第28回東京国際映画祭が22日より開幕。六本木ヒルズアリーナにてレッドカーペット&オープニングイベントが開催され、世界各国から総勢約400名もの豪華キャストが登場し、映画祭開幕を盛大に沸かせた。

『第28回東京国際映画祭』は10月22日から31日まで開催されるアジア最大級の国際映画祭。六本木ヒルズをメイン会場に、新たに新宿バルト9、新宿ピカデリー、TOHOシネマズ新宿へエリアを拡大し、例年以上の上映作品やイベントが予定されている。

コンペティション部門『さようなら』より、ブライアリー・ロング、新井浩文、深田晃司監督らが出席。放射能に侵された近未来の日本を舞台に、外国人難民・ターニャとアンドロイド・レオナの交流を描く異色作。深田監督は「死んでいく人間と死を知らないアンドロイドとの対話を通して、生きるってなんだろう、死ぬってなんだろうということを考えてもらえるように作りました」とコメント。
レオナ役のジェミノイドFについて、ロングは「共演できてすごく楽しかった。ロボットといってもすごく人間らしくて、人間とはなんだろうと考えさせられました。ジェミノイドFに女優賞とって欲しいですね」と期待を込めた。

また、特集“日本の一番怖い夜 Jホラー降臨” 『劇場霊』より、AKB48・島崎遥香が中田秀夫監督とともに登場。嫉妬・憎しみ・怨念渦巻く “劇場”を舞台に、救いようのない惨劇が起こる本格ホラー。映画初主演を果たした島崎は「(怖いのは)得意ではないです。非現実的なシーンばかりで、演じてみて難しかったですね。ジェットコースターに乗ったような感覚で楽しめる映画なので、デートとかでぜひ観てください」と笑顔をみせた。

パノラマ部門『の・ようなもの のようなもの』より、松山ケンイチ、北川景子らが出席。生意気な落語家・志ん田(松山)が、落語を捨て気楽に生きる兄弟子・志ん魚や夕美(北川)と出会い、悩みながらも自分らしく生きる楽しさを知っていく人間ドラマを描く。落語家になりきった松山は「落語って一人何役もあって、性別や年齢も違うし、それを演じ分けることは芝居じゃなかなか経験できないので、すごく楽しかったです」と充実感をのぞかせた。

コンペティション部門『残穢【ざんえ】−住んではいけない部屋−』より、竹内結子と橋本愛が中村義洋監督とともに出席。「今住んでいる部屋で、奇妙な音がする」という一通の手紙から、小説家の「私」が怪奇現象の謎を紐解いていく。「台本を手にした時点で怖かった」という竹内は「(試写で)怖くて目をそらしてしまったシーンがいくつもありまして、皆さんの目にどう映るのか楽しみです」とアピール。橋本は「ホラー映画ですが、ミステリーの要素も強いんです。竹内さんと2人で不可解な現象を紐解いていく展開がすごく面白くて、(演じていて)楽しめましたね」と笑顔を浮かべた。

同じくコンペティション部門『FOUJITA』より、オダギリジョー、中谷美紀、小栗康平監督らが出席。1920年代のフランス・パリを舞台に、美しいパリジェンヌたちと出会い、別れ、狂乱のパリを生きた芸術家・藤田嗣治=フジタの知られざる世界を描く、実話を基にした日仏合作映画。フランス語を「4ヶ月くらい勉強した」というオダギリは「フランス語のシーンはやっぱり発音とかいろいろ考えながら芝居をしなきゃいけなかったので、楽ではなかったですね」と苦労をにじませた。

最後に特別招待オープニング作品『ザ・ウォーク』よりロバート・ゼメキス監督、プロデューサーのジャック・ラプキー氏が出席。NYのワールド・トレード・センター間を直径2.2cmのワイヤーロープでつなぎ、高さ411m、地上110階の道なき空間に足を踏み入れて命綱なしの空中闊歩に挑んだ実在の人物フィリップ・プティの前代未聞の挑戦を描いた本作。ゼメキス監督は「信じられないくらい興奮しているよ。これは本当にあったお話で、すごくロマンがあり精神的なテーマもあるんだ。一人の男の偉業をぜひスクリーンで観てほしいね」とアピールした。

第28回東京国際映画祭は31日までTOHOシネマズ六本木をはじめ、新宿バルト9、新宿ピカデリー、TOHOシネマズ新宿で開催中

(Report:小宮駿貴)