第28回東京国際映画祭コンペティション部門『残穢【ざんえ】−住んではいけない部屋−』のワールドプレミアが25日、TOHOシネマズ六本木にて行われた。この日、女優の竹内結子、橋本愛をはじめ、本作のメガホンを取った中村義洋監督が登壇し、本作への思いを明かした。

第26回山本周五郎賞を受賞したベストセラー作家・小野不由美氏の傑作小説『残穢』を映画化した本作は、小説家の「私」のもとに読者から「今住んでいる部屋で、奇妙な音がする」という一通の手紙が届く。好奇心を抑えられず調査を開始すると、そのマンションに住んでいた過去の住人たちが、数々の事件を引き起こしていた事実が浮かびあがり、不可思議な事件の連鎖に引き込まれていくさまを描く。

主演を務めた竹内は「1月の本公開を前に、この作品の穢れに触れてくださる皆さんに『準備はできていますか?』と試写でドロップアウトしたにも関わらず、いま覚悟を聞いていますが最後までどうぞ観てやってください」とあいさつ。また、試写で叫ぶほど怖かったと話すも「現場がとても和やかな雰囲気でしたし、『私』という役柄が怪奇現象の傍観者のような立ち位置なので、私自身が体験している立ち位置ではなかったことが幸いでしたね」と撮影中の恐怖心はなかった様子。

一方、ファンから英語でのあいさつを求められた橋本は「絶対に無理です」と気持ちよく答え、「いろんな感動作だったり話題な作品の中から、わざわざ恐がりに来てくださって本当にありがとうございます」と笑顔を浮かべた。
また、ある部屋にまつわる恐怖体験を描く本作にちなみ、実生活での恐怖体験を聞かれ「家に帰ってガスがつけっぱなしだったことが怖かったです。“なにか”がつけた感覚よりも、“やっちゃった”ことの方が怖かったですね」とおっちょこちょいな一面をみせた。

中村監督は本作の見どころを「企画をいただいた段階で、性格の暗いスタッフを集めることを第一に考えました」と笑いをとり、「それと音ですね。音が怖い作品なのでそこはこだわりましたね。大きな会場であればあるほど相当怖いと思います」と明かした。

映画『残穢【ざんえ】−住んではいけない部屋−』は2016年1月30日より全国ロードショー

(Report:小宮駿貴)