今年で35周年を迎える劇団☆新感線。その話題の舞台を映画館で体感する新感覚の映像エンターテインメント「ゲキ×シネ」の最新作にして最高傑作との呼び声が高い『蒼の乱』の初日舞台挨拶が9日、新宿バルト9で行われた。主演の天海祐希をはじめ、松山ケンイチ、早乙女太一、平幹二朗ら豪華出演陣が登場。

♦︎日程:5月9日(土)
♦︎会場:新宿バルト9
♦︎登壇者:天海祐希、松山ケンイチ、早乙女太一、平幹二朗

昨年の春に東京・大阪で上演された劇団☆新感線の舞台『蒼の乱』を映像化した本作。「薔薇とサムライ」以来、3度目の劇団☆新感線の舞台で初座長として臨んだ天海は「これだけの皆さんを差し置いて座長って…恐ろしくていろいろなものに押しつぶされそうになりながらも、これだけの人たちが一緒に舞台に立ってくれているんだと思うと少し気が楽になりました」と低姿勢になりながらも、「何もできない座長でしたが、『この気持ちがちゃんと伝われー!』と思いながら、カーテンコールでご挨拶させていただいたのをすごく覚えています」と当時を振り返った。本作で劇団☆新感線の舞台に初参加の松山は「新感線の舞台は大好きで、ぜひ出させていただきたいと言ってました。(出演してみて)舞台の経験はほとんどないですが、すごくあがり症で、変に緊張してしまうところがあって、ゲネプロでもずっと足が震えてました」と意外な一面を告白。「いざ初日を迎えて幕が上がると、足が震えるというより、とにかくめまぐるしいスピードで展開されていくので、気がつけば汗ダラダラで終わってましたね。みんなでフルマラソンをやり終えた感覚で、貴重な体験をさせていただきました」と笑顔を浮かべた。
一方、舞台役者として活躍している早乙女は「(新感線の舞台は)全然違いますね。新感線の舞台が決まってる時点で、そこを目標としてきたので。今回が3回目の出演で、いままでは緊張とプレッシャーで縮こまっていたんですが、もう思いっきり楽しむことだけを考えて演じました」と語り、実の弟・友貴との兄弟対決について「友貴には絶対に負けられない気持ちもありますし、頑張ってほしい気持ちもあって、すごく複雑な気持ちで臨みました」と胸の内を明かした。今回、東国で反乱を起こすよう将門をたきつける蝦夷の長・常世王と、その兄である奥の大殿を1人で2役演じた平は「兄弟の役で、両者とも良い面と悪い面をもっていて。兄貴の方がどちらかというと悪役で、半分以上自分のキャリアの中で悪役を演じてきたので、引き出しがいろいろあって、久々の悪役でしたが彼を演じるのが楽しかった」と笑顔で語った。また、「芝居というのは、その一度限りで消えてしまって、皆さんの記憶の中にしか残らない宿命をもっている。DVDでは記録は残るが、舞台の熱は伝わらない。『ゲキ×シネ』というのは、劇の密度とシネマの流動感が掛け合わされていて、今まで体験したことのないようなスペクタクルになっている」とゲキ×シネの醍醐味を教えてくれた。
最後に天海は「私の一生の宝物がまた一つ増えました。それをこうして皆さんに『ゲキ×シネ』として観ていただけるというこんなに嬉しいことはありません」と感無量の表情をみせた。

なお舞台挨拶を行った新宿バルト9では、カフェOASEにて「ゲキ×シネカフェ『蒼の乱』」を開催中。キャラクターをイメージしたオリジナルメニューを販売しており、本作の世界を一層楽しめるようになっている。

映画「ゲキ×シネ『蒼の乱』」は新宿バルト9ほか全国公開中

(Report:小宮駿貴)