大阪アジアン映画祭2014でグランプリを受賞したフィリピン発のオフビートなラブストーリー、映画『SHIFT〜恋よりも強いミカタ〜』の特別試写会が日本大学芸術学部で開催された。
今回の企画は、本作の􁐉伝業務にインターンとして参加している、日本大学芸術学部の5人の学生たちが、自分たちと同じく将来の夢や現状の不安や自分探しという映画のテーマに共感し、ぜひ同世代の若者たちにぜひこの作品を観て欲しいと、自ら試写会企画を考え、教授に働きかけたことで合施することができた試写会である。

イベントに登壇したのは、本作の監督である、シージ・レデスマ監督。学生たちの熱望により、この度フィリピンより緊急来日した。
本編上映後におこなわれたトークイベントでは、監督は「映画を楽しんでいただき、何か自分に共通するものを見出していただけたら嬉しい。」とチャーミングな笑顔を見せた。
試写会には、監督コース・脚本コース・演技コースなど様々なコースで学んでいる学生が参加した。
学生からは本作の制作環境についてや、フィリピン国内の映画を巡る環境について、また監督自身の経験談や監督が学んでいた心理学の領域についてなど、質問が飛び交い、予定時間を大幅にオーバーするほど、会場は大いに盛り上がった。
質疑応答の後、監督は「映画のメッセージと重なるが、人生の「よくわからない」時期を大切にしてほしい。人生には必ず「よくわからない」時期があるが、その不安な時期があったからこそ、私は目標やゴールが見つかった。」と学生へ向け、熱いメッセージを送った。

Q. 『SHIFT』というタイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか。
A. いろんな意味が込められているのですが、一つ目は舞台であるコールセンターでの「シフト」という勤務形態の舞台設定。二つ目は、主人公エステラの「これからどのように人生をシフトさせていくか」という心情に寄り添ったもの。三つ目は、ゲイでも女性を好きになれるようにシフトしていくのか、というトレヴァーの目線から見たものなど、様々な意味が混ざっています。

Q. 心理学を学んでいたということですが、それは映画制作においてどのように生かされているのでしょうか。
A. 脚本を書く際、キャラクターの心理に寄り添って書くことを意識しているので、その際に役に立っています。

Q. 本作を通して、フィリピンは日本より性に関して寛容だと感じましたが、合際はいかがでしょうか。
A. 10年程前はフィリピンもまだ性に対して閉鎖的でした。私のリサーチによるとコールセンターという場所は、フィリピンの中でも独自のカルチャーを持っているので、ゲイやレズビアンは非常に多いです。コールセンターでは国際的な多様性をもった人材を求めている為、ゲイやレズビアンなどは関係なく採用を行っているという背景もあります。また、そのような場に集まる人は西洋の文化に触れてといる、オシャレな人が多いため、性に関して寛容です。合際私の友達も、コールセンターに入ってカミングアウトした人が何人もいます。

Q. 本作の製作費・制作秘話、フィリピンの映画事情を教えてください。
A. 『SHIFT〜恋よりも強いミカタ〜』の製作費は200万円、撮影期間は6日間です。映画事情に関しては、まだメインストリームの作品を好む傾向にあります。一般的に􁐈層は幅広いのですが、主なターゲットは女性、ゲイです。