十三・シアターセブンにて5/16(土)から5/22(金)の予定で、バカ映画オムニバス『フールジャパン ABC・オブ・鉄ドン』の上映が行われている。
5/16の初日舞台挨拶の様子を紹介したい。

26本のバカ映画の上映後、登壇したのは製作総指揮の星野零式さん他、監督・出演者の皆さん。

『NINJA』監督の佃光さん。出演の舛本昌幸さん、白澤康宏さん、河合桃子さん。
『FUJIYAMA』監督の水野祐樹さん。
『CHALKBOARD』監督の伊丹ローズさん。
『LOLITA』監督の安斎レオさん。
関東から参加したのは『BIG』監督の岩崎友彦さん。『OBAKE』監督の飯塚貴士さん。

「8割方“金返せ”でいいのにみんなちょっと遠慮しましたよね。みんな金持ってなさそうやしな。製作総指揮言うてる人のズボンもヨレヨレやしなって」星野さんの観客に対するツッコミに笑いが起こる。

『鉄ドン』は1992年に大阪で生まれた面白ければなんでもありのバカ映画のイベント。「鉄ドン」鬼の掟が、鑑賞時つまらなければ「金返せ!」コール、面白ければ拍手というもの。
初日のシアターセブン、明らかに監督・関係者がいると思われる会場でこれを繰り出すのは少し勇気がいるようで、観客たちは少し控えめの「金返せ」コール、拍手で作り手に応えていた。そこに星野さんがツッコミを入れ、コールをし易いよう劇場を温めていった。

そんな様子を観ていると、極端なようでいて実はこれが映画の正しい見方に思えてくる。作り手のボールを観客が打ち返し更にそれを作り手がキャッチする。ネットやオンデマンド、ソフトで簡単に作品が観られる現在、劇場に行くべき理由として、これ程魅力的ものはないのでは。

『BIG』がお気に入りで技術的にも高かったと評価する観客から岩崎さんに、グリーンバックを使いスタジオで撮ったのかという質問が挙がった。

岩崎さんの空抜けを撮りたかったために大部分が河原での撮影となったという答えに驚かされる。河原にグリーンバック張ったが風で煽られて大変だったという。
「グリーンバックをピンと張っておかないと、ちょっとでもシワがあると後で苦労します」
ソフトはアフターエフェクツを使用とのこと。

「ゾンビの女侍みたいに変な所が抜けたりします(笑)」と『SAMURAI』の、VHS時代を思わせるチープな味わいの合成に言及する伊丹さん。監督は『レイプゾンビ』シリーズ友松直之さん。プロの遊びゴコロだが、上映後に「金返せ」コールが起こったことも追記しておきたい。

他にも『ウルトラマン・サーガ』監督・おかひできさんの鬼畜スプラッター『EDUCATION』など、プロで活躍している監督たちの意外な姿やさらに深化した作品、自主映画を極めた監督たちの比類無き発想が炸裂した作品に出会えるのが『鉄ドン』の醍醐味だ。

上映は5/22(金)まで!
これを機会にバカ映画を持って参戦したい方、スポンサーになりたい方はぜひ星野さんまでご一報を!
バカが移っても知らんけどね。

■告知 『復活!?グリーンリボン賞』
『鉄ドン』の前身は兵庫県の伊丹映画祭の『グリーンリボン賞』という特撮自主映画コンペだった。
この回顧展ということで、バカ高純度イベントとして期待大!!?
7月25日(土)夜@宗右衛門町Loft PlusOne Westにて開催予定。
これからの情報チェックをお忘れなく!

(Report:デューイ松田)