原作は、実在のブログから生まれた「がんフーフー日記」(小学館刊)。作家志望の「ダンナ」が、長年友人だった「ヨメ」と出会って17年目にして結婚、1ヶ月後に妊娠発覚。その5ヶ月後にはヨメに悪性腫瘍が発覚し、怒涛の育児と闘病生活を送っていく。夫婦が駆け抜けた493日の記録は、闘病ブログとして人気を博し、2011年に書籍化されました。映画化にあたっては、<死んだはずのヨメと残されたダンナが、一緒に生きた日々を振り返る>という設定が加えられ、ブログには書かれなかった夫婦の想い、そして家族の愛を浮き立たせ、笑いながら涙が溢れる、かつて無いストーリーが誕生しました。
本作で主演を務めるのは佐々木蔵之介。ヨメを亡くし、残された赤ん坊を抱えて育児と仕事に奔走する役どころ。同じく主演を務める永作博美は、亡くなった後も、ダンナの前に幻影として現れるヨメを演じます。夫婦を支える友人・家族役には、杉本哲太、佐藤仁美、高橋周平、という演技派俳優陣らが脇を固め、個性あふれるキャラクターを創り上げました。
この度、島ぜんぶでおーきな祭 第7回沖縄国際映画祭の最終日である3月29日(日)、レッドカーペットと舞台挨拶に、本作のメガホンをとった前田弘二監督が登場!人生で初めての沖縄、そしてレッドカーペットに緊張を隠せない様子でしたが、温かい沿道の声援や観客に迎えられ、最新作を届けました。

■日時:3月29日(日)レッドカーペット12:49〜12:55、舞台挨拶16:07〜16:27
■場所:レッドカーペット(国際通り)、舞台挨拶(シネマパレット/沖縄県那覇市久茂地1-1-1)
■登壇者:前田弘二監督

沖縄のまぶしい日差しを浴びながら、レッドカーペットで沿道のお客様にサインや握手で応える前田弘二監督。温かい歓迎ムードに緊張がほぐれたところで、本編上映終了後、泣き顔と笑い顔のお客様に迎えられて、舞台挨拶を行いました。

MC:早速、ご挨拶をお願いいたします。
前田監督「生まれて初めての沖縄で、みなさんに映画をご覧頂くことが出来て嬉しいです。今日は午前中に沖縄に着いて、お昼にレッドカーペットを歩いて今こちらなので、まだ沖縄を少ししか歩いていません。夜にゆっくり楽しみたいと思います。今日はよろしくお願いいたします。」

MC:沖縄の印象を教えてください。
前田監督「沖縄のイメージは“明るい”ですね。僕は種子島出身ですが、今まで種子島から南に行ったことがありませんでした。(同じ島でも、種子島とは)やはり雰囲気が違いますね。」

MC:映画は“泣けるコメディ”ですが、監督が意識されたことはありますか。
前田監督「映画を撮る時にはコンセプトとしてありましたが、ここはコメディ、ここは泣ける、など敢えて決め込まず、現場の雰囲気を大切にしました。笑えるけれど同時に切なかったり、悲しいけれど、どこか微笑ましかったり、役者が演じるなかで生まれる空気を生かしました。原作では、(がんが発覚したヨメの闘病という)辛い状況がたくさん書かれていて、次々と起こる状況にどう対処したら良いかが書かれているのですが、文章がとても明るいんです。それは、ダンナの(ヨメや家族・友人に対する)気遣いだったり、湿った空気に対する抵抗だったりするんですが、文章から人柄がすごく伝わってきました。原作を読んでいて、ダンナを身近に感じるというか、友達になったような気になって。映画では、“ダンナと、亡くなったヨメが2人の日々を振り返る”というフィクションが入っていますが、明るさを大切にして、ダンナとヨメの人柄を魅せていきたいと思いました。」

MC:佐々木蔵之介さんと、永作博美さんのキャスティングの決め手を教えてください。
前田監督「この2人の夫婦が観たい、というのが1番でした。夫婦の掛け合いが大事なので、コメディ的な演技の大胆さと、感情を丁寧に演じる繊細さを兼ね備えているのは、このおふたりしかいないと思いました。現場はとても楽しく、2人の掛け合いのシーンでは笑いをこらえるのが大変でした。テイクを重ねるごとにうまくなっていて、でも漫才師という設定ではないので、うまくなりすぎないように気をつけながら撮影しました。」

MC:今回は、林民夫さんとの共同脚本でしたがいかがでしたか。
前田監督「僕は2稿目から参加したのですが、その時点で構成がとても面白く、しっかりしていました。なので、僕は物語の筋ではなく、役者さんを想定しながら、(闘病という辛い)物語に逆らうように、こんなダンナだから、こんなヨメだからできた物語だと言えるような、病室での何気ない会話や、2人の掛け合いの部分を書きました。」

MC:作品を撮り終えて、どのようにこの作品を観てほしいと思いますか。
前田監督「“泣けるコメディ”とうたっているように、闘病を描いた作品ですが、観て楽しかった、でもいいですし、心が揺さぶられた、でも嬉しいですし、楽しいシーンには笑って、自由な観方をして頂けたら嬉しいです。」

※会場のお客様から、沖縄に来たらぜひ監督に食べてほしいものとして、「てびち(=豚足)」をオススメ頂きました!

MC:最後に前田監督一言お願いいたします
前田監督「本日は映画をご覧頂き有り難うございました。5月30日に沖縄でも公開します。本日気に入って頂きましたら、ご夫婦、ご家族、ご友人、いろいろな方と一緒にこの作品を観て頂けたら嬉しいです。ありがとうございました。」