本日、映画『夏の終り』(8月31日公開)の完成披露試写会にて行いました。

日時:8月14日(水) 舞台挨拶開始13:30〜 場 所:イイノホール(千代田区内幸町2−1−1)
登壇者:満島ひかり(27)、綾野剛(31)、小林薫(61)、熊切和嘉監督(38)

100万部を超えるロング・ベストセラーとなっている瀬戸内寂聴の小説を発売から50周年の節目の年に映画化した『夏の終り』が8月31日(土)より公開となる。時を経ても色あせない、センセーショナルな愛の物語。本作の公開を記念して行った完成披露試写会の舞台挨拶に出演者および監督が登壇し、それぞれの役や作品への想い、撮影時の思い出を語った。

MC:主人公・知子役のオファーを受けた時の思いは?また、型染めの練習もされましたか?
満島:私は出演が決まる前に脚本を読んでいて、(その時は)自分とは関係のない大人の話だと思って読んでいました。熊切監督と初めてお会いした際に、素敵な方だな、一緒に映画を撮りたいなという思いだけで見切り発車しました。型染めは、撮影の一カ月くらい前から、文化服装学院に週に3〜4回練習に通いました。今までやったお仕事の中で一番楽しかったです。型染めとか彫りをする場面が、お芝居よりも面白かったです。

MC:主人公・知子に恋人がいると知りながらも知子を愛する年下の男性、涼太の役。印象的なシーンは?
綾野:あまり憶えていないです。悪い意味じゃなくて、すごい現場だった。「ぐちゃー」っていう状態で芝居をしていました。熊切監督が素敵なややこしい人ということもあり、「ぐちゃー」という感じしか残っていないです。試写で観ると、映画は思ったより整頓されていましたね。

MC:妻子がありながらも知子とも関係を持つすこしズルいような年上の男性、慎吾という役。演じてみて?
小林:冥利に尽きるんじゃないでしょうか。妻がいながら知子という人もいて、ちょっと男の憧れみたいなところがあるんじゃないでしょうか。そのへんは楽しんでやりました。

MC:なぜいま「夏の終り」を映画化しようと?
監督:パンチのあるヒロインを撮りたいと思っていました。自分ももうすぐ40代。そろそろ大人の抑制のきく作品を、と思っていました。

本作の中で満島さん演じる主人公が型染め染色で生計を立てていることにちなみ、この日はそれぞれオリジナルの、世界でたった一つの浴衣を着付けて登壇。満島さんが「女性ならではの生き辛さが多少映っているのではないかと思います。現場でももがいていました。監督も撮影部も照明部も美術も、みんな、みんな迷いながらも良いものをつくろうとしていました。」と語る本作。男女の三角関係を描いた大人のラブストーリーという、重厚で静寂な中に、溢れ出るような登場人物たちの情熱を見事に描き出した本編の火照りを冷ますような、涼やかな出で立ちからは、夏の終りのようなすがすがしさが感じられた