本作は重症の化学物質過敏症の女性早苗さんと、その命をつなぎとめた林檎の話です。 ごく普通の生活を送っていた早苗さんは、突然、化学物質過敏症にかかってしまいます。苦しい発作は早苗さんの生活を一変させました。母と一緒にきれいな空気を求めて放浪の日々が続きます。『心臓が痛い!胸が苦しい!』瀕死の彼女を救ったのは、肥料も農薬も使わずに育てられた木村秋則さんの林檎でした。電磁波も障害となる中、三年半も命の危機に直面しながらもあえてカメラの前に立ち続けた早苗さんの想いがずしりと心に響く渾身のドキュメンタリーです!本作が、7月13日(土)、ついに公開致しました。
本作監督の藤澤勇夫氏と、柳沢幸雄氏(元東京大学大学院名誉教授)による初日トークショーを行いました。

上映後、環境工学の権威・柳沢氏は化学物質過敏症について、『ある意味幸いな事にまだ患者数が少なく、この問題がどれだけ深刻なことか理解している人は少ない。化学物質過敏症を、この映画を通して皆さんに是非知ってもらいたい。知ってもらうことで、この病をごく少数のうちにくい止める手だてにしなくてはいけない。』と熱弁を振るった。ハーバード大学でベストティーチャー賞を受賞しているだけにとてもわかりやすい語り口で、満席の劇場内では熱心にメモをとっている観客の姿も見られた。

また、本作に出演している化学物質過敏症の女性/早苗さんについて監督の藤澤氏はこう語る。
『早苗さんは山奥で一人暮らししています。化学物質過敏症は重症だと人に会えません。でも、皆さんに本作を見てもらって、あなたは決して一人ぼっちじゃないということを彼女に伝えたい。
彼女の出演理由は、きっと、『私みたいになっちゃだめ、皆気をつけて』と言いたくて出演したのだと思う。』
まだ広く知られていない化学物質過敏症の存在を、本作を通して世の中に伝えていくきっかけともなるトークイベントとなった。