1974年、当時世界一の高さを誇ったワールド・トレード・センター、NYにそびえ立つ摩天楼の中でも王者と呼ぶにふさわしい荘厳なツインのタワー。この間をワイヤーロープ一本でつなぎ、高さ411m 地上110階の道なき空間に足を踏み入れて命綱なしの空中闊歩に挑んだ実在の人物フィリップ・プティ。フランスからニューヨークに渡り、誰もが思いつかなかった冒険に挑戦した男。その暴挙は芸術か、犯罪か。この伝説の男プティ役を『インセプション』で注目された若手実力派俳優、ジョセフ・ゴードン=レヴィットが演じ、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』そして『フォレスト・ガンプ/一期一会』『キャスト・アウェイ』など常に新しい映像魔術で観客を魅了し続けてきたロバート・ゼメキス監督で描く最新作『ザ・ウォーク』が、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給にて、2016年1月23日(土)より全国ロードショーとなります。

この度、メキシコカンクンで開催された「Summer of Sony Pictures Entertainment 2015」におきまして、6月15日(現地時間)に記者会見がわれました。

会見には主演のレヴィットのほかに、彼の指導役であるベン・キングズレー、彼のガールフレンドを演じるシャルロット・ルボンが出席、ゼメキス監督はスカイプで参加しました。

ゼメキス監督は「2006年から企画を練り始めていた。実際に高位のワイヤー上で歩くというのはどういう感じなんだろう?普通、人は見上げるだけだけれど、 彼が感じていた経験をリアルに映像にするというのは、今まで誰もしたことがないと思ったんだ。フィリップには徹底的に協力してもらった。そして地上411mを感じるため、リアリティーある映像が完成した。当時の写真を3D化し、高さ、深さ、質感、空気感といったものにこだわって、いままで駆使してきた映像技術のをすべて使った本作は、私にとっては集大成的作品といえる」と自信のほどを語りました。
主演のレヴィットは、現在もNYに在住しているフィリップ本人から特訓を受けたことを明かしました。「ワイヤーを倉庫にセッティングして練習したんだ。足がすごく痛かった。『8日目には歩けるようになる』と言われて本当に8日目には出来るようになった」とスタントマンはほとんど使用していないと語りました。また『バック・トゥ・ザ・フューチャー』から『フライト』までゼメキス監督のファンであり、自身も『ドン・ジョン』で監督経験のあるレヴィットは、監督としての演出技術もゼメキスから学んだと、尊敬する大先輩との仕事の喜びも語りました。
不可能にも思えるこの男の壮大な挑戦は紛れもない実話ですが、ゼメキスはプティについて「アーティストであると同時に偉大な犯罪者かもしれない。映像が残っていないので作り話めいてもいるが、彼の想いは夢を追う誰でもが共感できるものだと思う」と語りました。

またゼメキスが『3Dでなくてはならない』と語った映像に関してはレヴィット、キングズレー、ルボンが口を揃えて『下を見下ろす映像には足がすくむ』『ボールが飛んできたらしゃがみたくなる』とそのリアルさを驚きの想いで語り、誰もが<100%未体験>の映像体験になることを強調しました。