女優の本田翼が7日、丸の内TOEIにて行われた映画『起終点駅 ターミナル』初日舞台挨拶に、佐藤浩市、尾野真千子、篠原哲雄監督とともに出席。共演した佐藤の優しさに「すごくありがたかった」という本田は、佐藤へ感謝の気持ちを込めて手作りザンギ(北海道の鶏の唐揚げ)をプレゼントした。

第28回東京国際映画祭クロージング作品にも選ばれた本作。「役者の表情や監督の心象的なカットから想いを推し量っていただければ」とあいさつした佐藤は、本田のクライマックスシーンを撮影スケジュールの序盤に撮る予定だったことを明かし「役と同じ様に様々な経験を経てから最後のシーンを撮影した方がいいと思った。最後の裁判所のシーンは北海道ロケが全て終わった後にして欲しいと提案しました」と本田への優しさをみせた。
そんな佐藤の優しさに本田は「いい演技が出来なかったらもう浩市さんに顔見せできないと緊張しました」とにっこり。

一方、佐藤扮する完治の人生を大きく変えた過去のシーンで共演した尾野は、最初の撮影がベッドシーンだった事に「ちょっと気まずかったかな(笑)」と照れ笑い。佐藤は「元々ラブシーンは苦手なので、本当に恥ずかしかったですよ」と話し「でも何から撮影が始まるかはある意味、運ですから。尾野さんとはそれでよかったのかも」と振り返った。

イベントでは「撮影で出てきたザンギは浩市さんが全て手作りしてくれたんです。なので今日はぜひ自分が!と思って。感謝の気持ちを込めました」と本田から佐藤へサプライズが。「自分で作ったの?」と驚く佐藤だが、スクリーンに調理中の様子が映し出されると「誇らしげだな(笑)」「危なっかしいなー」とこぼしつつ、満面の笑み。

佐藤が現場でウスターソースを隠し味に使っていたのに対し、本田は塩麹でアレンジ。その味に佐藤は「冷たいけどカラッとしていて十分に美味しいです」と絶賛し、尾野や篠原監督も「美味しい!」と声を上げた。サプライズの手応えに本田は「安心しましたー!」とホッとした表情を浮かべた。

『ホテルローヤル』で第149回直木賞を受賞した桜木紫乃氏の同名短編小説を映画化した本作。北海道・旭川の地方裁判所判事だった頃、将来をともにしていく女性との苦い体験を引きずる鷲田完治(佐藤浩市)が、誰にも頼ることなく生きてきた孤独な被告人・椎名敦子(本田翼)との出会いを経て人生を再生させていく「“終点駅”はやがて“始発駅”になる」というメッセージが込められた人間ドラマを描く。

映画『起終点駅 ターミナル』は全国公開中

(Report:小宮駿貴)