5月17(土)シネスイッチ銀座にて、映画『チョコレートドーナツ』(シネスイッチ銀座ほかにて上映中)の大ヒットを記念し、映画評論の執筆やNHKラジオ第一の「午後のまりやーじゅ」などにも出演している女装パフォーマーでライターのブルボンヌさんをゲストにお迎えし、上映後にトークイベントを行いました。

【開催概要】
日程:5月17日(土)21:00-21:20
場所:シネスイッチ銀座 スクリーン2
登壇:ブルボンヌさん

本作は、母親の愛情を受けずに育った少年マルコと出会ったゲイのカップルであるルディとポールが、家族になるために法や社会と闘うストーリー。シネスイッチ銀座でも記録を更新し続け大ヒット上映を果たしている本作は、公開前より各界の著名人やマスコミから高い評価を受け、世界中の映画祭で、観客賞を総ナメにする快挙を成し遂げました。公開から3週間経った現在も、全国の上映館で満席立ち見が出るほどの大ヒットとなり、鑑賞した観客からもその興奮がTwitter、Facebookで日々拡散し、「今年一番!」の声が止まりません。

「私が今まで観てきた映画の中でベスト3、いやベスト1!だと思える作品。公開が終わってもずっと折に触れて色んな人にお勧めしたい映画です」と、イベント直前にも、本作を鑑賞し、号泣のあまりメイクが出来ずに少し遅れて会場入りした、ゲストのブルボンヌさん。ブルボンヌさんだからこそ話せる視点で、本作の魅力を語ってくださいました。

<イベント内容>
妖艶かつきらびやかな衣装を身にまとい、笑顔で登壇するブルボンヌさん。

『チョコレートドーナツ』を観ての感想を聞かれると
「初めて観た時は、ラジオ番組の出演後でメイクをばっちりしていたんだけど、号泣しすぎて目から下は、化粧が落ちておじさんになっちゃったわよ!今日も来る前に映画を観て来たんだけど、泣きすぎて目の腫れが引くまでメイク出来なくて少し遅刻しちゃいました、ごめんね。」 と発言し会場を沸かせた。

又、「この映画は全部のシーンに意味を感じてしまうくらい、とにかく脚本が素晴らしい。ただの“お涙ちょうだい”の映画ではなくて、本当に必要で大切なことを伝えた結果、それが観ている人の心に届いて泣いてしまうんだと思います。人にとって大切なことがいっぱい詰まっている映画。」と熱く語った。

本作では主人公のルディがドラヴァクイーンであることから、観ていて共感したか、という質問には
「私も2丁目でドラヴァクイーンとしてショーやってきたので最初はルディの目線で映画を観ていたけれど、
でもルディの恋人であるポールの方に、より感情移入しました。ポールは弁護士として働いていることもあり、社会的制約があって本当の自分を出せずにいるんだけど、社会のバランスの中で本当の自分をストレートに出すっていうのは怖いこと。失うことを恐れないルディの強さはまだ私にはないかな。
“ホモフォビア”(同性愛嫌悪)”という言葉があって、それはストレートの方たちだけじゃなく、当事者で、自分に自信が持てない人が使ったりもするんだけど、私もかつてはそうだった。このような姿をするのも一種の武装なのかもしれない。だからこそ、対象的にそのままの自分を出している強いルディに憧れるポールの気持ちはよくわかった。こう見えても、私も中身は弱いんだぞっ」と話した。

本作は主人公であるルディ・ポールそしてマルコが出会い、家族愛が生まれていく話だが
『究極の愛』とはどのようなものだと思うか?という質問については
「最近の人たちは、“お一人さま”という言葉があるように自分の為に生きている人が多い。若いころは良いかもしれないけれど、40代にもなってくると、そうもいかない。ルディとポールがマルコを愛して守ろうとしたように、自分以外のために生きよう、と思える存在に出会えた瞬間が『究極の愛』なんじゃないかしら。」と話した。

最後に、「マイノリティにやさしい社会は、マジョリティにも優しい社会。という言葉がありますが、色んな少数派のことについても考えるきっかけとなる映画だと思います。私が今まで観てきた映画の中でベスト3、いやベスト1!だと思える作品。公開が終わってもずっと折に触れて色んな人にお勧めしたい映画です」と、語った。