監督スティーヴン・スピルバーグ、主演トム・ハンクス、脚本イーサン&ジョエル・コーエン兄弟——ハリウッド史上最高のスタッフ&キャストで描く実話に基づく感動のエンターテイメント大作『ブリッジ・オブ・スパイ』が2016年1月8日に公開されます。

世界が戦争勃発の恐怖に怯える中、平和の鍵を握っていたのは、ひとりの普通の男だった——。舞台は、アメリカ合衆国と旧ソビエト連邦が世界を二分して対立し、一触即発の冷戦状態にあった1950〜60年代。ジェームズ・ドノバンは、保険の分野で実直にキャリアを積み重ねてきた弁護士だった。ソ連のスパイの弁護を引き受けたことをきっかけに、世界の平和を左右する重大な任務を委ねられる。それは、東西に分裂していたベルリンに赴き、自分が弁護したソ連のスパイと、ソ連に捕えられたアメリカ人スパイの交換を成し遂げることだった…。

監督は3つのアカデミー賞に輝くスティーヴン・スピルバーグ(『プライベート・ライアン』:98/監督賞、『シンドラーのリスト』:93/作品賞・監督賞)。主演は2つのアカデミー賞を受賞したトム・ハンクス(『フィラデルフィア』:93/主演男優賞、『フォレスト・ガンプ/一期一会』:94/主演男優賞)。スピルバーグとトム・ハンクスは『プライベート・ライアン』(98)、『キャッチ・ミー・イフ・ユーキャン』(02)、『ターミナル』(04)以来、11年ぶりの4度目のタッグ。脚本を担当したコーエン兄弟も『ファーゴ』(96)で脚本賞、『ノーカントリー』(07)で作品・監督・脚色賞を受賞している。
去る10月4日にニューヨーク映画祭でプレミア上映され、満場のスタンディング・オベーションを浴びたこの実話を基にした作品は、「オスカー作品賞と監督賞のノミネート間違いなし」(NY POST)をはじめ、バラエティ誌、ハリウッド・リポーター誌など米有力メディアのオスカー予想にも作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞など各部門でノミネート確実と言われている本年度アカデミー賞の本命作品です。

そして現地時間の11月13日(金)、物語の舞台となったベルリンの地でインターナショナルプレミアがスティーヴン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス、共演のエイミー・ライアン、セバスチャン・コッホらが出席して行われました。
会場となったウーファ・パラスト・アム・ツオーは、1919年に開業された歴史ある映画館で、ドイツNo.2となる2165名の収容能力を誇る。この日は最低気温9.5度を記録し、強風も吹くあいにくの天候でしたが、約1500名の観客がレッド・カーペットを取り囲み、世界各地からのマスコミも150名以上となり、その熱気は、寒さを忘れさせるほどでした。19時過ぎにスピルバーグ、トム・ハンクスが到着。会場からはスティーブンコールが延々と続きました。
アカデミー賞有力との声が世界から上がっていることについて、スピルバーグは「アカデミー賞は同業者に認められるという映画界一の栄誉です。授賞式にいるだけで名誉なことです。今は1年のうちで最もエキサイティングな時であり、またナーバスな時です。ただ、私はあまりあてにしない様にはしているがね」と語り、トム・ハンクスも「オスカーについてはどの作品でも全く自信を持つことはできない。一か八かの賭けのようなものだから、期待することができるものではないんだよ」と、2人のオスカー・ウィナーは謙遜気味に語った。
拍手喝采、スタンディングオベーションが起こり、大盛り上がりの中、本プレミアは終了した。

オスカーについてのコメント

スピルバーグ:アカデミー賞は同業者に認められるという映画界一の栄誉だ。だから、授賞式の会場にいて、選考対象になるというだけで名誉なことです。今回も受賞をあてにしているわけではないし、これまでも期待したことはなかったが、アフターパーティに招待してもらえるというだけで嬉しいものです。考慮されるというだけで名誉なことなんです。同時に私の映画や出演者が様々な形で認められるというのは嬉しいものだとこれまでもずっと感じてきました。1年のうちでとてもエキサイティングな時であり、またナーバスな時です。ただ、私はあまりあてにしない様にはしているがね。

トム・ハンクス:(オスカーの本命という声も聞かれますが) 本当?そんなこと誰が言っているのかい(笑)?
自信はまったくないね。一か八かの賭けのようなもので、期待することができるものではないよ。

作品についてのコメント

スピルバーグ:コーエン兄弟たちが書いた脚本が素晴らしく、すべてが繊細な出来事の積み重ねだったので、セリフがわずか2行しかない役や、最も小さな役でさえも、細心の注意を払わなければならなかった。豪華なアンサンブルキャストが実現した、本当に素晴らしい作品になったと思います。
(再び不安な時代を現代は迎えているが各国のリーダーにメッセージは?)人道的危機に関する世界中で起きている状況には、思いやりをもって対処すれば、世界はもっと良いものになるということは常識だと感じています。思いやりの心というのが薄れて行ってしまっている様にも感じています。思いやりがあるのはどの国なのか、助け、受け入れようという気持ちがある人々は誰なのか、生き延びて行くために助けを必要としているのは誰なのか、私はこういったことに注目します。そういうことを意識し、思いやりを持ち、自分の思いに従って行動しなくてはなりません。

トム・ハンクス:本作ではスピルバーグ監督のベストを期待してもらえると思います。彼の作品では、ロボットやエイリアンを扱ったものが最高だと思われているようですが、彼のベストは人間を扱った題材なんです。この映画は『シンドラーのリスト』や『アミスタッド』、そして前作『リンカーン』といった作品に匹敵するものです。人間が驚異的な状況を切り抜けていく様を描くスピルバーグ監督の能力は、他の惑星からやってきたエイリアンを描写する彼の能力と同じくらいすばらしい。
スピルバーグ監督と一緒に仕事をするのは今作で4作目になるけれど、彼は、その天才的なレベルに我々普通人を招いてくれるコラボレーターであると思います。「君はどう思う?何か良いアイデアはあるかい?」とよく聞かれます。僕に電話してくれるというだけでも、自分は恵まれていると考えているんです。