発行部数30万部を超え、広く親しまれている橋本紡(『半分に月がのぼる空』シリーズ)の同名小説を映画化した『流れ星が消えないうちに』は、7週連続視聴率20%を超えて話題のNHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」のヒロインを務める波瑠が主演を務める、ヒューマンラブストーリーです。

11月21日(土)上映後舞台挨拶
登壇者:波瑠(NHK「あさが来た」)、入江甚儀(『ストロボ・エッジ』)、葉山奨之(NHK「まれ」)、
     黒島結菜(『at Home アットホーム』)、小市慢太郎(NHK「てっぱん」)、柴山健次監督
塩ノ谷早耶香(主題歌「流れ星」)、桐嶋ノドカ(挿入歌「柔らかな物体(piano ver.)」)
会場:角川シネマ新宿

●登壇コメント(上映後)

波瑠、入江甚儀、葉山奨之、黒島結菜、小市慢太郎、柴山健次監督が登壇。

波瑠「朝から(「あさが来た」を撮影している)大阪からやってきました。皆さんにお会いできてとってもうれしいです。」

入江「(会場に)聞いてもいいですか?面白かったですか?」

会場拍手喝采。

入江「ありがとうございます!しっとりとするような作品だったと思うので、今日のこのトークショーはぜひ盛り上がっていきましょう。」

葉山「こんなにお客さんがいると、皆さんの顔を見ると、少しほっとしました。今日から公開ということで待ち遠しかったので、皆さんの顔が見れて嬉しいです。」

黒島「今日はこんなにたくさんの方にご覧頂いて、すごく嬉しいです。」

小市「今日はいい天気でよかったです。撮影時期はすごく寒かったんですけれど、スタッフ・キャストの皆さんがすごく温かくて、幸せでした。たくさんの人に観て頂きたいです。」

監督「自分がこの企画をやりたいと思ってからもう3年半経ちまして、ようやくこの場にこぎつけまして、お客さんにこれだけ入って頂けて嬉しいです。」

司会「前に進めずに思い悩む奈緒子の気持ちは辛かったろうと思いますが、撮影現場での雰囲気はいかがでしたか?」

波瑠「現場はどよーんとはしていなかったです。でも脚本の心情に目を向けると、私はいつも悲しかったですけど、それはそれで、小市さんがおっしゃっていたように、温かくて幸せな空間でした。」

司会「波瑠さんご自身は辛いことをキープしてしまうタイプですか?」

波瑠「ありがたいことに、私自身はぼんやりしている内に嫌なことを忘れちゃうんですけれど、奈緒子の身に起こったことは想像するだけで苦しくて苦しくて仕方ない時間でした。『奈緒子、頑張れ』って思ってもらえたら嬉しいです。」

司会「入江さん、巧は奈緒子と付き合いながらも、不慮の事故で亡くなってしまった親友の加地くんを想い、葛藤をしながら、それでも奈緒子にそっと寄り添う存在です。なんて素敵な役なの!ご自身との共通点を随分発見なさったそうですけれど。」

入江「あんまりそれを自分で言うと、自分を褒めているみたいなんですけれど、台本や小説を読んで、巧が奈緒子を思う気持ちが理解できたので、自然とその巧の気持ちにいきました。僕も人が困ってたりすると、『自分のことじゃないからいいや』というタイプではなくて、気にして、一緒に転げ落ちてしまうタイプなので、そういうところがわかるなと思いました。そこが、巧を演じていて僕にもそういうところがあるなと思ったので、理解できました。そういう人間を演じるって大変じゃないですか?突き放す方が、そこで関係性があるから楽だと思うんですけれど、そこで一緒に悩んで生きていくということは大変で、演じていて大変でしたけど、すごくいい役に出合えたなと思いながら、演じさせてもらっていました。やってて楽しかったです。」

司会「葉山さん、プラネタリウムのシーンはとても印象的でした。加地くんの奈緒子への熱い気持ちが伝わってきました。奈緒子にとっても、巧にとっても忘れられない出来事になったわけですが、葉山さんご自身にとって、プラネタリウムや星空について、忘れられない想い出などございますか?」

葉山「この役をやるのに、図鑑を買ったりして星を勉強しました。実際にプラネタリウムに行ったりもして。小学校の時に行ったことがあったんですが、改めて成長した時に観ると、『こんな大きかったっけ?』とか、小学校の時より知識が増えているから、ちょっとは詳しくなったかなというのはあります。最初は監督と、『星空検定を取ろうか』という話をして、『ぜひ取りたいです』って応募しようと思ったら、応募の締め切りが過ぎていて、『公開までには間に合えば』と思っていたら間に合わなかったので、ぜひまたチャレンジしたいなというのはあります。」

