過去19年間で20個のアカデミー賞を受賞(81ノミネート)、この9年間で9回も作品賞にノミネートされている、文字通り“最もアカデミー賞に近い”スタジオが、2014年に創立20周年を迎えるにあたり、もっとサーチライト作品をご覧頂けるよう新たなプロジェクトをスタートさせます。

その第1弾作品となります、愛とユーモアに溢れた感動の実話『セッションズ』(12月6日公開)と第2弾作品となります、全米メディアが絶賛したスーパー・リアルフィクション『ザ・イースト』(1月31日公開)の公開を記念し、トークショーイベントを実施いたしました。

映画『セッションズ』&『ザ・イースト』公開記念 FOXサーチライト トークショーイベント

実施日:11月30日(土)
会場:新宿シネマカリテ(新宿区3-37-12 新宿NOWAビルB1F)
登壇者:よしひろまさみち(映画ライター)、平山義成(FOX映画)

『セッションズ』と『ザ・イースト』の公開を迎えるにあたり、公式Facbookで実施されたサーチライト作品リクエスト投票キャンペーンで見事1位になった『(500日の)サマー』を新宿シネマカリテで上映する事が決定し、その上映前に行われた本トークショーイベント。

トークショーにはサーチライト作品を愛してやまない映画ライター、よしひろまさみちさんと、その日本公開に数多く関わってきたFOX映画の平山義成さんが登壇しました。

サーチライト愛を熱く語るよしひろさんは、その魅力について「これまで光が当たっていなかった俳優や監督がステップアップを図れる、まさに新しい才能が輩出される場所だと思います」と語り、観客もそれに同意するように深くうなずく場面も。
そんな中、平山さんは「この20周年を節目に、サーチライト作品もここ日本でももっと広めて行きたい。」と、熱い思いを語り、会場からは拍手が贈られました。

平山さん:皆さま、本日は「FOXサーチライト20周年記念投票キャンペーン上映会」に
お越しいただきまして、誠にありがとうございます。
私、本日の司会進行を務めさせていただきます、20世紀FOX映画の平山と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

サーチライトは20世紀FOXから独立したレーベルでして、アート映画の
輩出に力をいれています。この20周年を節目に、日本の方々にも
より深くサーチライト作品の魅力をお伝えしたくこのプロジェクトがはじまりました。

そして、本日はサーチライト作品の大ファンと仰る素敵なトークゲストを
お招きしております。映画ライターの、よしひろまさみちさんです。

よしひろさん:こんばんは、よしひろです。よろしくお願いします。
でも私でよかったんですか…?!

平山さん:実は今回トークゲストをお願いしたのには理由がありまして。
以前サーチライトの作品に『ルビー・スパークス』という映画があったんですが、
よしひろさんがこの作品を、名だたる大作と一緒にTVで紹介くださったんですね。
それがとても嬉しく、興行的にも良い成績を収めたので、いつか感謝の気持ちを
お伝えしたい、と思っていたんですよ。

よしひろさん:大作映画に注目が浴びがちで、良作であっても脚光を浴びない映画が
たくさんあるので、どうしても紹介したかったんです。よい成績を収めたとの事で、嬉しいですね。

平山さん:ありがとうございます。今回、1期サーチライト作品リクエスト投票キャンペーンを
実施しまして、13作品の中から投票をして頂いた結果、上位5作品がこうなりました。

<1期サーチライト作品リクエスト投票キャンペーン TOP5>

1位『(500日の)サマー』
2位『リトル・ミス・サンシャイン』
3位『フル・モンティ』
4位『ナポレオン・ダイナマイト』
5位『28日後…』

よしひろさん:『ナポレオン・ダイナマイト』は改名したばかりでいいタイミングですね。

平山さん:この作品、当時は劇場公開がなかったので、今回のリクエストキャンペーンの
おかげで初めて劇場で観ていただける機会に恵まれました。

よしひろさん:『(500日の)サマー』は、一見普通の恋愛映画と思いきや、
全方位型の映画ですよね。女性も共感できるし、恋愛における男性の気持ちも
しっかり描かれていて、だれでも共感できると思います。

