■コミカルな部分だけではなくパロディ要素も満載
ゾンビ映画が存在済の世界観は楽しい。良い意味で意気込みが感じられる。(高橋)
スリングショットでのゾンビ退治に衝撃。シリアスとコメディの緩急が見ていて飽きさせない、最大の個性(吉田)
“裏”ウォーキング・デッド、と言えるのかも?変わり種ゾンビを出す攻めの姿勢がいい(伊東)

伊東:アサイラム作品の中でも「Z ネーション」は好きだな。真面目なところとバカげたところが両方収まっていて面白い。
吉田:パロディ要素も豊富。『オール・ユー・ニード・イズ・キル』や『ターミネーター2』から頂戴したシーンなど(笑)。
伊東:「ウォーキング・デッド」のパロディもあったよね。ハモンド中尉のセリフに刑務所に籠城した元警官の話がでてくる。
高橋:そういうのってここ最近だと珍しいよね。ゾンビ映画に登場する人物はゾンビ映画を観たことがない、という設定が普通だけど、今回は「ロメロ映画と一緒だぜ」って説明も入り、良い意味で意気込みが感じられる。
吉田:医者扱いなドクなんて「ER 緊急救命室」ファンでずっと観てたから医療の知識を覚えたという無茶苦茶な設定!
伊東:根拠ない!(笑)
吉田:そうそう!出落ち感で笑いを味わせてくれる。キャラクターには一応個性をつけているんだけど、程良く感情移入させるか、させないかのギリギリのラインで人物像が作られているところが、「ウォーキング・デッド」とは対局的な魅力。
高橋:ゆっくり進んでいく「ウォーキング・デッド」と違って、展開が早いから確かに対局だよなぁ。
吉田:「Z ネーション」で衝撃だったのは、スナイパーを担当する 10K(テンケイ)というキャラクターが、日本ではゴム管製パチンコと呼ばれているスリングショットで音なく殺すサイレントキルは新しいなって思った。
伊東:ゴルフボール使ったりもね。
高橋:ゲーム『デッドライジング』の影響じゃないの?
吉田:やっぱり随分影響受けてるようで、後半にいくと『デッドライジング3』をプレイしている映像が出てくるし、作り手の世代が今で言うところのゲーム世代。
『悪魔のいけにえ2』のビル・モーズリィ演じる将軍や、『トップガン』のケリー・マクギリスが女子供だけのユートピアを作っていたりと、狂ったサイコパスが多いのはゲーム『デッドライジング』シリーズの影響らしいよ。
伊東:変わったところでは赤ちゃんゾンビも第1話から出し惜しみなく登場させちゃう。
死んだふりゾンビもそうだし、変わり種ゾンビをバンバン出してくる攻めの姿勢は良い!
吉田:ゾンビ対抗薬の血清が作れるかもしれないということでマーフィーをカリフォルニアへ連れて行くのが目的の分かりやすいドラマなんだけど…そのために数多くの犠牲者が仲間から…。
伊東:まさにゲームの『ラスト・オブ・アス』に似ているよね。
高橋:そうそう。そっくり!
吉田:製作陣がビデオゲーム世代だからだろうね。色んなオタク的要素があるのはドラマを作ってる会社がアサイラムだからでしょう。『メガシャーク』とか筆頭に無茶苦茶なパロディ作品を作ってからね(笑)。それが今回 SyFy チャンネルへアサイラムのゾンビ好きな連中が持ち込み企画で売り込んで成功した良い例。で、視聴率が良かったから晴れて13 話まで作れたんだよ。テンポも良く常に躍動感があるから面白くないはずがない。
伊東:ギャグも多いし比較されがちな「ウォーキング・デッド」とは似て非なるものだしね。“裏ウォーキング・デッド”なのかも。
高橋:住み分けできていて良いと思う。
吉田:結論として、似てるようで似てないところが「Z ネーション」の魅力であるし、「ウォーキング・デッド」とは違ってシリアス7割、コメディ3割と緩急があるから見ていて飽きないような作りに仕上げているのが本作最大の個性なのかな。

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全 13 話/各話約 43 分/公式サイト http://www.znation.jp
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