柴山監督「完全にネタです(笑)」

入江「何回か話しているんですけれど、本当に撮影中に流れ星が流れたんです。」

葉山「ちょうど双子座流星群の時で、プラネタリウムを作っているシーンを撮っている最中に、僕が待っている時に空を見上げたら、『あっ流れ星だ』と思って、『甚儀、流れ星見えたよ!』って言って。ピューピューピューって。

入江「素敵な体験でした。」

司会「黒島さん、絵里という女の子は、両親のことや大学受験のこと、彼氏のことで思い悩んだり怒りをぶつけたり、心配したり、いろんな表情をみせてくれる役どころでした。等身大の年代の女の子の役ですが、役づくりではどのような事を気をつけて演じられたのでしょうか?」

黒島「みんなが感情を内に内にしてしまう中、私の役は一人表に出してぶつけて伝えていく役どころだったので、皆より感情を出す部分では、ちょっと苦労しましたけど、その分、私の役で出すことによって、周りの人たちが動いていくのが感じられるので、お芝居していて楽しかったです。」

司会「小市さん、本作では、母親は登場しませんが、父と娘から家族の視点も描かれています。姉妹の父として、また仕事のことで悩む一人の男性として、今回の役をどのように捉え、演じられたのでしょうか?」

小市「この話自体が家族の物語でもあるので、娘たちをまず愛すること、妻を愛すること、自分自身も愛すること、娘たちの想いを大切にすること、妻の想いを大切にすること、その中に自分の想いも入れるということを意識していました。」

司会「映画の中でおしゃべりの仕方、佇まいがまんまだったんですよ。そのまんまのあなたがいましたよって周りから言われません?」

小市「それは嬉しいですね。」

司会「監督、小市さんの存在はどのようなものだったのでしょうか?」

監督「もちろん見守るということもあったのですが、自分の中ではっきりあったのが、絵里は母親に似ているけれど奈緒子と父が似ている。雰囲気でいいんですけれど、どこかそこの共通項が伝わればと思っていました。お二人が普段お話ししていて、落ち着いた感じなので、その良さが撮れればなと思いました。始まってみれば、何も言うことがなかったです。」

司会「監督、加地くんの『動いてこそ、見えてくるものがある。』という言葉が、巧により奈緒子の父、そして奈緒子へと巡ります。この言葉がキーワードとなり、ほんの少しかもしれないけれど、皆が進んでいくきっかけでもあります。橋本紡さんの原作小説をお好きな方にも良く知られるフレーズですよね、監督。監督ご自身、この言葉をどのように捉えていらっしゃるのでしょうか?」

監督「『動いてこそ、見えてくるものがある。』というのは、加地自身が動かなかったことで失敗したことから、『動いてこそ』という言葉を掴んで言っているので、実はその言葉だけを受け止めてもだめで、立ち止まったことがないとあの言葉の本当の意味はわからないのではないかと思います。」

司会「プラネタリウムのシーンは、とても印象的で、本当に素敵な星空でした。ラストの本村家のシーンで投影されていたものは、家庭用プラネタリウム『ホームスタークラシック』というプラネタリウムなんです。その『ホームスタークラシック』を波瑠さんへのプレゼントとしてご用意しました。」

波瑠「いいんですか?(見て)剥き出しのまま?」

会場爆笑

入江・葉山「大阪で頑張ってください」

波瑠「ありがとうございます。びっくりぽんや!楽しみにします。」

入江「一通り観終わったら下さい。」

波瑠「う、うん。」

会場爆笑

塩ノ谷早耶香、桐嶋ノドカが登壇。

司会「主題歌を担当されている塩ノ谷早耶香さん、挿入歌を担当されている桐嶋ノドカさん、一言ずつ頂けますか?」

塩ノ谷「映画を先に拝見して、自分の中にある想いだとか、受け取ったメッセージと合わせながら、監督と沢山お話をさせて頂きながら作詞させて頂きました。作品の一部になれているなという感覚がして、すごく幸せでした。先月発売板ミニアルバム『S with』のリード曲として発売しました。映画の中から私自身が感じたメッセージをミュージックビデオにしたので、見て下さい。」

桐嶋「挿入歌をやったことがなかったので、私でいいのかなと思ったんですけれど、映画を先に見せて頂いて、心の深い部分に語りかけてくれる作品だったので、私の曲でお手伝いできたらいいなと思いました。昨日配信リリースをしましたので、よかったら聞いて下さい。」

司会「最後に監督からメッセージをお願いします。」

柴山監督「僕が一番込めた想いとしては、『失ったものがあって、その失ったものによって前に押された』というものをちゃんと描こうと思ったんです。映画館の暗い中での2時間の体感というのが、この物語が心に染みてくるには必要だと思うので、ぜひ劇場で観て頂けるように、周りに宣伝して頂ければと思います。」