日本のスプラッター映画の草分け的な存在であり、日常にひそむ狂気と倒錯のエロチシズムをハードな映像で描き続け、”ピンク四天王”と称される佐藤寿保監督が、「さよなら渓谷」で真木よう子の相手役を務めた大西信満を主演に迎えた最新作「華魂 幻影」がこのほど完成。本作「華魂 幻影」は2月25日から始まるゆうばり国際ファンタスティック映画祭の、メディアの自主規制の枠を外した18禁のアダルトな作品を上映する新たな試み“フォービデンゾーン”部門で2月27日(土)14:00〜上映後、4月30日(土)〜新宿ケイズシネマで公開することが決定した。

主演・沢村貞一(さだかず)役の大西信満、ヒロイン(黒ずくめの少女)役で本作で映画初出演のイオリ、劇中映画「激愛」の主演川瀬陽太、同じく「激愛」のヒロインの愛奏、及び佐藤寿保監督が完成披露試写会で舞台挨拶を行った。

1月15日(金)
登壇者:大西信満・イオリ・川瀬陽太・愛奏・佐藤寿保監督
会場:新宿ケイズシネマ

●登壇コメント:
司会(川上史津子)「佐藤寿保監督、前作『華魂』の待望の続編『華魂 幻影』が完成したわけですが、この映画にかけられた思いと御苦労された点などございますでしょうか?」
佐藤監督「『華魂』第二弾になるんですが、『華魂』という企画を立ち上げたのは2年前になるんですけれど、当初は1年間に春夏秋冬4部作を作ろうと始めた企画です。やって初めて気がついたんですけれど、映画っていうのは人とお金がかかるというのを実感しまして、やっと2年越しで第二弾を撮ることができました。これもひとえに場を与えて下さっているケイズシネマさんをはじめ、各地方の良心的な劇場さん、スタッフ・キャストの皆さまに非常に感謝しております。苦労はあんまり言いたくないんで。」

司会「主演の大西信満さんは今回初めて佐藤組に参加したわけですが、台本を読まれた感想と現場はいかがでしたでしょうか?」
大西「初めて台本を読んだ時に、ものすごく念がこもっているということを感じまして、実際寿保監督にお会いして、更に監督のすさまじい勢いと言いますか、力を感じまして、えらい大変なことになるんじゃないかと思いましたけれど、撮影はタイトなスケジュールだったんですけれど、何も迷うことなく、ひたすら時間が早く過ぎて、すごく濃密な現場だったと思っております。」
司会「黒ずくめの少女役を演じられました本作映画初出演のイオリさんにお尋ねしたいと思います。映画初出演だったわけですが、オーディションから参加されて、ハードな役を体当たりで撮影に挑まれましたが、苦労された点などありますか?」
イオリ「オーディションも出演もすべてが初めてで、何もかもが初めての現場だったんですけれど、皆さんがすごく優しく接して下さったので、すごくいい経験ができました。」

司会「劇中映画『激愛』の主演の川瀬陽太さんは佐藤組経験者ではありましたが、今回の現場はいかがでしたか?」
川瀬「佐藤監督とは約20年前から、僕もそうなんですが、佐藤監督も“成人映画”というジャンルから出てきた者なんですけれど、そのころから知っていて、ここまでちゃんと組で仕事をしたのは初めてでして、それまで佐藤監督が作られた作品は当然観ているんですけれど、その内容の激しさというか、『おっかねえな。こんな人とやりたくねえな』と思っていたんですよ。ところがですね、ここでやってみたら、いい年になって、なんかいい感じにやれてよかったです。ありがとうございました。」
佐藤「こちらこそ、ありがとうございました。」

司会「劇中映画『激愛』のヒロインを務められた愛奏さんも今回は佐藤組初参加ということですが、撮影のエピソードなどを教えてください。」
愛「勝手なイメージで、監督はすごく厳しい方で、怒られてしまうんじゃないかと思っていたので、その予想に反して、とても細かく色んなことを教えて下さって、ほっとしました。」

司会「大西さん、今回、映画初出演のイオリさんはいかがでしたでしょうか?」
大西「自分自身も何回やっても初めてのような感じなんで、ただかなり大変なことをちゃんと臆さず挑んで立派だったなと思っています。ただまあ、一つ言えば、訛りがなあ、なかなかとれなくて、それが大変でしたね。」
司会「イオリさん、ご出身はどちらなんですか?」
イオリ「京都の方なので、なかなか抜けなかったですね。」
監督「今は抜けたほうだよ。」
司会「そうですね、撮ったのは去年の3月になりますが、とても寒い時期で、実は私もちょこっと出ているので見つけて頂ければと思いますが、とにかく寒かったなというのもありました。『激愛』という劇中劇ではまた別の場所で撮ったので、その対比も楽しんで頂ければと思います。」

司会「最後に一言ずつ、皆さまにメッセージをお願いいたします。」
大西「なかなか映画を観てもらうまでが大変で、そういう意味で、今日観て頂いた後に、面白いなと思って頂いたら、なるべく多くの人に伝えて、お客さんがたくさん来るお手伝いをして頂けたら幸いです。今日はよろしくお願いします。」
イオリ「私は初めてで、結構体も張ったと思いますので、ぜひ楽しみにしててください。」
川瀬「大西君とは個人的にもお付き合いがあったりとかで、撮影前に『ちょっと飲みませんか、川瀬さん』と言われて、『佐藤寿保さんってどんな方ですか?』って聞かれて、僕はその時に『普通じゃないよ。いかれてる』って言いました。その通りのいかれた映画になっていると思います。ぜひ楽しんで下さい。よろしくお願いします。」
愛「さっき話しそびれてしまったんですけれど、極寒の中で撮影していたので、試写で拝見させて頂いた時から今日まで、ずっと頭にあったことが一つあります。極寒の中で撮影していたために、劇中で私は上半身を露出しているんですけれど、その乳首の状態が寒さによって、ものすごくキュッとなっていて・・・」
川瀬「何の話をしてるの、君は。(笑)」
愛「この場をお借りしてぜひ言いたいと思っていたのが、通常の温度下においては、私の乳首はもう少しシンプルです。」
川瀬「何の話をしてるの、君は。(笑)」
愛「これを言ったら、そこばっかりそうなっちゃったら困るなということもあって、『どうしよう』ってそればっかり考えていたんですけれど、何はともあれ、全て含めて楽しんで頂ければ嬉しいと思っていますんで、よろしくお願いします。(笑)」
佐藤「『華魂』というのは一話完結もので、舞台は今回映画館のお話です。今大作目白押しで、つまらないものばかり上映していますけれど、この映画は他の映画館では観れない熱気と狂気と愛に包まれた映画だと思っております。面白かったら皆さん周りのお友達・親戚・お子さまに声をかけて頂いて、劇場にぜひ詰めかけて下さい」
川瀬「お子様は見れません!(笑)」