世界中のクリエイターたちを魅了し続ける押井守監督の最新作『東京無国籍少女』が本日7月25日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショーとなります。この度、公開初日を記念して、本作で世界進出も噂されるほどの本格的なアクションを披露し、話題となっている清野菜名。そして、本作で主人公・藍をいじめる女子高校生を演じた田中日奈子、吉永アユリ、花影香音及び監督総勢5名によりますトークイベントを実施いたしました。

 ラスト15分で衝撃の結末を迎える本作。舞台挨拶でも、その結末は誰も予想できないサプライズな展開が。

【日 時】 7月25日(土)
【場 所】 新宿バルト9 SCREEN8
【登壇者】 清野菜名、田中日奈子、吉永アユリ、花影香音、押井守 (敬称略)

≪初日舞台挨拶トークイベントレポート≫

本日より公開となった押井守監督の最新作『東京無国籍少女』の初日舞台挨拶が新宿バルト9にて行われ、主演を務める清野菜名、劇中の制服を身にまとった、田中日奈子、吉永アユリ、花影香音、そして、押井守監督が登壇した。
早朝の上映にもかかわらず、満席となったバルト9のスクリーン8、キャストの登場とともに拍手と歓声があがり、大熱狂の中、キャストの挨拶で舞台挨拶が開始。

MC: みなさま、ご挨拶をお願いします。

清野: 清野菜名です。今回、この「東京無国籍少女」で初めての主演を務めさせていただきました。初めての主演とのことで、自分の中でプレッシャーや不安がありましたが、監督やスタッフのみなさん、キャストのみなさんに支えられて最後まで藍(アイ)役を演じきることができました。ありがとうございました。

田中: 沙羅(サラ)役を演じさせていただきました。田中日奈子です。私が演じた役は、私の中では難しい役でしたが、最後まで演じきることができ、本日を迎えることができましたので本当に嬉しく思っております。最後までお楽しみください。

吉永: 清野さんをいじめる優里(ユリ)役を演じました吉永アユリです。現役の高校3年生ですが、高校生らしく、女子高生を演じることができました。

花影: 莉奈(リナ)役を演じました花影香音です。お芝居を楽しみながら演じることができました。沖縄出身なのでスクリーンで映る自分をみてすごく黒いなと思いました。(笑)今日はよろしくお願いいたします。

押井監督: お暑い中どうも。こうして並んでみると未だに違和感がありますね。なんの映画撮ったんだっけ(笑)。前半を耐えることができれば面白くなる映画です。(場内大爆笑)ちょっと正直に前半で落ちちゃったという方いらっしゃいますか?落ちてもかまいませんので。(笑)そういう映画になっています。後半は満足いただけましたでしょうか?(場内に拍手が)今日はよろしくお願いします。

MC: キャストのみなさん、押井監督の撮影現場に入った時の印象について?

清野: 最初に台本をもらった時は内容が薄く、その時点で不安でした。監督より現場でいろいろ付け出していくからと言われてもっと不安になり(笑)、クランクインの日は不安で仕方ありませんでした。

田中: (台本に)セリフよりも、説明が多かったので不安でした。

MC: 最初の印象は、まとめると「不安」ということですね。(キャストみなさん、大爆笑)

花影: 最初は、何を考えて、何を求めていらっしゃるのがよくわからなくて不安でしたが、実際現場では本当にお優しい方で、そばに来ていろいろ演技指導をしてくださって、不安でしたが、すごく楽しい現場でした。

清野: 第一印象ですが「声が小さい」。現場に入ったらマスク姿で、いままでは監督の口元をみて言葉を照らし合わせましたが、さらにわからなくなって「もう一回お願いします」の繰り返しでした。(笑)でも、わからないことがあったら、自分が納得するまで丁寧に説明してくださったので、納得してから演技をする楽しみを存分味わいました。

