本日より全国順次ロードショーの映画『木屋町DARUMA』の初日舞台挨拶が、渋谷シネパレスにて行われました。

あまりに過激な内容がタブー視され、大手出版社が軒並み刊行を拒んだ丸野裕行の発禁小説を完全映画化。
裏社会でもがく男たちの生き様を、熱く深く描きあげた超問題作です。
主演は映画、ドラマ、舞台、そしてCMと多方面で活躍中の遠藤憲一。四肢のない役の今作では、表情やセリフ回しを通して宿命を背負って生きる哀しき男をみごとに演じきっています。仕事の手配から下の世話まで、勝浦の面倒を
見る坂本役に三浦誠己。時に激しくぶつかりながら、やがて勝浦にシンパシーを抱いてゆく青年ヤクザを好演。勝浦の弟分・古澤に木村祐一、取り立てに追いつめられる新井に寺島進、その娘で借金を背負わされ墜ちてゆく友里に
武田梨奈、金のためには手段を選ばぬ狡猾な闇金業者・金内に木下ほうかなど、個性派キャストが集結しました。

メガホンをとったのは『誘拐ラプソディー』で日本映画批評家大賞新人監督賞を受賞、『捨てがたき人々』では第9回KINOTAYO映画祭批評家賞を受賞、人間ドラマを撮り続ける映画監督で俳優の榊英雄。撮影は全編京都でのロケを敢行し、高瀬川をはじめ木屋町各地のロケーションがリアルなドラマを盛り上げます。頂上と底辺を味わった男が織り
なすヘビーな人間模様や葛藤に、誰もが魂を揺さぶられることでしょう。

10月3日(土)
登壇者:遠藤憲一、三浦誠己、武田梨奈、木下ほうか、榊英雄監督
会場:渋谷シネパレス

●登壇コメント:
司会「一言ずつお挨拶をお願いします。」

遠藤「こんなエグい、やばい映画、誰が観んのかと思ったら、こんなにいっぱいいらっしゃって、本当に感謝します。観終わった後、どんな気持ちになっちゃうかわかんないですけれど、一人ひとり、出演者もスタッフも、その場のエネルギーを傾けられるだけ傾けました。そのパワーは、圧倒的に自信を持っています。」

三浦「遠藤憲一さんにも引っ張り上げてもらって、そして榊英雄監督の愛情の中で、どうにか、魂を込めて演じられたように思います。映画界にきっちりと残る力強い映画になっています。」

武田「大先輩方に囲まれてすごく緊張していましたし、今も緊張している位なんですけれども、刺激しかなかった現場でした。」

木下「上映までに大変時間がかかった映画なので、今日ものすごく嬉しいです。お楽しみくださいませ。」

榊監督「今ほうかさんもおっしゃった通り、撮影から2年半かかりまして、色々ありましたけれど、この日を迎えられて嬉しいです。」

司会「上映前ですので、あまり内容に触れることはできませんが、可能な範囲でお話をお伺いしたいと思います。原作は丸野裕行さんの同名小説ですが、あまりにも過激で出版社が拒んだほどのこの作品について、なぜ敢えて映画にしようと思われたのでしょうか?」

榊監督「原作兼プロデューサー兼脚本家の丸野裕行さんと出会い、そういう本を書いたんですけれど、出せませんでしたと酒の場で話しました。その時『本出せなかったら、映画なら作れるんじゃないの?』と勢いでふっかけたんですね。それが3年位前ですかね。それで読ませてもらったものが面白いものだったし、画が浮かびました。設定とか題材とかおいておいても、男の話にあこがれがあるので、こういう哀しい男たちの話を撮りたいなと思ったのがきっかけです。」

司会「遠藤さん、四肢のない男の生き様を体現され、見事な熱演でした。その勝浦という男をどのように役作りされていったのでしょうか?」

遠藤「生まれて初めて観た映画が小学校の時の、『ジョニーは戦場へ行った』で、戦争で両手両足のない人の話だったので、それを観た時に、『映画ってすっごい怖いな』と怖いイメージがものすごくあって、まさかこういう役に巡り合うとは思わなかった。全身で演技するのが俳優なので、『こういう役です』と言われた時に、そぎ取った中で、心が一番勝負しなければいけないところだったので、試してみたくなりました。心全面で、どんな風になるのか。そういう意味では、貴重な体験を榊君から頂いて、チャレンジできたと思います。」

司会「チャレンジなさって、スムーズにできましたか?」

遠藤「いや、大変だった。もう少し動きたいなと思った。」

(会場爆笑)

遠藤「椅子に座っているか、動いても両手両足ないので。大きな予算がある映画じゃないので、CGも何カットって決められていたので、その辺の制約がいざやってみると大変な部分でした。」

司会「顔で相当演技していましたよ?」

遠藤「動かないと自然に出ちゃうんです。」

司会「三浦さんは、木村祐一さん演じる親分に命じられ、勝浦の面倒をみる坂本役ですが、とても思い入れがある役になったかと思いますが、改めて、坂本という人物についてどのように思われていますか?」

三浦「ヤクザらしからぬヤクザというか、葛藤の塊みたいな男だなと思うんですけれど、僕自身の今まで生きてきた人生の中で被るというか、僕と遠藤憲一さんの俳優としての先輩という部分と、ヤクザの先輩という部分と、四肢を拘束された男と四肢のない男とダブってきて、のめり込んでできたなという感じです。」

司会「撮影中はセッションはあったんですか?」

三浦「はい、ありました。上映前なので言えないのですが、遠藤さんに『もっとこい』と言われるシーンがありまして、言葉というよりも心と体で沢山のことを教えてくださっているなと。遠藤さん、愛してます!」

会場爆笑

遠藤「三浦君は、作品に入り込みすぎて、彼が運転して、僕が乗っていたんだけれど、撮影は終わったけれど、始まった地点まで帰らなきゃいけなかったんですよ。短気な役でもあるので、撮影でもなんでもないのに、運転しながら、『早く行けよ、こらぁっ!』って、日常からそういう人になっちゃいました。」