本作は、ひとりきりで亡くなった人を弔う几帳面で誠実な民生係ジョン・メイが故人の人生をひもとき、人と出会うことで新たな人生を歩みだす物語。丁寧にあたたかく死者と向き合う主人公の姿に胸を打たれる感動作です。
映画をいち早くご鑑賞下さった夏井いつきさんからは本作にコメントもいただきました!
「映像が残すささやかな余韻は実に俳句的」と夏井さんならではの視点で絶賛!今回は、俳句の世界で活躍する夏井いつきさんだからこそ語れる興味深いイベントとなりました。

【開催概要】 (上映時間:91分) 
日程:3月8日(日) 10:30の回上映終了後  トーク12:05〜12:25 
会場:シネスイッチ銀座 (東京都中央区銀座4-4-5旗ビルB1)

【イベント内容】
トーク前に改めて劇場で『おみおくりの作法』を鑑賞した夏井さんは、登壇すると「やっぱり、監督は俳人なんじゃないかと思うくらい、
実に俳句的な表現に溢れた作品でした!実際は海外の方なんですものね」と熱く語り、

「俳句は17音の中でしか表現できません。だからこそ、言葉で全てを説明するのではなく、瞬間を切り取って聞き手に2倍3倍のものを
想像してもらえるようにする文学です。『おみおくりの作法』は、随所にそういう俳句的なカケラが詰まった映画でした」と
話すと客席には「なるほど!」と頷く姿も。

「そういう意味でいうと、主人公ジョン・メイはものすごく想像力の豊かな人ですよね。それまで故人がどのように生きていたか想像して、
丁寧におみおくりをする。彼は人付き合いも苦手で、質素な暮らしをしていたけれど、でもそれまでの人生でそういう大切なものを
しっかり培ってきていたんですね。」と感慨深げな面持ち。

また、ラストシーンについて
「最後の1分間、本当に心を奪われました。とても癒されたし報われた気持ちになりました。静かな感動が胸に押し寄せました!」と
熱を込めて言うと、「俳句の切れ字に例えると「かな」のようなラストだな、と思いました。強い印象を与える
「や」や「けり」ではなく、ゆっくりと静かな深い印象を与える「かな」のような、そんな余韻の残る温かいラストです」と
夏井さんならではのご感想を頂きました。

ご自身はどんな”おみおくり”をされたいですか?との質問に、「何百人もの人が参加する「笑える追悼句会」をしたい。
お腹を抱えて笑える句が優勝するような、そんな明るいおみおくりをしてほしいですね!」と笑顔で語ってくれました。

最後に「2度、3度観ても新しい発見のある映画だと思います。1回見ただけで見た気にならないでくださいね(笑)
ぜひ、また劇場に来ることをお勧めします!」と締めくくって下さいました。

夏井いつきさんからの絶賛コメント!!
小さなモノやリアルな音が登場人物すべての人生を細やかに語る。映像が残すささやかな余韻は実に俳句的。
最後の一分、静かに豊かに深い感動が押し寄せる。—夏井いつきさん(俳人・エッセイスト)

夏井いつき氏 プロフィール
俳人・エッセイスト。松山市在住。8年間の中学校国語教諭の後、俳人へ転身。
「第8回俳壇賞」受賞など。俳句集団「いつき組」組長。創作活動&指導に加え、俳句の授業<句会ライブ>、
全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創作にも携わるなど幅広く活動中。テレビラジオのレギュラー出演、
MBS「プレバト!!」俳句コーナー出演中。