MC:ステキなお言葉をありがとうございます。中井さんはいかがでしょうか?

●中井さん
お二人の話を聞いて、大体あのシーンは残ってると思いました(笑)。僕はこの作品、妻のセツとのシーンをやりながら、これは日本の理想的なカカア天下だと思いました。志村金吾という人は多分上司に切腹をするなと言われても、もし妻がいなかったら切腹をして死んでいたでしょう。妻がいて13年間支える。 あなたはそれじゃダメなんですよ、やらければならないことがあるはずです、と言われたから志村金吾はできたんです。監督がおっしゃいましたけれど、「ありがとう」とか、「美味しい」とかって、言いすぎてもダメなんですよ(笑)。当たり前になるんですから。たまに言うのが良い!良いよね?阿部ちゃん (笑)?

●阿部さん(笑)

●中井さん

そんな男を分かってください(笑)。

MC:ありがとうございます。木?さん、近江さん、初めての時代劇に出演されたわけですが、木?さんは広末さん、近江さんは中井さんと一緒のシーンがありましたけれども、一緒にお芝居をしての感想をお聞かせください。

●木?さん
広末さんを目の前にして、美しすぎてすごく緊張してしまったんですけれども、実際に広末さんが演じるセツさんと同じ時間を過ごすことができて、スゴイ経験をさせていただき、大変勉強になりました。

●近江さん
僕も中井貴一さんがすごく美しいなと思ったんですが(笑)。本当にそうなんですよ!美しいというのは日本の男としての立ち振る舞いがあったり、考え方だった り、共演したシーンももちろんそうなんですが監督の計らいで、自分が出てない、中井さんと広末さんのシーンをカメラの横で見させてもらったんです。邪魔しないように僕は本当に心臓の音すらちょっと黙れというくらい音を消して座ってたんですけれども、中井さんが本当にかっこ良くて、中井さんのお芝居が始まった瞬間、その場の空気が全部変わっちゃって、こういう人がこれだけの作品、これだけの役を出来るんだなと肌で感じました。将来、何年かしたら中井貴一さんのようになれるよう頑張ろうと強く思った瞬間でした。

中井さん、近江さんにお辞儀。

ありがとうございます。それでは藤さんに伺いたいですが、金ごとの対面のシーンがとても緊迫感があって私もとても印象に残っているシーンのひとつなんですが、実際撮影現場を振り返っていかがでしたか?

●藤さん
特にどうってことないですよ(笑)。特に事前に話をしてしまうとつまらなくなってしまうので、何にも知らないで金吾と対面するから、こちらもドキドキ楽しみながら芝居ができました。なるべく前は話さないんです。4,5カット撮ったくらいでほぐれてきますから、その時に少し雑談をしました。

MC:中井さんは今回、藤さんとお芝居をしていかがでしたか?

●中井さん
僕は初めて藤さんとご一緒させていただいたんです。僕は実は人見知りで、初めての方とあまり話ができないタイプなんですよ。役者同士って言葉をたくさん交わすよりも芝居をするだけでコミュニケーションがとれるので、先輩の胸をかりるつもりでやらせて頂きました。

とても素敵なシーンでしたね。ありがとうございます。きょうは記念すべき初日ということで登壇者の方に鏡開きをお願いしたいと思います。

舞台上に『柘榴坂の仇討』のタイトルの入った菰樽が用意され、木崎さんと若松監督の「柘榴坂の仇討」の発声と共に場内全員で「大ヒット」の掛け声で鏡開き

最後に中井さんよりご挨拶をお願いします。

●中井さん

樽を前にして申し訳ないです(笑)。今、時代劇があまりよくないという時代に、真正面から人の心を捉えたこの映画をみんなで創りました。時代劇は我々の仕事 にとっても日本にとっても、文化だと思ってます。この灯を消さないためにも我々も努力をしてまいります。でも一番時代劇を残す力は観に来ていただくお客様にあります。面白いものを創りますので、今後も是非時代劇に足を運んでいただきたいと思います。本当に今日はありがとうございました。