●MC:
本作は注目作として盛り上がってますが、実は今夜、ノーベル文学賞の発表もあって、こちらもどうも盛り上がっているようなんですが・・・。

●福井晴敏さん:
そうですよね。下手すると、せっかくこうして記者の方々にお集まりいただき、写真を撮っていただいても、全部ノーベル文学賞で、流れてしまう可能性がありますからね(笑)。
なので、今日はこのノーベル文学賞に絡めた話をしてくれにというミッションが僕にはあるんです。そうすれば、ネット検索で引っ掛かるかもしれないですからね(笑)。でも、本作の場合は、文学賞というよりは、ノーベル平和賞を狙えると思います。ここにいる全員で、平和賞を取りに行きたいと思います(笑)。

●MC:
さて、本作は4か国を股にかけた撮影でした。かなりハードであったと聞いております。俳優の皆さまに、撮影の想い出や完成を迎えた今のお気持ちなどお聞かせ願えますか?

●佐藤浩市さん:
とてもハードでした(笑)。
だいたいロケの時は、天候などで撮影が出来なかった場合などを考慮して、予備日というものが普通はあるんですが、今回はなかったので、ドキドキしつつも完走しました。

ロシアのハバロフスクではマイナス20度、その後タイに行って、そこでは40度。寒暖差60度です(笑)。もしこれが逆だったら、高齢のスタッフはかなり厳しかったんじゃないですかね(笑)。
でも、本当になんの事故もトラブルもなく、最後まで撮影できて、その行った国々で酒を飲んでましたよね、未来君。

●森山未來さん:
はい(笑)。

●佐藤浩市さん:
そういうことで無事に撮影は敢行できました(笑)。

●MC:
阪本監督、結構厳しい撮影スケジュールでしたか?

●阪本順治監督:
僕らスタッフはそんな飲んでる時間はありませんでした。
そんなに飲んでたとは知らなかった(笑)。

●MC:
香取さんもニューヨークなどにも行かれてますが、撮影中はいかがでしたか?

●香取慎吾さん:
すごく楽しかったです。
僕はニューヨークもロシアも1泊するかしないかというくらいで、飛行機に乗ってる時間の方が長かったと思います。
でもそれを辛いと思う間もなく、すごく楽しい経験が出来る撮影ばかりでした。それに、撮影中の1泊いるかいないかという間に、浩市さんや未來君とかと食事に行けたりもしました。
監督とはそういう時間はありませんでしたね(笑)。

●MC:
森山さんも国連本部で撮影をされたり、色々な経験をされたと思いますが、いかがでしたか?

●森山未來さん:
クランクインしたのが、僕はニューヨークの国連本部でのスピーチだったんですが、その時点では、この映画が成立するかしないか本当に危うい状況だったんです。でも、本当にこの作品に関われて、これだけの人間が集まって、厳しい状況下の中で走り抜けることが出来て良かったと思います。

●香取慎吾さん:
最初に国連本部の撮影をしていた時は、この映画の撮影が始まるのか、どうなのか、という感じだったんですが、それが分かる前に、もう国連の撮影は始まったらしいということを聞いて驚きました。

●佐藤浩市さん:
国連側もこの映画のためならばということで、脚本を読まれて、許可をしてくれたんですが、何か国連本部の内装が変わるため、去年の5月までしか使えなかったんですよ。
なので、とにかく国連のシーンだけ先に撮っちゃえ!ということになりました。僕も最初は、行かない方がいいんじゃないか?と、阪本監督を止めたくなるくらいギリギリだったんですが、もしも国連だけの撮影になってしまった場合は、『国連』っていう短編で公開するって阪本さんがおっしゃって(笑)。

●阪本順治監督:
だって、そう言うしかないじゃないですか(笑)。
でも、それが僕らの本気度を示すことになって、手を挙げてくれる方々がだんだん増えてきた結果、今日を迎えられました。

●MC:
岸部さんはいかがでしょうか?

●岸部一徳さん:
今、ご質問に答えていた3人をみて、こんなに大変だったんだ、と改めて感じました。私はそこまでではなかったので、皆さんすごいな、すごい映画だなと思いました。

●MC:
寺島さんはいかがでしょうか?

●寺島進さん:
日本一上手い関西弁を話せたと思います!大阪出身の監督に指導していただいたので、皆さん楽しみにしていて下さい(笑)。

●三浦誠己さん:
僕の撮影は、東京で何日かだったんですが、大先輩方に囲まれ、ガチガチに緊張していて、現場のことも良く覚えていないくらいです。
でも、観月さんの足がすごく長かったというのはとても印象に残っていますね(笑)。

●石橋蓮司さん:
今日観ていただける皆さん。おそらく、きちんと観ていないと、私が何処に出ているのか分からないような感じだと思います。
それと、色々なお話が出ましたが、撮影というのはそういうもんだから、「頑張れ」って思いましたね(笑)。

●MC:
最後に福井さん。こうして皆さんがお集まりいただき、映画化されるということで今の気持ちはいかがでしょうか?

●福井晴敏さん:
今日はもうノーベル文化賞の話したので、僕は任務完了したつもりでいたんですが・・・(笑)。

長らく人類は資金がないという状態が続いておりますが、今日、こういう日を迎えられて感無量です。昔の日本映画は、娯楽映画と社会派とあって、両方ともお客さんがいたんですが、今はどうしても娯楽映画ばかりになってしまっているところがありますよね。
だから、なかなかこういった映画は成立しづらいと言われていたんですが、「いや、そうじゃない!」というのを示してやりたいという思いを、ここにいる全員が持っている気持ちだと思いますので、是非皆さん
応援していただけたらと思います。

以上。