第65回アカデミー賞で9部門にノミネートされ、最優秀作品賞をはじめ4部門を受賞した映画史に残る最高傑作『許されざる者』が、2013年日本映画となって再生!本作に新たな命を注ぎ込んだのは、『悪人』『フラガール』を手掛けた日本映画の若き天才・李相日監督。キャストは、日本最高といえる俳優陣の渡辺 謙、佐藤浩市、柄本明。共演には柳楽優弥、忽那汐里の若手に加え、小池栄子、國村隼らによる妥協なき布陣。人と時代が生み出す巡りあわせのなかで、生涯に一作、巡りあえるかどうかの人生の一本ともいうべき映画。そんな出会いさえ予感させる世界の日本映画が、いまここに完成!この度、本作の完成を記念いたしまして豪華キャスト陣が集結した完成報告記者会見を実施いたしました。会見では、クリント・イーストウッドからの絶賛メッセージも到着!

日 時:8月1日(木) 12:00〜  場 所:グランド ハイアット 東京 
出席者: 渡辺 謙、佐藤浩市、柄本 明、柳楽優弥、忽那汐里、小池栄子、李 相日(監督)

●ご挨拶
渡辺さん:ようやく完成しました。今でも一つ一つのシーンにエピソードが詰まっていることを思い出します。自分にとっても刺激的で冒険させていただきましたし、強い思い入れのある作品です。

佐藤さん:役柄的には追いつめる側ですが、撮影時には監督にたくさん追いつめられた凄惨な毎日でした(笑)。ですが、完成を前にすると喜びしかないですね。これからみなさんに観ていただける日がくると思うと幸せでいっぱいです。

柄本さん:完成作品を観て、李監督という才能は大したもんだなぁと実感しました。たくさんの人に観てもらいたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

柳樂さん:この作品に参加できたこと、心から幸せに感じます。ありがとうございました。

忽那さん:今回の撮影は初めて見たこと、経験したことばかりの現場でした。そんな刺激を受けた日々がこうして一つの作品になったことに喜びを噛み締めています。

小池さん:完成してほっとしました。スタッフさん、役者さんたちと時間を過ごすことでたくさん勉強させていただいた現場です。自分にとってもチャレンジになった作品なので、みなさんにどう感じていただけるか楽しみです。

李監督:前作の「悪人」を経て、完全な善悪を割り切ることのできない世界を描きたいと思っていました。昔観たオリジナル版「許されざる者」に刺激を受け、この作品を日本映画として再生させたいという途方もない申し出を受けてくれたすべてに人に感謝いたします。このスタッフ、キャスト全員で作品を完成させられたことに誇りを感じます。

Q:クリント・イーストウッドからのメッセージを受けて

渡辺さん:撮影に入る前、オリジナル版のストーリーは踏襲しつつも、この作品は日本独自の素晴らしい作品になることを確信しました。今回、日本でこの作品を再生させるという試みを快く引き受けてくれたクリント・イーストウッドの懐の深さに感銘を受け、こうしてメッセージを送ってくれたことは素直に嬉しいです。日本のスタッフを信用してくれたという証でもありますし、彼の心に届いたということですから。

監督:実感がわかないですね(笑)。映画界の神様みたいな人なので…。雲の上の人から声をかけてもらったみたいな感覚です。撮影中はとにかく必死だったので、その結果がきちんと届いたんですね。

Q:久々の悪役ですが、一蔵を演じるに当たり気をつけた点は?

佐藤さん:悪役だろうと、一人の人間を演じるということに変わりはないです。監督とも密に会話しながら、現場の雰囲気を大切に作りあげていきました。

Q:渡部謙さん、佐藤浩市さんの初共演はいかがでしたか?

佐藤さん:この「許されざる者」という作品で共演できたことをとても光栄思いますに現場でも威風堂々としていて、すべてを受け入れるその度量は素晴らしいですね!…照れくさい(笑)。

渡辺さん:こういったアプローチの難しい作品で、一緒に高みを目指す共犯者としてこれほど心強い人は他にいません。嬉しかったですね。映像でも彼の力強さは残っていると思います。

Q:ベネチア国際映画祭での上映も控えていますが。

監督:オリジナルのストーリーは踏襲しつつも、人の生き様、人間の業をにじみだせればと思って必死になっていました。そこの部分の見え方の違いはオリジナルと比べても明確だと思います。そこをどうとらえられるのか、楽しみでもあれば怖くもありますね。

渡辺さん:日本独特の風土、痛み、湿度がどう伝わるか、僕自身は楽しみの方が強いです!

●会場では、本邦初公開のダイジェスト映像も上映!今回初めて明かされた本編映像に、会場に集まったマスコミ陣も圧倒された様子。さらに、会場にはクリント・イーストウッドからも本作の完成にあたっての祝福メッセージが届き、「これは日本スタッフを信頼してくれた証。結果が彼にも届いたということに嬉しさを感じます」と渡辺謙さんも喜びのコメント。また、本作は第70回ベネチア国際映画際へも特別招待作品として招待されることが決まっており、海外での評判も期待が高まる中、「日本独特の作風に仕上がっている本作がどう受け止められるのか楽しみです!」とさすがハリウッド俳優ならではの落ち着いた貫禄ぶりで本作への自信をのぞかせました。

【クリント・イーストウッド監督からのメッセージ】

この度は、私の長い映画人生の中で最も大切で、自分の人生に大きな影響を与えた作品「許されざる者」が、
最愛の国・日本で、日本映画として甦ったことをとても幸せに感じています。

かつて、私は黒澤明監督の「用心棒」に感動し、「荒野の用心棒」に出演したのを思い出します。
そして今、日本映画界の最高のスタッフとキャストが、私の「許されざる者」に感銘をうけてくれたと聞いています。
これにも何か深い縁や絆を感じざるを得ません。私も作品を拝見し、素晴らしいできで、非常に満足しています。

日本を舞台に 滅びゆく者たちの生き様を壮大に描いただけでなく、
激しくも美しい魂が詰まっているこの作品に日本映画の新たな時代の幕開けを感じました。
私の愛する日本の美しい風景や文化を通じて、見るもの全ての人々に驚きと優しさを与えてくれます。

私の大事な友人である渡辺謙も、素晴らしい演技を見せてくれました。
李相日監督をはじめ、本作にかかわった方々への成功を祈っております。

最後に本作が日本映画界、そして世界の映画の歴史に残る素晴らしい作品になることを期待しております。