原作は、昭和52年から約30年におよび小学校5年生の教科書に掲載される不朽の名作。

戦争の中、貧しいながらも懸命に育て上げた7人の子供たちを次々と兵隊にとられ、そのたびに子供の数だけ桐の木を植え、無事に生きて帰るのを待つ…そんな強く優しい母親・田村ミツを鈴木京香が演じます。

共演に、田村家の次男、二郎:三浦貴大や、ミツの夫の同僚で、夫の亡き後も田村家を見守り続ける昌平:田辺誠一、その娘サユリ:志田未来らが名を連ね、いつの時代も決して変わることのない人々の繋がりや、“母と子の情愛”を描きます。

舞台挨拶には田辺誠一もかけつけ、理想の“母親像”など、現場の思い出話に花を咲かせました。

<舞台挨拶>
場所:丸の内TOEI①  時間:18:30〜19:00
登壇者:鈴木京香、三浦貴大、田辺誠一、
細山田隆人、大鶴佐助、大橋昌広、石井貴就、安藤瑠一、西山潤、
永峯海大、溝口太陽、工藤大空飛、阿部大輝、高木煌大、加藤瑛斗、戸塚世那、磯村一路(監督)

本編上映前の会場に、鈴木京香、三浦貴大、田辺誠一、磯村監督の4名が登壇し、
盛大な拍手で迎えられました。本作に対する想いや撮影現場でのエピソードなどに花を咲かせ、
これから鑑賞するお客さんの期待感を膨らませました。また、フォトセッションでは
鈴木京香演じるミツの7人の息子たち、青年期と幼少期の役の計13人も駆けつけ、
自由奔放に振る舞う末っ子・六郎役の加藤瑛斗くんに会場のお客さんもメロメロに。
大盛り上がりの舞台挨拶となりました。

MC:それでは、お1人ずつ完成披露を迎え、お客様を前にしたお気持ちと共に
ご挨拶をお願い致します。

鈴木:冬の間に監督を先頭に、子どもたちやスタッフとともに頑張って取り組んだ作品です。
ようやく観ていただけてうれしいです。悲しい話ですが、素敵なお話です。
母の強い愛と子どもたちからの愛と、愛に満ちた作品です。

三浦:戦争映画ではありますが、家族の話だと思います。観た人が家族に想いを馳せて
楽しんでいただけたらと思います。

田辺:台本を読んだとき、こういう厳しい時代でも、家族を思う気持ち・温度は不変的だと感じました。
観ていただいて、どんな感想を持ってもらえるか楽しみです。

磯村:映画館は笑いと涙が伝播しやすい場所です。涙もろい方だけが頼りです。笑えるシーンもあります。
隣りの方にも伝わるよう、リラックスして観てください!

MC:次々に我が子を戦争に取られていく母の 怒り、無念、そして哀しみが表情だけで切々と伝わりました。
実際に演じられて、これは大変だったのではないでしょうか。

鈴木:気持ちを押し殺すというのがとても大変でした。自分ではこの時代で生活できないだろうとも思いましたね。
ですが、送り出すときの息子たちを前にしたら、自然とそういう気持ちになりました。7人の息子それぞれを
送り出すときの7通りの悲しみの表現が難しいと思いつつも息子たちのおかげで自然にできたと思います。

MC:京香さんとの共演は本作が初めてだったかと思いますが、三浦さんからみて、
京香さんが演じるミツはいかがでしたか?

三浦:出征する人はどういう気持ちなのか、といろいろ考えましたが、いざお母さんを前にすると
こういう気持ちかと自然にできました。お母さんが京香さんでよかったです!(京香さん「ありがとうございます!」)

MC:昌平は、いつもそばで温かく田村家を見守る存在でした。
田辺さんは、“母と子”の愛情を描いた本作をご覧になって、どのように感じられましたか?

田辺:京香さんの“お母さん像”は、言葉ではうまく言い表せないのですが、
日本人が誰でもDNA的に一致して持っている“お母さん像”のように感じます。
この時代はコミュニティで、自分の子どもだけでなく近所の子どもたちも見守っているんですよね。
世代としては私の祖父ぐらいの世代で、ちょうど6人兄弟だったらしいので、
それをイメージしながら演じさせていただきました。

MC:京香さんは、先日まで各地の小学校で読み聞かせを行っていらっしゃいましたが、
全国の子供たちと直接触れ合ってみて、いかがでしたか?

鈴木:真剣に聞いてくれて、質問の場では「台詞を覚えるのは大変ですか?」
「京香さんにとって平和ってなんですか?」など聞かれました。平和の大切さを
考えるきっかけになってくれたんだと貴重な体験でした。

MC:監督も一緒に各地へ行かれたと伺いました。みなさんの反応はいかがでしたか?

磯村:真剣に話に聞き惚れていましたね。小学生のときに
こんなキレイな先生(京香さん)がいてくれたら、よかったですよね(笑)

MC:観客のみなさんに、これからどんな気持ちで観ていただきたいですか?

三浦:自由に感じていただくのが一番だと思いますが、自分の家族に重ね合わせて
観ていただくと、より一層いろいろなことを感じていただけると思います。

田辺:いろんな感情を持って帰っていただければと思います。やるせなさ、悔しさなど
ある時代のある人の体温をぜひ持って帰ってください。

鈴木:当たり前の毎日が幸せだと気付くきっかけになってくれたら、と思います。
平和を望んでも得られなかった人々に敬意を表して、一生懸命演じさせていただきました。

MC:今回、「おかあさんの木」という、ミツにとってかけがえのない存在が
そのままタイトルになっていますが、みなさんにとってかけがえのないものとは、なんでしょうか。

三浦:「自分」ですね。自分を大切にしないと家族も大切にできないですし、生きている実感がわかないと思います。

田辺:「自由な感覚」ですね。子どものときに「これをやれ、これをやるな」と言われたことがなく、
青春時代を思い返すと、自由な発想・行動こそが大切だと思います。

鈴木:「希望」です。それさえなくさなければ、つらいときも耐えられる気がします。

磯村:今は、「おかあさんの木」を観にきてくださった観客のみなさんです!
みなさんがいないと、私の次がありません(笑)
ぜひ本作の息子たち7人にひっかけて、おひとりにつき7人におすすめください。