押井監督: そんな声が小さかったっけ(笑)。でも、段々聞いてくると距離が縮まってくるからそれはよかったです。あと、「不安」というのは、悪くない。不安な世界を描いているので。実は、撮る側でも不安はあるので「この子たちと何を言えばいいだろう、果たして共通の言葉はあるんだろう」など、冗談を言っているけど全然受けないし。(笑)現場でよく冗談と指導の区別がつけないと苦情を聞いたことはあるけど、楽しい現場をつくりたいので怒鳴ったり、デカイ声を出すのは絶対禁止。それは、スタッフさんにもお願いしました。現場が緊張するのは嫌だったので。できるだけナチュラルに演技してほしかった。今回は女の子だらけだったから。意外だったのは、20〜30人くらいエキストラの女子高生たちがとにかくうるさくて(笑)リアルな女子高生の世界で、いままでおっさんかおばあさんしか付き合ってこなかったので、大変なこと始めたなと最初は思いました。数日間で慣れていくのかなと思いきや、最後までわからなかった。何をやっても面白いとキャーキャーしていたので(笑)。そういうところで結構緊張してました。

MC: 押井監督にとって初めての試みが多かった作品ですが、

押井監督: いままでやったことないことをやるために企画してました。アニメ、実写問わず、必ず暴力は出てくるが、生涯暴力に特化した監督になろうとしたつもりでしたが、意外にやっていないことがいっぱいあって。刃物で刺すとか、血が飛び散るとか。血が苦手で蚊に刺されても大騒ぎする人なので(笑)。でも、やっている間はネジが外れて一旦始めてみると止まらなくなっちゃて、やってみると意外と楽しかった。これからやって行こうかなと思いました。30年以上監督やっていて、やはり、やり残している部分があったので、今回女子校の話でもあるし、思いっきりやろうと思いました。

MC: 清野さん、初主演になったことでいままで変わったことは?

清野: 監督と二人で役について細かいことまで感情を確認しあったりなど、コミュニケーションをじっくりとったことは、主演ならではの特権でした。なので、ひとつひとつ自分で理解した上でできた役でしたので、すごく自信をもって挑むことができました。

MC: 清野さんのアクションシーンの撮影期間が短かったと伺っておりますが?

清野: 3日間のアクションでした。実質は2日間でした。1日目はどれくらいアクションができるのかを確認し、残りの2日間で銃を持ったり、立ち回りを全部覚えたりする、いままで一番ハードなアクションシーンでした。アクションは、自分でもびっくりしました。自分が言うのもあれですが「カッコイイ」と思いました(笑)。

花影: 衝撃がすごかったです。清野さんが自分の目標です。本当に刺激をもらいました。

MC: 改めて、キャストのみなさんについては?

監督: 清野さんなしではできなかった作品でした。今回アクションは絶対できると思ったから、セリフのないシーンが一番緊張していました。セリフのないシーンがどれだけ成立できるのかが一番不安だったが、結果的にはとてもよかった。
役者さんはどうしてもセリフをたくさん欲しがるけど、セリフのないお芝居が大事だと思っているので。気になったことはAK(銃)を構えたときに立ち姿で、ある程度歳をとった人はオーラが馴染みでるけど、それが最初からあったからよかった。
3人は、名前と顔を覚えるのに必死だった(笑)。撮影中は向き合わなきゃいけないので、役名で名前を呼んだりしてました。

ここで、監督からキャストのみなさんにサプライズ!花束贈呈が始まる。スキンヘッドのスタッフがセグウェイに乗り、花束を運ぶ。キャスト全員が声をあげ、清野さんは興奮気味でずっと欲しがっていたセグウェイだと一言。MCより、実は、このセグウェイが清野さんへのサプライズプレゼントと伝えると「うそ!」を連発。
まるで卒業式のような風景で先生になったかのうような押井監督が丁寧に花束を手渡す。キャストのみなさんの笑顔で観客のみなさんも親になった気持ちで微笑む。

MC: (押井監督から)清野さんに一言をお願いいたします。

押井監督: 初めて主演をやらせた人には責任を感じますので、人生変えてしまったというか。一生つきまとうので「また、やりましょう。」
清野:撮影をしながら、監督の魅力に引き込まれて、この作品が終わっても、また、別の作品でご一緒したいと思いました。これからもよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

ここで、サプライズプレゼントのセグウェイを手渡すと、

清野:「いっぱい、乗ります!」
と大喜び。

MC: 最後に一言お願いします。
この映画は私にとってとても大切な宝物です。みなさんの心にも一生残り続けていく映画になるのを願ってます。本日はお忙しい中、ありがとうございました。