俳優の佐藤浩市が8日、東京国際フォーラムで行われた『起終点駅 ターミナル』完成報告会見に出席。共演の本田翼をはじめ、中村獅童、和田正人、篠原哲雄監督とともに本作への想いを明かした。

『ホテルローヤル』で第149回直木賞を受賞した桜木紫乃氏の短編小説『起終点駅 ターミナル』を映画化した本作。北海道・旭川の地方裁判所判事だった頃、将来をともにしていく女性との苦い体験を引きずる鷲田完治(佐藤浩市)が、誰にも頼ることなく生きてきた孤独な被告人・椎名敦子(本田翼)との出会いを経て人生を再生させていく「“終点駅”はやがて“始発駅”になる」というメッセージが込められた人間ドラマ。

本作で相手役を演じる本田について佐藤は「やばいな。大丈夫か?」と思っていたという。「これまで彼女がやられてきた作品は概ね等身大であって、ご自身に近い役柄が多かった。今回、複雑な環境の中で育った若い女の子の役を、彼女がどう体現していくか、一抹の不安をもったというのが正直ありました」と吐露。
しかし、数日間の撮影の中で「あえて不幸な女性がぴったりな女優さんではなく、彼女自身が自分のなかで吸収し、本田翼の敦子という役にしてくれたのを見た時、『ああ、この子で良かったな』と思いました」と本田の成長っぷりを称賛した。

ホッとした様子で「安心しました」とコメントした本田は、佐藤との二人芝居に「緊張もありましたが、この年で佐藤浩市さんとお芝居できるチャンスを頂けたことがほんとに嬉しかったですね」と笑顔をみせた。
また、念を押すように佐藤は「(撮影)冒頭に裁判所のシーンを全部撮っていた」と話し、「プロデューサーに本田さんのラストシーンは北海道での撮影が終わってから撮っていただけないかとお願いしたんです。だから彼女の裁判所でのラストシーンは期待してください」と太鼓判を押した。

本作は10月22日から31日にかけて六本木&新宿で開催される『第28回東京国際映画祭』のクロージング作品として上映される。

映画『起終点駅 ターミナル』は11月7日より全国ロードショー

(Report:小宮駿貴)