会場爆笑

司会「抜けなかったんですか?」

三浦「今はもうだいぶ。まだ体の中に3割位は残っています。」

司会「武田さんにお伺いします。寺島進さん扮する父親の借金のせいで風俗に売られ、だんだんと壊れていく友里を演じられています。周りは男の人ばっかりでしたね?」

武田「そうなんです。台本を読ませて頂いた時はキャストの皆さんの名前を見て興奮しましたけれど、実際現場に入って、作品も作品なので、大人が全員怖く見えてしまいました。」

司会「誰が1番怖かったですか?」

三浦「遠藤さんは普段本当に優しくて、いつも話しかけて下さるんですけれど、現場にいる時は、現場の中の遠藤さんが気になってしまう位怖い役だったので。」

司会「初挑戦の、ファンがびっくりするようなところもありますよね?」

武田「顔を舐められたりとか、人生初めてなので。ペロペロどころじゃないですね。」

榊監督「ベチョベチョですよ!」

武田「台本には書いてなかったんですよ!監督がモニター越しで、『行っちゃってください!』というのが聞こえて、『あれ?なんのことだろう?』と思って。」 

榊監督「もう一つ足りないと思った時に、池田さんという俳優さんに、『本番は思いっきり顔をベッチョベチョに舐めて下さいよ!唾液だらけにしてください。』って言ったら、嬉々としてやってくれ、武田さんは何も言わず、役柄としていて頂け、テイク終わったらすぐ拭くかなと思ったら、すぐ拭かず、茫然としていました。」

武田「茫然としていて、ご飯が食べられなかったんです。そうしたらほうかさんが焼肉屋さんに連れて行ってくれました。」

司会「遠藤さんがアドリブしたところはあったんですか?」

遠藤「台本通りの作品じゃないんで。一応台本がありますけど、監督とディスカッションしたり、共演者とディスカッションして、アドリブっちゃ、全員アドリブです。皆で台本をより膨らましたという感じです。」

司会「いつ梨奈ちゃんが蹴るかなって思っちゃったんですけどね。」

武田「今回は精神的に戦いました。本当に共演者の皆さんに助けられました。」

司会「いいな、お父さんみたいで、と思った人はどなたですか?」

武田「遠藤さんです。お母さんはほうかさんなんですけれど。ほうかさんはお母さんの役割をして下さって。」

木下「恋人だと思ってた。」

武田「お母さんです。(笑)撮影が終わって、ほうかさんが東京に帰っている時とかに夜『今日のシーンは大丈夫だった?』って電話下さって。」

司会「ほうかさんは今回キャスティングプロデューサーとしても関わっていらっしゃいますよね?」

木下「はい、最初はそういう形で関わりました。」

司会「脚本を読んだ時にもしかして、ご自身で『この役は自分だ!』と決めになったのでしょうか?」

木下「当然早いもの順なんで、自分で指さして、『これでいいでしょ?』と。スタッフの一員だから出番が多い役もあれなんで、ちょうどいいかなと思って。」

司会「皆さん、ぴったりのキャスティングでしたよ!キャスティングプロデューサーとしては、演技以外に、気を遣ったりしたんですか?」

木下「それはもちろん皆さんの機嫌を取りをして。車で迎えに行ったり。低予算ですから、スタッフも不足していますし、時間がないんで。僕は自分が出ていないシーンもできるだけ立ち会っていたんです。さっき言っていたシーンも全部目撃しています。三浦君なんて、近寄りがたい位集中していて。

三浦「もういっぱいいっぱいになっていて、演じることだけに集中できる環境を皆さんが作って下さったんで、集中していました。ほうかさんには毎日『いいぞいいぞ』と言って頂けて。」

榊監督「ほうかさんは絡むシーンで三浦さんをぼこぼこにしていましたけどね。」

木下「そういう役じゃないですか。武田さんが今までにないような役で、乳首も出して頂いて。」

武田「乳首は出していないですけど、本当に過激な言葉があって、私が知らないような言葉があったんですよ。辞書にも書いてないような。でGoogleで調べてみたら、とんでもない映像が出てきて!調べましたよ!観ましたし、ちょっと。」

