2月6日(土)より有楽町スバル座ほか全国ロードショーが決定している映画『十字架』の公開を記念致しまして、公開前に親子独占完成披露試写会を開催いたしました。

日時:1月23日(土)
会場:スペースFS汐留
時間:13時開映(122分)
イベント:15時〜(30分)

登壇者:
leccaさん/アーティスト/本作主題歌担当(36歳)  
五十嵐匠さん/本作監督(58歳)
小柴亮太さん/本作出演者(15歳)

 上映後には、本作品のために書き下ろしの主題歌を作ったleccaさん(36歳)が登場し、主題歌である「その先のゴール」を集まった150名の親子の前で披露しました。その後、本作品監督五十嵐匠氏(58歳)、出演者・小柴亮太さん(15歳)を交え、映画について、そして、重松清氏の原作にも描かれている、現在大きな社会問題となっている「中学生いじめ自死」についての話なども織り交ぜ舞台挨拶をし、最後は登壇者全員で記念のフォトセッションを行いました。

以下、トークの内容

・映画を作られた経緯は?
五十嵐:その前に、leccaさんの歌を聴いていろいろと考えてしまいました。映画を見終えてすぐに歌うのは大変だなと思いました。映画はいつも一人でスタートします。3年前に重松さんの本を読んだ時、夜中の3時に一人で涙を流しました。この映画を作れば、きっと自分のように涙を流す人が多くいるだろうと思った。
映画の企画を各映画会社にプレゼンテーションしましたが、震災が起き、社会が暗くなっている時にいじめをテーマにした映画をやりたがる会社はありませんでした。しかし、そんな時代だからこそ、この大きな社会問題に向き合わないといけないという想いで企画を進め、なんとか、この映画が完成しました。

・leccaさんの主題歌「その先のゴール」について
lecca:小学校の時引っ越しを経験し、新しい学校で転校生としていじめを経験しました。この主題歌は、その時のいじめを思い出しながら書いた曲でいじめを連想させる歌詞も多く聞く人によっては辛い曲だと思いました。この曲の他にも何曲か作り監督に聞いてもらいましたが、最終的にこの曲が選ばれてよかったです。

・いじめの経験について
lecca:いじめを受けている事は親には言えなかった。普通に学校生活を送っていると思っていてほしかったからです。いじめはとてもきつかったですが、いじめを辞めるように言ってくれた一つ上の先輩がいて助けられた。今の自分がもしそこにいたら、いじめられている子になんて声をかけられるかなと想像をしながら歌詞を書きました。

・小柴さんのフジシュンの演技について
小柴:全国でいじめを受けて辛い思いをしている人は多くいると思います。演技とはいえ、いじめを経験したのはとても辛かったです。カットがかかると、縁者の仲間が駆け寄ってくれて大丈夫かと言ってくれたのが思い出深い。いじめのシーンでは、マイクでは聴こえないくらいの小さな舌打ちがあり、それは演技とはいえ、とても辛くて、心が痛かったです。

・学校の出演者はみんなオーディションで集めた事について
五十嵐:800人くらいのオーディションで2つ分のクラスの学生を集めました。彼らとは3ヶ月間、毎週土日に演技ワークショップを開催しました。彼らにはみんなに原作を読ませ、感想文を書かせました。中にはいじめを経験して3回転校した子もいました。その子には、いじめる側の役をワークショップで演じさせましたが、その子は、「いじめがこんなに楽しいと思わなかったと。いじめ側には人がこんなに集まるのを知って楽しかった」と語った事にとてもショックを受けました。このワークショップで全員にいじめる側、いじめられる側を経験させ、みんなでいじめに向き合う事ができた。

・Leccaさんのいじめの克服は?
山田詠美さんの小説「風葬の教室」が当時のバイブルでした。主人公が私と同じように転校生でいじめられている設定でした。その主人公がいじめに立ち向かうために行った事を良く読み心のよりどころにしていた。
いじめは、いじめられる側にも理由があると言われる風潮がありますが、私は、いじめはする方が絶対的に悪いと思います。大人の世界にもあると思う。いじめを始めるのはだいたい数名からでいつの間にかいじめが広がる。それをみんなで食い止めるのが重要。誰も見ていないところで声をかけるとか。私も、辛い時期に、一人に、頑張って学校に行こうねと言われた事でとても勇気が出た。

〆あいさつ
小柴:
同年代で、いじめで苦しんでいる人が多くいると思います。是非、同年代の多くの人に見てもらいたい、もし周りにいじめがあるならみんなで力を合わせてなくす努力をしてほしいです。

Lecca:
今日で見たのが3回目です。実は私には子供が二人いるんですが、毎回子供の目線でこの映画を見てしまうのでとても辛いです。今日見ている人の中で、もし周りにいじめられている人がいるとしたら、その世界は異常でスタンダードではありません。世界はもっと暖かいし、優しいはずです。そこの世界はおかしいと思い、その世界から逃げてください、そして自分を守ってください。

五十嵐:
初めてleccaさんの歌を聴いた時、映画とぶつかるかなと思いました。他の曲を映画にも付けましたが、最終的に何故かこの曲が映画に倍加されてはまった。この曲を映画にはめて聞いた時、この曲と一緒に戦おうと思った。映画は一人では出来ない。予算の無い映画は、想いと人と熱意だけしか作り上げられません。そうやって作られた映画です。是非、みなさまには、口コミでこの映画を全国に広げてもらいたいと思います。この親子試写会がそのきっかけになればば嬉しいです。