KAZUYAは51歳。
51歳でアルファベットの名前と来て、警戒した女性は鋭い。
札幌を拠点に人気を誇ったバンド、PHOOL(フール)のボーカリスト。バンド解散後、定職に就かずソロ活動を続けている。

職業・ヒモ
月収は3万円以下
観客は大抵3、4人

好きなことと仕事はイコールになるのか?
『中学生日記』のテーマになりそうだけど、大人にとっても意外に一生ついて回るこの大命題。
あなたならどう考える?

●スクリーンに繰り広げられる
現在進行形の『KAZUYA』伝説!
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コラアゲン:めちゃくちゃ面白かった。女性はKAZUYAさんのこと、犬畜生だと思いますよ。

田村:お客さんにこういう映画を作ったと言ったら、何故働かない(笑)

コラアゲン:初めて会場が一つになりましたね!拍手!今世紀最大のミステリーですよ。あなたは何故働かないか(笑)。女性に相当ヒアリングしたけど全会一致ですよ。

田村:一番印象に残った女性の感想が、「愛の歌を歌う資格がない」(会場爆笑)

2013年の札幌・蠍座での大ヒット、2014年4月の新宿Ksシネマの公開を経て、7/12より十三・シアターセブンと京都 立誠シネマプロジェクト にて関西公開が始まったドキュメンタリー映画『KAZUYA 世界一売れないミュージシャン』。

公開2日目の7/13、田村紘三監督とWAHAHA本舗のコラアゲンはいごうまんさんがトークイベントを行った。
“世界一売れない芸人”として『KAZUYA 世界一売れないミュージシャン』東京上映の最終日に送り込まれ、スクリーンを通してKAZUYAさんに出会ったことで今回のイベントが実現した。

コラアゲン:『クゥクゥ』という優しい歌がありましたね。“彼女に何もしてあげられない”。枝豆食いながら「面接なんか会ったことない人に会うのコワイ」て、何も出来なかったんじゃないわ。何もしようとしなかった。まず働けよ!(笑)

田村:そうですよね 全部飲み代とか僕持ちで。

コラアゲン:もうええわ!(会場爆)
女性はひどいなと思うでしょうけど、男性は何となくわかる部分があるんじゃないですかね。
この映画を楽しむポイントは、カズヤさんのダメっぷり。ここに尽きる。
「面接に行くの怖いもん」。51のおっちゃんが。それをフツーに枝豆食いながら言える。相当凄いですよ。社会人として不適切なのはまだいいとしても。言うとくけど全部自分のこと棚にあげて言うてますよ(笑)
アーティストとして生きる点に関して徹底的に拘っているかと思いきや、大事なプロモーション撮影の前日にアホほど飲んで二日酔いで波を見ていたら酔うたて。テイクワンで終わったんでしょ。このこだわりのなさ。

田村:怖かったみたいですね。KAZUYAさんの実家は山の中なんで海をあまり見たことがない(笑)

コラアゲン:知らんがな(笑)

●『KAZUYA』を撮ることになったきっかけは?
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元々田村監督は、20代前半の頃に札幌で人気を誇っていたPHOOLのファンだったという。ライブをやれば満席になる程の集客があり、熱烈なファンが多かった。落ち込んだときに聴きたくなるような弱者の視点で書いた歌詞に、田村監督は癒しを求めた。
美容師として、アーティスト志向だった20代は様々なヘアショー開催。30代になって美容室のスタッフが増えて来ると、否が応でもビジネス志向で経営することになっていく。

田村:本当はそんなことなんかしたくなかったんです。今考えると。14年間結婚してたんですけど、40代で離婚を経験しまして。哀しいじゃないですか。その時に『ドッグショー』というドキュメンタリーを監督した中川究矢さんと出会って、僕も撮れないかなと勘違いをしてしまって。その時は欝っぽいところまで落ちてたんで、ドキュメンタリー映画で悲しみの境地だからKAZUYAさんを撮ろうと。

コラアゲン:そのきっかけと言うのが面白い。ダメなところは僕もあるんですが、KAZUYAさんには何か求心力があるんでしょうね。

田村:KAZUYAさんを見て、僕だったら働いてしまうと思うんですよ。「お金がほしい」とか、人と比べてしまって働いてしまう。働かないことに凄く魅力的に感じたんです。

(Report:デューイ松田)