日本外国特派員協会で大島美幸さん主演映画『福福荘の福ちゃん』の試写会が行われました。上映後の記者会見では、大島さんは少し恥ずかしい表情を見せながら「男役を演じているというところが今、注目されていますが、映画そのものもとても素晴らしいので、気に入っていただけたら嬉しいです」と英語でスピーチ。そして、役作りについては、「男役を演じるにあたって、監督に指示を仰いだところ、寅さんを意識してほしいと言われました。みんなから愛されるキャラクターという点が福ちゃんを演じるにあたり、とても参考になりました」と語りました。

■登壇者: 大島美幸さん、藤田容介監督、アダム・トレルプロデューサー

監督とアダムプロデューサーへは、昨今の映画製作についての質問が飛ぶと、両者とも、その難しさを語りながらも、本作におけるチャレンジについてそれぞれ自信をみせました。「どうしても原作ものばかりが注目さえ、オリジナルの作品を作るのにはとても時間がかかるけれど、ここにいるアダムプロデューサーはじめ、多くの方の協力で、実現できた。」と監督。そして、アダムプロデューサーは「大島さんのようなスターに出演してもらえることはとても強みであり、早いタイミングから海外の配給会社などを意識して展開したため、注目してもらえ、多くの海外の映画祭で上映してもらえることができた」と語りました。

また、大島さんのキャスティングについての質問に対して、監督は「大島さんを男性にした物語を作りたかった。他の役者さんを考えてみたけれど、全く想像できなかった。大島さんの顔は日本人が感情移入できるし、女性が演じることで、生々しくなく、どこかファンタジーな要素もいれられると思いました」それに対しては、「荒川さんとも同じ顔なので、彼でもいいのかなと思いました」と語り、場内を沸かせました。

一方で、「いかにしておっさんになったのか?」という質問に対しては、「女に見えちゃいけない。男らしくなろうと思って実行したのが、お風呂につからずシャワーのみにしたこと。マッサージに行かないこと。オーガニックのものを食べないこと。それと床に直接寝ることでした。体がしんどくて、痛かったですえ。男の人は、強いなと思いました。でも、私の中の男性観が、ちょっと偏っていたのかもしれないですね」と独自の“おっさん観”を披露。また、「男性を演じたことで、新たな発見はあったか?」という質問に対しては、「女性として34年生きてきたので、少しは女っぽさが出てしまうかと思っていたけど、全く出ていなかったですね。自分の男らしさに、初めて気が付きました」と満足げに語りまし