映画『カニを喰べる。』の初日舞台挨拶が新宿K’s cinemaにて開催され、主演の赤澤燈ほか、東亜優、毛利安孝監督が登壇した。

【イベント概要】『カニを喰べる。』初日舞台挨拶
【日時】 3月21日(土)【場所】 新宿K’s cinema
【登壇者】赤澤燈/東亜優/毛利安孝監督

はじめに主演の赤澤燈が、「ようやく初日を迎えることができ、大変嬉しく思います」と、昨年6月の撮影から約9ヶ月経っての劇場公開に感無量の面持ちを見せたかと思うと、「亜優ちゃん(東)と毛利監督とお会いするのが久しぶりなので、少し人見知りをしています(笑)」とはにかんでみせる一幕も。さらに赤澤は撮影中の様子について聞かれると「染ちゃん(染谷)と共演数も多くプライベートでもよく会うので撮影中もずっとワチャワチャしていました」と答えると、東はそんな2人を見て「(2人は)常に隣どおしに座っていて、入り込む隙がありませんでした」と返答。これには思わず赤澤も苦笑いで答えるしかなかった。そんな2人を主演に起用した毛利監督は「最初の段階で、ボケはどっちでツッコミはどっちと質問しました。そうしたらWボケとかWツッコミと返ってきたので、このままで良いやって思いました(笑)2人の持っている素の雰囲気を大事にしました」と印象を述べ、その言葉からはあらためて2人の仲の良さが垣間見えた。

本作は、万年モラトリアムな2人がふとした思いつきで富山までカニを食べに行き、その道中に様々な過去に出会うロードムービーとなっている。実際にこんな2人がまわりにいたらどうしますかとの質問に、赤澤は「ちょっと羨ましいですね。お仕事で忙しくしている時にそんな2人を見たら怒りが沸くかもしれませんが」と本音をポロリ。一方、東は「失うものがない自由だから、逆に不安とか心細い感じがして、ついつい応援したくなります。否定はしません(笑)」と器の広さを見せる発言に会場からは拍手が沸き起こった。また、毛利監督は撮影の前に主演の染谷俊之と赤澤燈の写真をインターネットからひろい自宅の壁に貼り、イメージを膨らませていたことを告白。しかしながら「ロードムービーを撮りたくて企画を進めていましたが、まさか2人とも免許を持っていないとは知らず・・」と会場の笑いを誘った。

途中、タイトルの『カニを喰べる。』になぞらえ登壇者が描いたカニの絵を観客に披露する演出もあり、その中で普段から絵を描くのが好きという東の渾身の1枚に、赤澤は「(自分の絵を)出しづらいですね」と複雑な表情をみせた。さらに、舞台挨拶では登壇ができなかった染谷俊之からのビデオメッセージが届くと、劇中同様のほんわかした空気感に会場が包まれた。
最後に赤澤が「染ちゃんと一緒に、その時々の全力を尽くして臨んだ作品です。僕自身も本当に大好きな作品になりましたし、気構えることなくその時々の気分で見方が変わると思うので、何回でも劇場に足を運んでいただきたいと思います。」と語り、最後まで染谷と一緒に作り上げた作品であることを強調し、和やかな雰囲気のまま舞台挨拶が終了した。