第26回山本周五郎賞を受賞した小野不由美(『屍鬼』「十二国記」シリーズなど)の小説『残穢』(ざんえ)を、ミステリーの名手・中村義洋監督(『白ゆき姫殺人事件』『予告犯』)が映画化する『残穢【ざんえ】‐住んではいけない部屋‐』が、松竹配給にて2016年1月30日(土)に全国公開いたします。

本作公開を記念いたしまして、Jホラーを代表する6人の監督(中村義洋・白石晃士・安里麻里・岩澤宏樹・大畑創・内藤瑛亮)が手掛けたスピンオフ映像作品「鬼談百景」(原作:小野不由美)が1月23日(土)に一夜限りの劇場公開し、上映前には6人の監督が勢揃いして「鬼談百景」撮影エピソード、『残穢【ざんえ】‐住んではいけない部屋‐』と「鬼談百景」の恐怖の連鎖について、さらに彼らの真髄であるJホラーについて熱く語るトークイベントを実施いたしました。

『残穢【ざんえ】‐住んではいけない部屋‐』公開記念「鬼談百景」オールナイト上映トークイベント詳細

●日時:1月23日(土)
●登壇者(敬称略):中村義洋、白石晃士、安里麻里、岩澤宏樹、大畑創、内藤瑛亮
●場所:テアトル新宿 (新宿区新宿3−14−20 新宿テアトルビルB1)

会場は老若男女のお客さんでほぼ満席。「鬼談百景」はすでにインターネットで
先行配信中にもかかわらず、この日を楽しむためにそれを観ずに来場した
生粋のJホラー好きばかりが集まりました。

今回映像化されたのは「鬼談百景」99話のうちの10のエピソード。
『残穢【ざんえ】‐住んではいけない部屋‐』中村義洋監督が「追い越し」、
白石晃士監督が「密閉」、安里麻里監督が「影男」「尾けてくる」、
岩澤宏樹監督が「どこの子」「空きチャンネル」、大畑創監督が「一緒に見ていた」「赤い女」、
内藤瑛亮監督が「どろぼう」「続きをしよう」を手掛け、今宵限りの劇場公開に、
Jホラーを代表するこの6人の監督が集結しました。

6人の監督が登壇すると、Jホラーファンから大きな拍手と歓声で迎えられました。
監督たちも口を揃えて「この6人が揃う機会はこの先にないと思うので、トークを楽しみたい」と挨拶し、
豪華な面子に会場は出だしからヒートアップしていました。

このトークイベントが、『残穢』公開記念と銘打っていることについて、『残穢』も手掛けた
中村監督が「原作者の小野不由美さんが『鬼談百景』の連載をしている間に『残穢』の構想を思いついたそうです。
怪談は100揃うと災いが起こるということで、『鬼談百景』を99話、『残穢』を100話目にしたとお聞きしました」と
2つの恐怖の連鎖について説明し、白石監督が「『鬼談百景』『残穢』どちらにも「私」という
小野先生自身を彷彿とさせるキャラクターが出てくるんです。『残穢』で竹内結子さんが演じているのですが、
『鬼談百景』ではその竹内さんが「私」としてナレーションをしてくださっています」と付け加えました。

「鬼談百景」の撮影エピソードに話題がうつると、中村監督が「今回インターネット配信がメインだから
僕はパソコンサイズと映画のスクリーンサイズどちらを意識するか考えたんだけど」と問い、
他の監督たちは「基本的には映画スクリーンを意識した」と応えながらも「ただそれをパソコンの小さいサイズにすると
怖い対象が見えなくなったりするので悩んだ」(安里)、「あと昔のブラウン管のときの霊の白さだと、今の液晶画面だと
見えなかったりするので難しい」(白石)など、ベテランホラー監督ならではの細かい視点に会場をうならせました。

また他の監督が撮った作品を観ての感想を尋ねられると、監督たちもお客さんと同じ目線になって「コレが怖かった、
アレが面白かった」と感想を言って称え合いました。その中でも中村監督が「変な言い方をしてしまうけどみんな
『低予算でよくやったな!』と。出来が凄く良くて、僕ももっと頑張ればよかったと思った。僕と白石くんが新人のころ
『日本のこわい夜』で頑張っていたころを思い出して泣けた」としみじみ語りました。

さらに中村監督は「『ほんとにあった!呪いのビデオ』をやっていたころは、フェイクドキュメンタリー等の立ち位置が認められて、
こんなふうにホラーという括りでトークイベントができると思っていなかった」と吐露し、同じく『ほんとにあった!呪いのビデオ』の
スペシャル版を撮った白石監督は「僕が撮ったのはドキュメンタリーだったけど(笑)」と会場を笑わせながらも
他の監督たちとともに深く頷きあっていました。最後に中村監督は「他の監督作品を全部見て、新たな可能性を感じた。
『鬼談百景』はあと89話あるんで(笑)、全部やってもいいんじゃないかな」と締め、会場からも期待の拍手が沸き起こりました。