日本で最も有名な偉人「ヘレン・ケラー」。幼い時の病が原因で聴覚や視覚を失い、三重苦に陥るもサリヴァン先生との出会いで世界を知り、歴史に名を残したヘレン・ケラーと奇しくも同時代に生きた一人の少女がいました。その名はマリー・ウルタン(1885年〜1921年)。フランスのロワール地方の片田舎の貧しい家庭に生まれつき目も見えず、耳も聞こえないという三重苦で生まれたマリー。獰猛な野生児のように育ったマリーでしたが、一人の修道女との出会いで彼女の人生は大きく変わっていきます。本作の主演女優もまた聴覚にハンディキャップをもつ20歳の新星です! この度は、マリーと彼女の教育に余命を捧げたシスターマルグリットの日本では誰も知らない真実の軌跡『奇跡のひと マリーとマルグリット』の公開を機に、ハンディキャップを抱えた方々への理解を深めるべく、映画の未来を変える活動を積極的に行います! 

3月30日(月)キリスト教系出版社「いのちのことば社」にて『奇跡のひと マリーとマルグリット』の手話解説付きの試写会を開催しました。手話解説を担当したのは、「ニュース・ステーション」で紹介された両腕なき愛のゴスペルシンガー、スウェーデンの歌姫レーナ・マリアの国内ツアーや、音楽と映像で描くイエスキリストの生涯「ジーザス・ストリー」の手話通訳を担当し、会話部分以外の情景の手話表現が見事と絶賛を受けた小早川幸枝さん。健常者の方からも、きれいな手話が舞台の演出のようだとの声が上がるベテラン手話通訳者です。

会場には聴覚にハンディキャップをもつ聾者の方々が多数来場し、映画を堪能しました。字幕がある洋画はセリフを読むことはできますが、音を聞くことができない方々にとって手話解説があることによって、鳥のさえずり、風の音、流れる音楽など、字幕では説明できない台本のト書きで説明される部分が深く理解できるようになります。鑑賞した聾唖関係の方々からは、「字幕だけでは判らない微妙な音響効果を手話で説明してもらえるので、手話通訳があって、とても判りやすかった」という声が上がり、試写会は大成功を収めました。『奇跡のひと マリーとマルグリット』では、いま全国にその輪が広がっているバリアフリー上映版も制作し、視覚障がいの方に向けて吹替え版の制作と音声ガイダンスの制作を行う予定がありますが、配給会社では、現在そのバリアフリー版に手話通訳を付けることも検討中。「数少ない洋画のバリアフリー版に加えて手話通訳付きの上映が実施されれば日本初の試みになるはず。この映画で映画の未来を変えたい!」と熱意を込めて語っている。