映画『ラブ&ピース』長谷川、園作品主演に「感無量」園子温監督、長谷川博己、麻生久美子、西田敏行、マキタスポーツ登壇
園子温監督の最新作『ラブ&ピース』、怪獣特撮映画の要素を取り入れながらも「愛」をテーマに描いた感動作が本日より公開中です。『ヒミズ』『冷たい熱帯魚』などヴェネチア映画祭ほか海外映画祭で高い評価を受け続ける園子温監督が、第59回ベルリン国際映画祭カリガリ賞・国際批評家連盟賞を受賞した『愛のむきだし』以来に直球に愛を描いた、待望のオリジナル作品。怪獣映画でありながら、感動と涙が待ち受ける、「魂の集大成」の感動のラブストーリー。この度、キャスト、監督による初日舞台挨拶を執り行いました。
開催『ラブ&ピース』初日舞台挨拶イベント
■日時:6月27日(土)
■場所/TOHOシネマズ新宿 スクリーン9
■登壇者/登壇者:園子温(監督)、長谷川博己、麻生久美子、マキタスポーツ/西田敏行
いよいよ初日を迎えたこの日、園子温監督、主演を務めた長谷川博己(鈴木良一役)、麻生久美子(寺島裕子役)、西田敏行(謎の老人役)、マキタスポーツ(鈴木良一の上司役)の5名が勢ぞろい。
劇中で共演した、カメのラブちゃんのぬいぐるみを抱えて登壇した長谷川は、満席の客席を見渡しながら「遂に初日を迎えられてうれしい。興奮しています」とあいさつ。麻生は「今までで一番地味な役をやらせてもらって、撮影中も新しい発見もあって勉強になった。子どもに見せたくなるような映画」とコメント、マキタスポーツも「園さんのすごい作品に関わらせていただいて幸せな気分」と心境を語った。また、西田からの「園監督の大直球の愛をうけとめてくれましたか?」の問いかけに会場からは大きな拍手が起こった。園は「25年前に書いていた僕の台本がみなさんの前でようやくお披露目できてうれしい」と初日を迎えた喜びを語った。
園は主演の長谷川について「とにかくすごいカメレオン役者。いろんな演技ができて振り幅がひろい。この演技に適しているんじゃないかと思った」と称えつつ、「でもギターも歌もできないと後で知って、できる人にするべきだったかな?と思った」とおどけると、長谷川も「なんとか練習して(ギターと歌を)やるしかないと思ったけど、園さんが曲をなかなか作ってくれないから何度も家に押しかけました!」と続けた。ヒロインを演じた麻生については「昔から一緒に映画をやりたい女優さんだった」としながら、「元が美人だし色っぽいから、地味で目立たない役を相当がんばってもらいました。すぐ笑う人なんで、『絶対笑うな』と厳しく指導しました」と撮影時を振り返った。
また、謎の老人役の西田については「この役は西田さんしかいないと、昔忌野清志郎にオファーしたみたいにダメ元でお願いしてみた。そしたら快諾のお返事がきて。西田さんが来てくれたおかげですごくよくなった」と絶賛。西田は「ハリウッドとかイタリア映画とか、いろいろオファーが来ていたんですけれど、福島出身なので『希望の国』という映画を観て、園監督に恩義というか義理を感じた。これは何かの形で返さねば、とハリウッドを断って受けました。その作品は渡辺謙が行きました」とジョーク交じりに答えると、会場は大爆笑。
本作で、長谷川演じる鈴木良一と運命的な出会いをしたミドリガメのラブちゃんが鈴木の願いを叶えようとしてくれることから、<どんな願いを叶えてほしい?>との質問が。長谷川は「優等生的な言葉になっちゃいますけど、世界平和ですね」とコメント。去年の12月に双子が生まれたというマキタスポーツは、「ラブちゃんに子育てを手伝ってほしい」と述べた。
また、本作が感動のラブストーリーであることにちなみ、それぞれが<愛とは何か>を直筆のボードで発表。長谷川が<全てさ。>と発表すると、園がすかさず「かっこつけてる!」とヤジを飛ばすも「ビートルズの“All You Need Is Love”が浮かんだんです。とにかく自分自身でいればいいんだ、愛がすべてなんだ」と長谷川なりの愛を表現した。続いて麻生は<与え続けるもの>と発表。親の立場で「愛に関しては見返りがなくても一方通行でもいいかなと思っています」と述べた。園は<子どもと動物>とし、「台本やシナリオを書いていて疲れたらいつも動物園で癒されている」と語りつつ、「実はあのカメちゃんは今みんなで育てていて、次の映画にも出ているんですよ。もう園組と言っていいですね」とカメのラブちゃんが園作品の新たなメンバー入りを果たしたことを明かした。
本作について長谷川は「撮影に入ってもう1年半以上が経って、ようやく公開されて感無量というか」と心境を明かしつつ、「本当にいろんな受け取り方ができると思っています。こういう作品が作れる状況というのは稀有。その作品に主演でやらせてもらったのは本当にうれしいことで、園さん、ありがとうございます」と改めて園への感謝をつづった。園も「長谷川くんと全く同じです。この映画のために人生のピースを削って見に来てくれて感謝の極みです。まだ見てない人も、家族団らんで観に来られる安心な映画です」とアピール。
最後は長谷川が「いろんな人たちに見てもらえたら。尊敬するキャストやスタッフの方々とやりました。『ラブ&ピース』をもってこれからもいきたいなと思います」と語り、ラブちゃんのぬいぐるみとともに、会場に向かって深くお辞儀をし、本作をアピールした。作品上映後には観客による拍手が沸き起こり、また舞台挨拶中も監督、キャストの抜群のチーム感を見せつけるなど、終始温かな笑いと感動ムードに包まれた舞台挨拶となった。