5月23日(土)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか絶賛公開中の『サンドラの週末』。主演のマリオン・コティヤールが第87回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた本作は、カンヌ国際映画祭にて2度のパルムドール大賞を含む5作品連続主要賞6賞受賞を誇る巨匠、ダルデンヌ兄弟監督の最新作です。

このたび公開を記念し、6/7(日)にヒューマントラストシネマ有楽町にて上映終了後に樋口毅宏さん(作家)、松江哲明(映画監督)さんによるトークイベントを開催しました。二人は「これまでのダルデンヌ兄弟監督作品の中で『サンドラの週末』が圧倒的に一番!」と太鼓判!

映画の感想を「ロードムービーや謎解きものではなく、ひとりの主人公が色んな人に会いに行くという構造、ストーリーが面白かった。
今、社会情勢的にもどんどん不安になっていて、重ねて観てしまう。」と樋口さんが語ると、松江哲明さんは、「今の社会に対する怒りとか、ものすごく自分に近い話。全然違う世界を知ることじゃなくて、遠いけれど自分と近いものがあるって知れるのが外国映画を観る喜びなんだと気づいた。そこにすごく驚きました。映画にはそういう力がある。世の中を二つのことで済ませようとする、二元論で語る人が多いけど、この映画が本当に素晴らしいのは、サンドラが二択を迫られて、最終的にそのどちらでもない答えを見つけるところ。ニュースに不安を感じる人にとって力をもらえる映画だと思う。僕もサンドラに大丈夫って教わったような気がしました。」と語った。

「この映画の構造は、上の人間たちが、下の人間たちをいがみ合わせて、戦わせて、排除させるという、社会のいたるところにみられること。
この映画は実は、銃弾の飛び交わない、『仁義なき戦い』なんですよ!だからシリーズ化した方がいいです!次は、「サンドラの週末広島死闘篇」ですね。
そういう気持ちで観ていると、だんだん主演のマリオン・コティヤールさんが菅原文太さんに見えてきますから。」という樋口さんの独自の見解には、観客も爆笑!
「広島死闘篇の妄想が止まらない」というツイートも!初めてとは思えない二人の楽しげなやりとりに会場からは終始笑い声が起こり、盛り上がっていました。