パックマンやインベーダーなど日本発の80年代ゲームキャラクターが地球を侵略、迎え打つのは当時のゲームチャンピオンで今はちょっと残念なオヤジたち、という奇想天外なSFアドベンチャー映画『ピクセル』の記者会見が、このほどメキシコ カンクンで開催された「Summer of Sony Pictures Entertainment 2015」で行われました。会見には監督のクリス・コロンバス、主演のアダム・サンドラーほかピーター・ディンクレイジ、ミシェル・モナハン、ケヴィン・ジェームズ、ジョシュ・ギャッドが出席しました。

 『ハリー・ポッター』シリーズや『ナイト・ミュージアム』シリーズなど特殊効果を駆使した大作で世界的大ヒットを飛ばしてきたコロンバス監督は、会見冒頭で『ピクセル』に魅了された過程と理由を語りました。「アダムから脚本をもらった時は、『どんなもんだろう?』ぐらいにしか思っていなくて、サンフランシスコへ帰る飛行機の中で初めて読み出したら、ここ5年に読んだ脚本のなかで最高にオリジナリティあふれる脚本だと確信したよ。これは、続編ヒーローものが多い夏の大作としては絶対一線を画するユニークな作品になるってね」と、全米公開前に早くも勝利宣言。6歳と9歳の子供がいるサンドラーも「子供たちも友達もみなパックマン、ドンキーコングを知っているんだ。ゲームセンターに行って遊んだ世代も、その子供の世代も両方にウケる映画なんだ」とその自信を語りました。
 実際に好きなゲームについての質問にサンドラーは「全部やったけど僕のベストはギャラクシアンだね。親の目を盗んでありったけの25セント硬貨をつぎ込んだよ。ちゃんと僕のハイスコアは残ってるはずさ」、監督は「僕はパックマンだ。ハイスコアを残せるほどうまくなかったけどね」、モナハンは「私もパックマンよ。すごくうまかったのよ。スコアも記録されたし。もっとも私の育ったのは人口700人しかいない小さな町だったけど」、ギャッドは「キャンディクラッシュのような新しいものもいいけど、やっぱりパックマンやテトリスのような古いものが好きかな」と、それぞれ楽しそうに答えてくれました。

 また、パックマン(バンダイナムコ)、ドンキーコング(任天堂)、スペースインベーダー(タイトー)など異なるメーカーのキャラクター使用について監督は「驚いたことに僕に脚本をくれたとき、アダムはすでにパックマン、センチピード、ドンキーコングなどいくつかの権利を取ってくれていたんだ。もっとほかのキャラクターの権利も取得したけど、それはサプライズのためにここでは言わないことにするよ。いろいろなビジュアルコンセプトを見せて何度もミーティングを重ねて納得してもらったんだ。どこの会社も自分たちのキャラクターをとても大切にしている。だから僕たちも敬意をもって製作に臨まなければならないと思った」と、ゲームメーカーとの信頼関係が最終的完成をもたらしたことを明らかにしました。