しかもこの映画の監督を務めたマーク・ウェブ監督は、この作品から
『アメイジング・スパイダーマン』などの大作映画の監督に抜擢されるようになりましたよね。
ジョセフ・ゴードン=レヴィットもこの作品をきっかけに最近は大作映画へ次々に起用されたり。
『リトル・ミス・サンシャイン』のアビゲイル・ブレスリンもそうですよね。

これまで光が当たっていなかった俳優や監督がステップアップを図れる、
まさに新しい才能が輩出される場所だと思います。

平山さん:『サンキュー・スモーキング』というサーチライト作品を手がけた
ジェイソン・ライトマン監督も『ジュノ/JUNO』でアカデミー賞にノミネートされたり、
ナタリー・ポートマンも初のオスカーを『ブラック・スワン』で手にいれたりしてますね。
サーチライトは新しい才能に光をあてる、という部分が強いんです。

よしひろさん:オスカーに受け入れられるスタジオですよね。
ここでの成功は映画界での成功といってもいいんじゃないでしょうか。

平山さん:おっしゃる通り、サーチライトはこの19年間に81ものアカデミーノミネートを
輩出していますが、サーチライト作品の中でよしひろさんのお気に入りの作品や、
思い入れの深い作品などはおありでしょうか?

よしひろさん:私が好きなのは『フル・モンティ』なんです。
すごく簡単に言うと、おじさんたちのストリップ映画でして(笑)。初めて観たときすごく面白かったので、
マスコミ試写で2回観て、公開されてからもう一度映画館で観てしまいました。

不景気が取り立たされた時代の映画なんですが、同じテーマを扱う他の映画と比べて
飛びぬけて明るいんですよ。最初はおじさん達のストリップってなんなの!?と、設定に驚かされましたけど。

平山さん:そうですよね。最初は戸惑うんですが、だんだんと共感していく不思議な感覚があります。

よしひろさん:そうなんです!『ルビー・スパークス』もありえない設定で驚いたんですが、
それでも共感できたり、物語に潜り込んでいけるのは脚本力と表現力のすごさなんだと思います。

平山さん:こうしたサーチライト作品を広めて行きたいという事で日本でも新作を2本
上映することが決まっています。まずは12月6日から公開します20周年記念第1弾作品の
『セッションズ』です。これは幼いころの病気が原因で首から下が動かないという障害を持つ男性が、
愛する女性と心も身体もつながりたいと願う、実話をベースにした愛とユーモアに溢れた感動作で、
サンダンス映画祭ほか4つの映画祭で観客賞を取っている作品です。よしひろさんはこの作品を
ご覧になっていかがでしたか?

よしひろさん:これ、下半身がマヒした男性の筆おろしのお話なんです。
でもすごく重さも持っていて、かつ明るい物語です。

平山さん:主人公のマークが明るいのがいいですよね。

よしひろさん:そうそう!しかもマークを演じているのが、『マーサ、あるいはマーシー・メイ』の
ジョン・ホークスとは…

平山さん:これまでとはガラッと違う役ですが、だからこそ新鮮な輝きがあります。

よしひろさん:この作品はアカデミー賞にもノミネートされましたよね。
その時はまだ日本公開が決まっていなかったので、こうして映画館で観れることになり嬉しいです。

平山さん:そしてもうひとつが、来年1月31日から公開の『ザ・イースト』です。
環境被害を及ぼしていながら利益を上げている企業に報復攻撃を仕掛ける謎のテロ集団“ザ・イースト”に
潜入捜査することになった女性捜査官が主人公のスーパー・リアルフィクションになっています。

よしひろさん:この女性捜査官が国ではなく、民間企業に属しているというのがミソですよね。
こういった“企業を守る企業”があるのを初めて知りました。ドンデン返しが何度もある面白い作品です。

平山さん:主演のブリット・マーリングが主演から監督、脚本も担当しているんですが、
ブリットがサーチライト作品を手がけるのは、これで3作目です。

よしひろさん:それほどサーチライトが欲している才能という事ですよね。
この映画、冒頭からすごく不穏な空気をかもし出してて、これから主人公とかみんな
どーなっちゃうの?って不安に思わせるわけなんですが、主演女優自らがそんな映像を
作れちゃうって、どんなすごい才能なんだよ!って思いました。

それでは最後に、これから『(500日の)サマー」をご覧になる皆さんに
よしひろさんから一言お願いします。

よしひろさん:とっても素敵な作品なので、みなさんぜひ楽しんでくださいね!