1997年に刊行され、上下巻で340万部超のミリオンセラーを記録した、妹尾河童の自伝的小説「少年H」。昭和初期から戦後までの神戸を舞台に、不穏な世の中を生き抜き、様々な困難からも力強く立ち上がって行く「H(エッチ)」と呼ばれた少年とその家族の物語を、巨匠・降旗康男監督が描き出しました。主演は国民的俳優の水谷豊、その妻役は、実生活でも水谷豊の妻である伊藤蘭。「名もなき家族」の物語が日本に感動を届けます。
この「少年H」が本日8月10日(土)、全国307スクリーンで初日を迎え、TOHOシネマズ六本木にて初日舞台挨拶を行いました。

舞台挨拶には、主演の水谷豊、伊藤蘭、吉岡竜輝、花田優里音、降旗康男監督が登壇。
6月末から初日までの1か月半の期間で、水谷・伊藤は夫婦揃って、北は北海道、南は福岡、さらには国境を越えてモスクワまで、計7か所、総移動距離21855kmのキャンペーンを行い、多くの人に作品に込めた想いや平和への願いを届けてきました。「総移動距離が地球約半周分、フルマラソンで518回分」ということを聞いた水谷もそのキャンペーンの規模に改めて実感が沸いた様子。

そして、舞台挨拶の最後にはサプライズとして、これまで観客の前に出たことがなかった原作者の妹尾河童が登場!劇場に来ていることが水谷から発表されると会場の拍手に後押しされた妹尾が舞台に。「本物のHです!」と紹介された妹尾は「今まで4回も映画化を断ってきたけれど、今回は映画化をお願いしました。本物のおとうちゃんとおかあちゃんがいました。なかなかこんなことは言えないけれど、原作者冥利につきます!」と本作の出来に太鼓判!妹尾から「水谷さんは小柄だったおとうちゃんの寸法にぴったりだった」と言われた水谷が、「小柄に生まれたことをこんなに嬉しく思ったことはない」とユーモアを交えて答えるなど、本物の“少年H”が映画のH少年と妹尾一家に囲まれる貴重なひとときとなりました。
以下、登壇者のコメントです。

水谷:初日が早く来ればいいと思っていましたが、いざ初日前になるとちょっと待ってくれないかと寂しい気持ちになります。キャンペーンで回った土地の方々があたたかく迎えてくれたことが印象に残っています。多くのキャンペーンを行ったので、どれくらい移動したのか見当もつきませんでしたが、総移動距離21855kmがフルマラソン518回分と聞いて、ようやくピンときました。

伊藤:初日という日が大きなポイントだねと水谷さんと2人で話しながらドキドキわくわくしておりました。キャンペーンなどで撮影が終わってからも子どもたちと会うことができたことも楽しかったです。

吉岡:初日はとっても嬉しいのですが、水谷さんや伊藤さんとご一緒することがなくなると思うと寂しいです。初日がもっと先だったらいいのにとも思います。学校の友達からは「小栗旬と一緒に出てんねや」などと声をかけられます。キャンペーンの毎日は本当に楽しいの一言でした。

花田:今日はとても特別な日です。今日大勢の人に観てもらえて、とても嬉しいです。映画を観た後、家族みんなで昔日本で大変な戦争があったことを話してほしいです。

降旗:いくつになっても、何度経験しても初日は緊張するものです。舞台に出るドア越しにお客様の拍手を聞いて安心しました。宣伝で訪れた土地ではモスクワでロシアの方たちがとても良い反応をしてくださったことが思い出に残っています。

妹尾:おとうちゃんとおかあちゃんが映画の中にはいました。妹の好子も「話し方が本物のおとうちゃん、おかあちゃんや!」と喜んでいました。本当に原作者冥利に尽きます。ありがとうございました。