願いします。先月の仙台での完成披露試写会、一昨日の東京での完成披露試写会、昨日の名古屋での試写会を経て、そろそろ感想もネットに出始めたかなと思って、リアルタイム検索かけたんですよ。そしたら「しげ(重岡さん)が来てない」「しげがいない」ばっかりなんですね。「しげ」ばっかりで半分は埋め尽くされてて…」

重岡さん「すいません…ありがとうございます(笑)」

———今回阿部さんが演じられた穀田屋十三郎は徹底的に「無私」の人です。そんな人を演じられるにあたって気を付けられたことはありますか?

阿部さん「表情ですね。穀田屋十三郎はとにかく必死な男で、町を救おうということだけを考えて動くんですね。ひょっとすると周りからすると迷惑なんじゃないか、ってくらい必死なんですね。その必死感を出して演じました。」

———中村監督とは以前『奇跡のリンゴ』で一緒にお仕事されていましたが、そういった阿部さんの表情について、今回はどのように打ち合わせをされたのですか?

中村監督「あまり指示は出しませんでしたね。映画を見ていただいたらわかるんですが、阿部さんは目力がすごくて、“表情”というよりは“形相”に近いんですね。そこをもっと活かそうと少し指示を出したくらいで、ほとんど何も言ってないですね。」

———重岡さんは今回、阿部さん演じる穀田屋十三郎の息子、音右衛門を演じられましたね。

重岡さん「(阿部さんに向き直り)ご無沙汰しております!お世話になってます!現場にいたときは楽しくお話しさせていただきました。十三郎の娘の加代役は(元)AKB48の岩田華怜さんでしたので、三人で家族のような会話を仲良くやっておりました」

阿部さん「息子はジャニーズで娘はAKB(撮影当時)ですからね。すごい父ですけど、当人はグループ魂ですからね。とんでもない家庭ですよ(会場 爆笑)」

———三人でライブやったら大変なことになりますね(笑)

阿部さん「そうですね。親子役だと決まった頃に、『ミュージックステーション』でたまたま同じ日に生出演したんですよ。すると重岡君が生本番の最中にもかかわらず、ずっとこっちの顔を見てくるんですよ。いい息子だなぁと思いましたね(笑)」

重岡さん「踊ってる最中にターンするんですけれど、カメラが正面にあって、真後ろに阿部さんがいたんですね。だからターン中に少しでも長く僕の後ろにいる阿部さんの方をみつめるという…(笑)勝手に「シークレット親子共演しちゃいましたね」なんて言って盛り上がってました。」

———重岡さんは『殿、利息でござる!』の試写会に登壇されるのは初めてですよね?

重岡「そうですね。いままでにも試写会に登壇、という経験はあるんですけど、ジャニーズの方と共演という形ばかりでして。こうしてジャニーズではない俳優さんや監督さんと登壇させていただくのは全くの初めてなんです」

中村監督「楽しい?」

重岡「楽しいです!」

———いい息子さんですね、お父さん。

阿部「いや本当にいい息子ですよ。この間僕が出演していた舞台の公演が大阪であったんですけど、その隣の大阪城ホールでジャニーズWESTさんの公演があったんですね。隣の公演はまぁものすごくお客さん入ってるなぁ、と。」

(会場 爆笑)

阿部「いい息子ですね、こんなお客さんを呼べる息子は(笑)」

———本作『殿、利息でござる!』はお金を集めて殿さまに貸す、というお話ですが、お金の話が大好きな大阪の人にはどのようにご覧いただきたいですか?

中村監督「堺商人もそうでしたが、みなさんお金をきちんと貯めて、還元していましたよね。そうした発想、貯めてきちんと還元するという発想が大阪だけではなくいろんなところにあったんだ、ということを今作で知っていただけたら嬉しいですね。時代劇映画ではありますが現代につながるところもありますので。」

———阿部さんは本作のオファーがあった時はどう感じられたんですか?

阿部「本作は実話をもとに作られているんですが、当初僕は穀田屋十三郎が実在の人物だとは知らなかったんですね。最初監督からは具体的なことは聞かずに「次やってもらう役はいい人だよ」とだけ聞いていて。でも台本を読んでみて、ここまでいい人、すごい人だとは思わなかったので大変驚きましたね。本当にこんな人がいたのか、と。」

———原作となっている磯田道史先生の『無私の日本人』所収の「穀田屋十三郎」を読まれた時、監督は大変感動なさったと伺いました。

中村監督「そうですね。映画は結構笑えるテイストに仕上がっているんですが、主人公たちは他人の為に自分がお金を出す。よく考えるとこんなこと、なかなかできる人間はいないですよね。そういったハードルが存在した上で、しかもそれを誰にも言わない約束を自分たちに課したという、すごい人たちです。大いに笑っていただきつつ、そういったところを感じていただければと思います。」

———ここで一つお知らせがあります。この『殿、利息でござる!』ですが、今週水曜日に東京で行われた完成披露試写を皮切りに、全国のみなさまから“5円玉”を集めるプロジェクトが始まりました。映画公開日の5月14日まで、全国でお客様よりお金を集めさせていただくというプロジェクトなのですが、皆様から寄せられたお金は、この映画の元となった古文書『國恩記』の保全にあてさせていただく予定になっています。

阿部「(手に壺を持ちながら)そうなんです。その壺がこちらです。」

———本日、劇場の出口にこの壺をご用意しておりますので、この後、映画をご覧になってお帰りになられる際に、是非ご参加いただければと思います。一昨日の東京のイベントではなんと200名近くの皆様に、このプロジェクトに参加頂きまして、壺に行列ができたと聞いています!中にはお札で参加したい!という方もいらっしゃるかもしれませんが、今回はみなさまと”よきご縁”がありますよう、5円玉で、是非ご参加ください。

中村監督「どんなに集まっても5円なのでそんな額にはならないのですが(笑)、是非!」

———そろそろお時間が近づいてまいりました。中村監督、最後にメッセージをお願いいたします。

中村監督「すごい人たちがいた、ということが先ほどから話題に上がっていますが、そんなに力を入れて観ていただかなくて結構です。250年前の江戸時代の仙台のお話ですが、現代に通じるお話でもあります。ここで描かれるものは、今の学校の教室や職場での人の在り方や人間関係と変わらないんですね。だから心に残るものがあれば、感想を共有して頂ければと思います。「しげが来た」だけではなくね(笑)。「しげが来た」に添えて、もうひとつ感想を添えていただけると嬉しいですね。ありがとうございました。」