2005 年にタリウムによる⺟親毒殺未遂事件を起こして世間を騒がせた“タリウム少⼥”をモチーフとし、管理社会の窮屈さを⾃らのケータイのカメラで軽々と⾶び越えていく⼥⼦⾼⽣を描いた映画『タリウム少⼥の毒殺⽇記』。7⽉6⽇(⼟)公開初⽇舞台あいさつが渋⾕アップリンクにて⾏われた。舞台あいさつには、主演の倉持由⾹、⾝体改造アーティストの Takahashi、そして⼟屋豊監督の3名が登壇した。

倉持由⾹は、「撮影当時は 19 歳でした。でも、未成年だったからこそ“タリウム少⼥”の危うさを演じることができたんだと思う。今だったらできない」と⾃⾝も“タリウム少⼥”と同じく、未成年特有の危うさを当時は持っていたと告⽩した。また、本作の中でも登場する⾝体改造アーティストのパフォーマンスについて話が及び、⼟屋監督から⾝体を改造する理由を尋ねられた Takahashi は、「私は、⼈間の⾝体が美しくないと思っているんです」と語り、倉持から「最終的にはどんな形が美しいんでしょうか?」との質問に、「形で⾔えば猫ですね。だから私も猫⽿にしています」と応じ、⾝体改造アーティストの Takahashi ならではの独⾃の美意識を披露した。

⼀⽅、⼟屋監督は、倉持由⾹のキャスティングについて触れ、「よくどうやって、こんなに“タリウム少⼥”にピッタリな⼈を⾒つけることができたのか?と聞かれるんですけど、実は、ネット検索で倉持さんを知り、本⼈に mixi で直接メッセージを送ったんです。けど、僕みたいなオヤジが突然メッセージしても怪しまれると思って、とにかく丁寧に全く怪しい者じゃありません、とメールしました。まるで出会い系サイトみたいな出会い⽅ですね」と語り、客席の笑いをさそった。これに対し倉持は、「最初はイタズラかと思いましたけど、監督の真⾯⽬さが伝わり、お会いしました。でも、ホントに『タリウム少⼥の毒殺⽇記』に主演してからの仕事の調⼦が凄くいいんです。お陰さまで DVDも出せましたし、グラビアもドンドン決まったり、⽇テレジェニック候補⽣になったりとホントに感謝しています。
⻑い間埋もれていた私を⾒いだしてくれた⼟屋監督には頭が上がりません」と語ると、⼟屋監督は、「それに⽐べて俺はあんまり調⼦よくないな」と語り、⼆⼈の掛け合いに客席は笑いに包まれた。

そして、⼟屋監督は本作製作の裏話について触れ、「今回の配給宣伝費はクラウドファウンディングという仕組みで調達しました。⼀⽅で製作費もおふくろの⽣前贈与みたいな形で、おふくろからお⾦借りて作っているんです。それを何とか返すためには、お客さんが1万⼈⼊らないとダメなんです。1万⼈⼊れたいんです。この作品は1回観ただけでは分からない作品でしょうから、皆さん3度くらい観て下さい」と語ると、客席は⼤きな笑いと賞賛の拍⼿に湧き、終⽌、監督とキャストの和やかな雰囲気に、客席が包まれた初⽇トークイベントとなった。