「惡の華」の人気漫画家・押見修造氏の初期傑作を『アフロ田中』『自分の事ばかりで情けなくなるよ』等の若手監督・松居大悟がまさかの実写化、毛のない男の子と毛深い女の子の青春剃毛映画『スイートプールサイド』が、松竹メディア事業部配給にて6月14日(土)より全国公開となります。

今年で4回目を迎え、フィレンツェとミラノの2都市開催となった“WA! Japan Film Festival”(旧フィレンツェ日本映画祭)。
サッカーW杯日本代表に決まった長友選手も駆けつけいっそう盛り上がったミラノの映画祭会場で、クロージング作品である本作が現地時間5月15日(木)20:30より上映されました。

映画好き・日本に興味があるイタリア人、ミラノ在住の日本人が会場を埋める中、上映前に松居大悟監督が登壇し「ミラノでこの映画が世界初上映されることを光栄に思います。
とても変態的な映画ですが、最後まで楽しんでいただけることを祈っています。
グラッツェ!!」とイタリア語で舞台挨拶を行いました。

上映中は、毛を剃るイメージ映像として森林のシーンが差し込まれたところで爆笑の渦に包まれ、「水素爆弾の作り方」という本のタイトルが出てきた瞬間にも笑いが起こりました。ラストシーンでは涙する人もおり、エンドロールが流れ始めると自然に拍手が沸き最後まで鳴り止みませんでした。

映画を観たイタリア人は「とても面白かった!」「毛を剃るシーンが森林の中に変わるところは、詩的な表現でよかった」「主役の男の子が暴走する様が面白くもあり、グッときた」など興奮ぎみに感想を語りました。

また毛の悩みがテーマの本作にちなみ、イタリア人のムダ毛事情を調査したところ「基本的に毛の色素が薄く肌の色に近いので、剃っていない人が多い。
遠目では気づかないけれど、近くで見ると結構ボーボーな人もいる。
カミソリを使って剃る人もいるが、カミソリが強く、日本人ほどこまめに剃らないし、あまり気にしていない人が大半」とのこと。
つまり毛に対して切実に悩む点に共感するというよりは、笑い飛ばす感じで本作を見ていたという面白い国民性の違いも浮き彫りになりました。

イタリア人の反応に対して松居監督は「笑いが起こっていたのは嬉しかったですし、日本的な微妙なニュアンスの表現の部分でもクスッと笑っている人もいて、とてもよかったです。同じシーンで笑う人もいれば、真面目に捉えている人もいて、人それぞれな感じがいいと思いました」と語りました。

参考:松居大悟監督のtwitterより、監督と長友選手のツーショット