2016年1月31日(土)より公開となります安田顕主演の話題作『俳優 亀岡拓次』。
先日、豪華キャストを一挙に発表させていただき、大きな話題となりました。

本作は、10月22日より開催している第28回東京国際映画祭の「アジアの未来部門」に出品しており、10月30日(金)に横浜聡子監督による上映後Q&Aをを実施いたしました。

6年ぶりの長編新作にかけた熱い想いなどを、横浜聡子監督が答えました。

映画『俳優 亀岡拓次』 第28回東京国際映画祭【アジアの未来部門】
横浜聡子監督 Q&A概要

日時:10月30日(金) 
場所:TOHOシネマズ 六本木ヒルズSC8 
登壇者:横浜聡子監督

第28回東京国際映画祭にて
映画『俳優 亀岡拓次』2度目の上映が10月30日(金)に行われました。

評判も上々で早々にソールドアウトとなったチケット。
上映終了後には6年ぶりの長編新作を手がけた横浜聡子監督が登壇し観客との
Q&Aを実施しました。

横浜聡子監督:本日はお越しいただきましてありがとうございます。
ご覧いただいた直後で言語化するのが難しいかとは思いますが、
いろいろと質問していただければと思います。

Q&A内容

Q:まずキャスティングに関してお伺いです。
今までも横浜監督はユニークな俳優さんの使い方をされていたと思いますが、
今回はどういういきさつで安田顕さんを選ばれたのでしょうか。

横浜監督:安田顕さんは見たことあるなという程度でそこまで詳しく存じていなかったのですが、
注目してみるとすごく個性的な役をやられている中で本人は何を考えているか分からない、
闇を抱えている気配にもひかれていきました。
役者さんの中でもゲップやおならをすぐできたり「芸がある」と思いましたし、
バスター・キートンのような喜劇俳優の動きが魅力だと思います。

Q:個性的なキャラクターが沢山登場しますが、具体的にこのような演技をして
というオーダーは会ったのでしょうか。

横浜監督:劇中に4人の映画監督役が登場しますが、
いかにも監督っぽくはしたくなかったので遠ざけるようにしていたのですが、
山?努さんは確固たる監督のイメージがあったようで、
ジャンパーも黄色などご自身で役をつくられてきました。
かなりベテランの映画監督という感じになっていると思います。
山?さんから提案のあった映画監督像を楽しみました。

Q:劇中で舞台のシーンや、海外映画のオーディションを受けるシーンなど
舞台っぽいなと感じたのですが、安田顕さんの舞台が影響していることはありますか?

横浜監督:原作でオーディションのシーンはあるのですが、
少し飛躍させたくて劇中のような感じにしました。
背景にスクリーンを使いたいという視覚的なイメージを優先させたので、
舞台からの影響というのはあまり無いかも知れません。

Q:演劇のことををリサーチしましたか?

横浜監督:演劇のことは全くわからないので、安田さんやエキストラの方から
お話を聞いたり、本も読んだりしましたが難しいですね。
私はまだ映画だけでいっぱいいっぱいです。

Q:カブで移動するシーンの演出の意図はあるのですか?

横浜監督:映画の古典的な手法、スクリーン・プロセスを用いています。
ロードムービーでありトリップムービーでもあるとおもっているので、
現実と非現実がひょいとやってくる、
あえてウソをわかりやすくやってもこの作品なら
成立すると思って早い段階から決めていました。

Q:6年ぶりの長編で変化や成長また撮り終えての感想などありますか?

横浜監督:今まではオリジナルでやらせてもらって、オリジナルを成立させるのが難しいという状況はあると思います。
今までは自分の物語だったけれど、初の原作ものなので、
他人の視点、他人の世界観の中で作品を作っていく上で、
プロデューサーや俳優さんの意見も取り入れてやっていきました。
最終的には自分は自分なんだと再認識しました(笑)。
今後もオリジナル、原作ものとこだわらずに映画をやっていきたいです。

Q:麻生久美子さんは役柄とぴったりだったと思いますが、初めからイメージされてたのですが?

横浜監督:麻生さんは以前お仕事をさせていただいて、ぴったりだなとイメージしていました。
「あと5g位重い演技をしてください」というような注文にもしっかりと応えてくれる、
とても細かい演技をしてくださる女優さんです。

Q:安田顕さんと仕事をしていかがでしたか?

横浜監督:撮影前に、一度二度お話しをさせていただいたら、大勢の前では本音を言わないけれど、
2人きりになってポロッと本音を言うシャイな方だなと思いました。
亀岡拓次というつかみどころのない役で、演出も難しかったですが、
安田さんもどうしていいのかわからないところがあったと思います。
自分自身でも出来上がりが想像できなかった分、
完成したら安田さんが持つ華の部分も暗い部分も全てさらけ出してくれていたことに気づきました。
今までどんな役でも見たことのない安田顕さんがご覧になれると思います。