現在絶賛公開中の竹野内豊主演の映画『at Homeアットホーム』が、8月28日(金)、29日(土)にモントリオール世界映画祭 フォーカス・オン・ワールド・シネマ部門にてプレミア上映され、観客から、「ここ数年の日本映画で一番」との感想が出るなど、モントリオールの観客を魅了しました。上映後には蝶野博監督も登壇し、観客とのQ&Aも行われました。

■概要:モントリオール世界映画祭 フォーカス・オン・ワールド・シネマ部門
■場所:カナダ・モントリオール
■日時:8月28日(金)12:00〜、29日(土)18:30〜(現地時間)
■登壇者:蝶野博

現地時間8月28日(金)、29日(土)にモントリオール世界映画祭にて、映画『at Homeアットホーム』のプレミアム上映が行われた。日本人キャストを知らない観客がほとんどだったにも関わらず、開場前から行列ができ、前日の評判の良さから2日目にはソールドアウト(当日の上映作品58作品中2作だけ)が出るほどの盛況ぶりだった。
会場では、松雪泰子演じる詐欺師の母親が娘にファッションチェックをさせるシーン、ウーマンラッシュアワー村本との食事シーンなどで笑いが起こる一幕も。

上映後には監督・蝶野博が登壇し、疑似家族という本作で描かれた社会的なテーマに関心を寄せる観客から多くの質問が寄せられた。

ストーリーについて蝶野は「社会問題よりも、家族の再生に焦点を置いた」とはなし、「本田孝好さんの短編小説を基にしながら、実際に日本で起きている児童虐待、DVなどの社会問題をヒントに構成した。制作にあたってDVの被害者を保護するシェルターにも取材を行った。日本には恥の文化、といいますか、あまり身内のことを外で話さなかったり、隠す傾向がある。この映画をきっかけにもう一度家族との関係を見つめなおしてほしい」との想いを語った。

本上映でも評判の良かったキャストの選定ついては、「竹野内豊は従来演じてきた“イイ男”ではない役柄を演じてもらいたかったし、松雪泰子はずっとご一緒したいと思っていた。本作が2作目にあたる長男(坂口健太郎)と長女(黒島結菜)は自然な芝居ができるところが良かった。次男(池田優斗)はオーディションで出会い、この子だと感じた」と明かした。

来場したモントリオール在中の日本人や、海外の映画関係者などは、本作に登場している芸人(村本大輔、千原せいじ、板尾創路ら)のことは知らなかったため、「どの役の人が、本業がコメディアンの人なのか?」など、他の共演者にも引けを取らないその自然な演技力も高く評価された。

観客からは「ここ数年の日本映画で1番」「とても美しい映画」などの感想が寄せられたが、「映画祭以外で日本の映画を見る機会が少ない」という意見も上がり、海外市場における日本映画への期待と需要の高さもうかがえた。

本作は、「真夜中の5分前」「ストレイヤーズ・クロニクル」と映画化が相次ぐ人気作家、本多孝好の傑作小説を映画化。空き巣の和彦(竹野内豊)との偶然の出会いから「他人同士で家族になること」を選び、犯罪で生計を立てている森山家が自分たちの幸せを守るために奮闘する姿を描いた感動作。