映画『リアル鬼ごっこ』が7月11日より全国公開中です。
7月16日から韓国で開幕した「第19回プチョン国際ファンタスティック映画祭」で、園子温監督作品の特別上映が行われる中、7月22日(水)に『リアル鬼ごっこ』上映後、園子温監督が登壇しました。

韓国におけるアニメやゲーム、映画といった映像文化産業のメッカと言われる富川(プチョン)市で毎年7月に開催される映画祭「プチョン国際ファンタスティック映画祭」。ホラー、ファンタジー、SF、スリラーなど幅広いジャンル系映画を上映しており、本年で19回目を迎え、7/16(木)〜7/26(日)にて開催中です。

今回園監督作品で特別上映されたのは、『自殺サークル』『紀子の食卓』『愛のむきだし』『恋の罪』『ヒミズ』『地獄でなぜ悪い?』、さらに現在、日本で絶賛公開中の『ラブ&ピース』『リアル鬼ごっこ』8作品。『リアル鬼ごっこ』公式上映が行われた約400席もあるBucheon City Hallの会場は満席。多くの監督作品で国際映画祭の映画賞を受賞し、世界中から圧倒的な高評価を得る映画監督だけあり、人気の高さが伺えました。

上映後、園監督と映画祭のプログラマーとのトークが行われ、詩人からスタートし、映画を撮り始めるまでの時代から現在に至るまで、映画観や過去の主要作品のテーマなど、幅広く話が展開。「本当を言うと、血や暴力は大嫌い」と園監督が語ると観客が大爆笑。「『自殺サークル』や本作では、少女たちが傷つき、混乱している一つの表現として、血まみれや死のシーンを使っている」と園流の表現方法だと説明。「次から次へとタッチ(表現方法)を変えているピカソのスタイルが好き。この前と180度違うものを作りたいし、常に実験的でありたいと思っている。自分のスタイルをまだ決める気がないし、まだそこまで到達していない。次から次へとスタイルを変えるのは、ある意味、自分からの脱走であり、今後、自分の撮りたいものを見つけて行きたい」と、まだまだ尽きない映画への野心を露わにしました。「今後キャスティングしたい女優さんは?」という観客からの質問に対し、「今回、トリンドルさんが凄い良かったので、今度は彼女で吸血鬼を取りたい」とコメントするとまたも笑いが。真剣ながらもユーモアたっぷりに話す園監督のトークは1時間を超え、大盛り上がりで舞台挨拶は終了しました。

「園監督は独自の世界観を確立されており、アジアのクエンティン・タランティーノ」「女子高生が総出演の本作は、「自殺サークル」以来の衝撃作」「園監督はいつもどんな映画を作るのか予想がつかず、本作も最後まで想像がつかない展開に圧倒された」と絶賛の声があがっています。

さらに、今年10月に開かれるシッチェス国際映画祭への出品も決定!「Time Machine Award」を受賞し、園監督が参加いたします。同賞はこれまで、サム・ライミやタランティーノ、クローネンバーグらが受賞しており、本作でより一層世界的評価が高まっております。