木下「キャスティングでちょっと困っていたのは、女性2名の役なんです。困っていたころに、お花見でお見かけして、2年半前だからほぼ無名でしたけど、『ハイキック・ガール』の子だと思って。随分脅したよね?役以上の、『俺とヤルことヤルの?』って。」

会場爆笑

武田「冗談で確かに言われたことあります。」

木下「過剰に言っておかないと、女優って駄目なんですよ、現場で急に言うと。」

武田「サイゼリアで2〜3時間位方言して下さったり。」

会場爆笑

司会「武田さんは最近はロサンゼルスで女優賞も獲られて。」

武田「ありがとうございます。」

司会「監督は、現場で武田さんに失礼なことを言ったそうですが?」

榊監督「現場だけですけどね。堕ちる役で、3週間位の現場だったので、非現実的な世界に引きずり込まなくてはいけないですね、という話をして、現場でもある意味厳しいことを言ったりだとか、ここで言っちゃいけない言葉だとかを言ったりしました。武田さんが他のインタビューで言ったので、Twitter上で、『武田梨奈にブスとか言いやがって』と怒られちゃいました。現場で、役名で呼ばずに、そういうところで蔑むことで何かが出ればと思っていたんですね。今はすごく優しい監督になっています。」

武田「現場でてんぱって、台詞が出てこなかったりしたんですけれど、遠藤さんがこっちに来て下さって、『一回台詞もお芝居も忘れていいから、一回全部忘れてやってみよう』って言って下さって。『何回でも付き合うから、芝居。』って言って下さったので本当に救われて。」

遠藤「ちゃんと陰でフォローしているでしょ?」

会場爆笑

司会「本作では、『関西弁をきちんと話せる』ということにこだわりを持たれてキャスティングに努めたそうでうね。皆さん関西弁はネイティブだったんですか?」

遠藤「僕は関西弁全然できないんで、ちょくちょくいじめられましたよ。ちょっと違うちょっと違うって。方言は苦労しました。」

木下「ご自身から『これでいいの?』って聞いてきてくれて。それはこっちもやりやすいし、嬉しいですね。皆難しいから逃げちゃうんですが。武田さんはほぼ完ぺきでした。」

武田「ほうかさんが携帯で録音して下さったので、毎晩寝る前にほうかさんの声を聴きながら…」

遠藤「ナンパぎりぎりだよね。プロデューサーじゃねえだろ!」

木下「そうやっても普通京都弁をできる人いないですよ!」

武田「ありがとうございます。」

榊監督「本で出せないなら映画にした方がいいと言った以上、素敵な俳優の先輩方をお呼びしてやりたいんですってまず遠藤さんと寺島進さんに直接お願いした後、ほうかさんにお願いして、『なら僕付き合うよ』と言って頂けて。キャストの皆さんにはそれを汲み取って頂けた。劇場を含め、いろいろ大変だったけれど、渋谷シネパレスさんが手を挙げて下さり、こうやって初日を迎えることができているんで、すごく感慨深いですよね。映画の力って偉大だなと思っています。本よりも。本は出せなくて、映画は公開できるんですから、(映画界は)まだいいだろうと思っています。」

木下「明日、京都・大阪・神戸をこのメンバーで回ります。僕は行ったり行かなかったり…いいパンフレットもできましたよね!」

司会「細かいことがたくさん書いてあるんですよ。過去どの作品に出ているかとか裏話とか。わかりやすい、読み応えのあるパンフレットなんで、ぜひお買い求め頂ければと思います。最後、代表して、榊監督と遠藤さん、一言ずつお挨拶をお願いします。」

榊監督「本日、こんなにたくさんの人に来ていただき、感無量です。2年半前に撮って、遅すぎ位の公開ですが、ようやく皆さんの志を掬い取って、いい映画ができました。皆さんのご協力で、こうやって皆さんの前に立てることを光栄に思います。本当に一般の方々にようやく見て頂けます。ぜひ見て楽しんで頂ければと思います。よろしくお願い致します。本日はありがとうございました。」

遠藤「今の言葉で十分です。本当に来て頂いて、感謝します。最後観終わった時、嫌な気分になるのか、よく頑張ったなって思うのかわかりませんけれど、全員で全力投球をしました。悔いがない作品です。短い時間ですけれど、楽しんでください。ありがとうございました!」